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私のお気に入りのカメラ、その1 ZenzaBRONICA S2

 6x6判の一眼レフカメラです。大きくて重く、持ち歩くのには向かないため使う頻度は少ないですが、ここぞという時に持ち出します。

 よくハッセルブラッドと比較されます。大きなシャッター音とミラーショック、ぐるぐると何回も回さないといけない巻き上げ(しかも最後に抵抗感と共にガチャっとなる)は、ハッセルと比べると決して上品ではありません。
 しかし安っぽい訳でもありません。ハッセルがレンズシャッターでミラーはチャージしないと下がらないのに対し、ブロニカS2はフォーカルプレーンシャッターでクイックリターンミラーです。機構的に差が出るのは当然で、またそれぞれ一長一短と言えるでしょう。
 ミラーショックはミラーが戻る時が大きいらしく、以外と手持ちでもブレません。標準レンズなら1/60でも十分いけます。

 ハッセルブラッドと比べて優れているのは、取り扱いに約束事が少ないことです。ハッセルではチャージされた状態でなければレンズの取り外し、取り付けはやってはいけませんが、ブロニカはレンズにシャッターが無いので当然気にする必要はありません。そればかりかフィルムホルダーも、ボディ側のチャージ状態、ホルダー側の巻き上げ状態を気にせず着脱できます。

 特徴としてはまずヘリコイドが挙げられます。レンズ単体にはヘリコイドが付いておらず、ボディーとレンズの間に単独のヘリコイドが付きます。つまり同じヘリコイドを交換レンズで共有するようになっているのです。(ただし300mm以上の望遠レンズにはヘリコイドが付いているため、ボディーに直接取り付けます。)

 ミラーも独特です。通常一眼レフのミラーは上に上がりますが、ブロニカS2のミラーは下がります。しかもレンズの下に滑り込むように前方に移動しながら下がります。そのためレンズのバックフォーカスを短くすることができ、性能上有利だと思われます。

NIKKOR-H 3.5/50mm, NIKKOR-P.C 2.8/75mm, ZENZANON 2.8/100mm

 レンズはニコン製のニッコールとブロニカ独自のゼンザノンがありますが、いずれも評判いいようです。ニッコールというと描写が硬いとかボケがあまり綺麗でないなどと先入観を持たれがちですが、ブロニカ用に関してはそうでも無いように思います。

NIKKOR-P.C 2.8/75mm, ILFORD HP5+

 ブロニカS2は比較的丈夫な方だと思われます。同じ機械式ブロニカでも、D型は繊細で故障も多いと聞きますが、S2はだいぶ改良が進んでいるそうです。私のS2も一度メンテナンスに出してから10年ぐらい経つと思いますが快調です。
 修理、メンテナンスはイストテクニカルサービスで受け付けてくれます。

 ひとつ弱点を挙げるとしたら、フォーカシングスクリーンがあります。スクリーンをモルトで定位置に押さえつける構造になっているため、モルトがへたってくるとスクリーンが浮き上がりピントが合わなくなります。そのためブロニカS2を入手する際は、整備済みの物を選ぶのを強くお勧めします。

 冒頭でハッセルブラッドとの比較について述べましたが、私はブロニカがあるのでハッセルは今のところ要らないと思っています。それぐらいブロニカS2を気に入っています。

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