「あの子のむかし話」⑤(こうちゃさん著)
こうちゃさんからいただいた小説連載の続きとなります。今までの話はこちらからどうぞ。
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勉強は、栞さんがいろいろ付け加えてくれて、丁寧に教えてくれた。わたしが「わからない」っていうと、栞さんが、「これは、こんな感じに考えてみて」とヒントをくれる。いじわる、という感じは全くなく、温かな人だった。
一通り終わった後、栞さんが聞いてきた。
「美也ちゃんは、授業だとなにが得意?」
「えー?むーん……」
少し考えてみる。わたしは、勉強は嫌いなのだけ