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文章の技術 尾藤克之

社会人になってから、電話応対での言葉使いやメールでの文章力、上司への状況説明など、相手に分かりやすく「文章」を組み立てなければならないことが多い。
そこで、文章をうまく構成するにはどうすればいいのかを学ぶために、本書を購入した。この本は、「文章の技術」と題名で言っている通り、読み取りやすい文章構成や分かりやすい言葉選びなどの読み手の立場になった文章の作り方を説明してくれている。
本を読み始めて思ったのが、なんて読みやすいんだということ。

理由の一つに、筆者が本書で説明してくれている「漢字とひらがなの使い分け」にあると思った。漢字を多く使うと、博識のイメージを読み手に与えられるかもしれない。ただ、それは読み手に読みやすい文章を作成できているとは言えない。ひらがなを多く使いすぎると幼稚な印象を与えるかもしれないと思う人もいるかもしれないが、漢字とひらがなを上手く使い分けることで、読者が「読みやすい」と思える文章作りができるのだ。

長い文章も、要約すれば一文で終わった。なんて経験ないだろうか?
意外と、文章を引き伸ばしているだけで、要点は一部分だったことはよくある事だ。筆者は、長文から要点を見出す能力がある。日頃から、文章を書く事で自分の書いた文章を読者目線で見た時に、どこが読み手に分りにくくなっているのかを判別できるようになったのだ。読み手のいる文章には必ず「誰のために書いているのか」「文章を読むことで何を思って欲しいのか」と、読み手に理解してほしい要点がある。つまり、この要点を見出す能力を身につけ、文章を作成するときに、読者目線で自分の文章を考えることで、読み手にとって分りやすい文章を作成する事ができる。

文章を作成する技術は、難しい言葉や横文字などではなく、あくまでも読者目線で、読みやすい文章を作成する工夫なのだと筆者は本書で説明してくれている。
他にも、筆者の読みやすい・分りやすい文章を作成する上で大事なことをまとめてくれているので、書くことが苦手な人にも参考書としておすすめできる一冊である。

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