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コンサル1年目が学ぶこと 大石哲之

「コンサル1年目が学ぶこと」と初めに聞くと、コンサル業界に採用されるほど器量がある、大学の成績で言えば優の人に向けた内容かと思い、少しハードルが高いのではないかと思いながら読んだ。

その予想は半分当たっていて、半分外れていた。

半分当たっていたと言うのは、他社の業績を分析し、向上させる職業でもあるため、求められるもののレベルが高い。その為、本書を読んでも気遅れする部分があったから。しかし。半分外れていたと言うのは、そういったハイレベルな知識や分析力が必要とされる業界に新卒で入りそのまま15年以上その業界で働き続けた筆者だからこそ、コンサルの業務だけでなく「新社会人として」学べる部分がたくさんあった。

今日は、私が本書を読んで印象に残った点などをまとめたいと思う。

●相手の期待を超え続けることがビジネスの基本
その為に、相手の期待の中身を把握する必要がある。
相手が何をしているかを正確に把握する。

●報連相の基本は、上司からの指示の内容を明確に把握すること。
指示を出す側・受ける側も4つのポイントを明確にする。
1、その仕事の背景や目的
2、具体的な仕事の成果イメージ
3、クオリティ
4、優先順位、緊急度
この4つの点を上司から指示を受けた時に明確にする。

●捨てることができると、非常に効率的に、速いスピードで仕事を進められる。

●全体から幹と枝葉を区別できるようにする
何事もまず全体像を把握し、幹・枝葉に区別する癖を身に付ける。
その為には、ロジックツリーを使う事が効果的。例えば、電車に乗っている時に目に入る情報からロジックツリーを当てはめ、幹や枝葉を形成する。初めは早くできなくても練習することでロジックツリーを構築する能力が身に付く。

ロジックツリーが役に立つ4つの理由
1、一生使える
2、全体が俯瞰できるようになる
3、捨てる能力が身につく
4、意思決定のスピードが上がる

●適切な指導者が必要
独学でタスクをこなせる人もいるが、大半の人は上司(指導者)に指示や教示を受けタスクをこなす。自己流でするより、分からないことがあれば聞く。また聞ける環境に身を置く。勉強でも、スクールに通うことがタスク完了の近道になる。

●余計なことをやらない
ショートカットを覚える。

●チームワークはそれぞれにしかできない役割を担ってチーム全体の勝利に向かって走ること。
ムカデ競争のようにみんなが一緒の行動をしてゴールに向かうのではない。
簡単なことでもいいから今の自分の能力でチームに貢献できる分野を考える。

以上が、本書を読んで印象に残った点だ。
他にも、参考になる考え方が載っている。仕事で考えがまとまらない時や、立ち回り方が分からない時、居場所が見つけられない時など、仕事が少し嫌になっている人にこの本をお薦めしたい。
初めは、コンサル業界で十数年働ける能力がある人が能力ある人向けに書いた本かと思うかもしれないが、今すごい人でも報連相不足でミスをしたり、クライアントの希望が読み取れず期限に間に合わなかったりと意外と同じミスをしていると気づく。ただ、今すごい人はそういったミスを繰り返さないために考え方を改めたり違うアプローチをしたり試行錯誤をしている。本書は、そう言った試行錯誤を繰り返した人の新社会人に知っておいてもらいたい考え方や対策をまとめてくれている。

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