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私のお気に入りのカメラ、その2 Kodak Retina IIa

フォールディングと呼ばれる、蛇腹折りたたみ式のカメラです。とてもコンパクトなのが良いです。

まずは簡単にスペックから。
レンズはシュナイダー製のRetina-Xenon 50mm F2、またはローデンシュトック製のヘリゴン50mm F2が使われています。私のにはクセノンが付いています。
シャッターはシンクロコンパーで1秒から1/500まで、レンジファインダー、レバー巻き上げ式です。

折り畳んだ状態

レチナはコダックがドイツのナーゲル社を買収して設立した、ドイツコダック社によって発売された一連のカメラです。ライカよりは安価だが高品質なカメラ、といった感じでしょうか。多くのバリエーションがありますが、大きく分けるとI型、II型、III型があり、I型は目測式、II型はレンジファインダー、そしてIII型はレンジファインダーで露出計が付いています。
II型は発売時期によりII、IIa、IIcに分けられます。IIはフィルム巻き上げがノブ式ですが、1951年発売のIIaでレバー式になりました。1954年発売のIIcは、IIIcの廉価版という位置付けなのか、レンズがF2.8になっています。また、IIIcは露出計を内蔵してレンズ交換ができるようになったため、やや大型化しています。そのようなことから、私的にはIIaがいちばん使いやすく実用的ではないかと思っています。
ちなみにIIaはフィルム巻き上げにレバー式を採用した初めてのカメラなのだそうです。

優れている点として、フィルム巻き上げと連動してシャッターがチャージされること、つまりセルフコッキングになっていることがあげられます。蛇腹折りたたみでありながらセルフコッキングを実現しているのは、同時代の同じようなカメラであるツァイス・イコンのコンテッサ35と比べても進んでいると言えます。レバー巻き上げと併せて普通に使えるカメラです。

レンジファインダーは通常ピントを合わせると距離計像が動きますが、レチナIIaではファインダー像の方が動きます。距離によるパララックス補正の効果を狙っているのかもしれません。

使い方もレンズ固定のレンジファインダーカメラとしては特殊なことはありません。強いて言うならフィルムカウンターは逆算式で、最初にフィルムのコマ数にセットする必要があります。0になるとそれ以上巻き上げできなくなります。
前蓋を開ける際はカメラ底面のボタンを押すと少し開くので、手で蓋を開くとレンズが出てきます。しまう際はピントを無限遠に戻し、レンズが固定されている部分の上下にあるボタンを押しながら蓋を閉めます。

ILFORD HP5+, XTOL 1:1
ILFORD HP5+, SPUR Silversalt 1+20
ILFORD HP5+, SPUR Silversalt 1+20

レンズの描写は言わずもがな、3群4枚のテッサータイプなだけあってシャープです。かと言って硬すぎるわけでもありません。

コンパクトで実用的、気軽に使える高性能なカメラです。

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