放送大学テキストをPDF化して電子書籍に

1学期も3週目が終わりそうですが、はやくも進捗が遅れ気味です。自宅でじっくり勉強できれば理想的ですが、なかなかその時間も取れないため、まずは移動中や外出先で少しづつでも進める必要があります。

とりあえず全15回の講義の半分、すなわち通信指導の範囲について、講義を見たり聞いたりしながら、何が語られているかを掴んでいるところです。

この方法の場合、テキストを読むのが後回しになることもありますが、特にラジオの授業の場合、未知の専門用語が出てきたときに困ることがありました。大枠を掴むという意味では細かい部分にこだわらずに進めてもよいのですが、親しみのない教科は先にざっくりとでもテキストに目を通しておいたほうが効率がよさそうです。

さて本題です。テキストは多くの場合が書籍となりますが、これを持ち運ぶのは荷物が増えることになります。できれば荷物は軽くしたいもの。そこで、テキストをPDFファイルに電子化してタブレットに取り込むことにしました。いわゆる「自炊」と呼ばれている方法です。

電子化のメリットは
 ・スマホ、タブレット、PCでテキストを参照できる
 ・重い本を持ち歩かなくて済む
 ・検索可能なPDFにしておくと全文検索ができる
などがあります。

紙の書籍ならではのメリットも多々ありますが、学習においては電子化のメリットのほうが大きいと考えています。どうしても紙が必要であれば、裁断したものをファイリングする、またはもう1冊テキストを買う、などの方法で対応もできます。また最近は非破壊でスキャンする方法も色々ありますが、まだ試していません。

私の自炊の手順は以下の通りです。これまでいくつかの資格試験を受けていますが、毎回この方法でテキストを電子化して勉強してきました。

それでは作業の手順をご紹介します。もし実際に作業される場合は、不要な本で練習されることをお勧めします。そして何より、刃物でのケガにはくれぐれもご注意ください。

必要なものは以下の通り。

・パソコン
・スキャナー 参考品:PFU ドキュメントスキャナー ScanSnap iX1600 
・ディスクカッター 参考品:CARL ペーパーカッター DC-200NA 
・カッター 参考品:オルファ カッター 万能M厚型 203BSY 
・カッターマット 参考品:プラス カッターマット A4 グリーン 48-573 
・マグネットバー

スキャナーは高額ですが、私は旧製品を中古で入手しました。裁断機は大型のものもありますが、かさばりますし、数冊程度の加工には上記の組み合わせで十分と感じています。ペーパーカッターは放送大学テキストのサイズであれば上記のもので対応可能です。カッターは刃の折れるものであれば何でもよいのですが、個人的にはM厚と呼ばれるタイプが使いやすく愛用しています。カッターマットはA4サイズ以上がよいでしょう。マグネットバーの使い方は後述します。

作業の流れとしては
 1:カッターで適度な厚みに分割する
 2:ディスクカッターで糊付け部分を切り落とす
 3:各ページが糊でくっついていないかを確認する
 4:スキャナーで読み込みPDFファイルにする
となります。

まず分割作業ですが、カバーがかかっている場合は外します。次に表紙(厚紙)とその先の数枚を一緒に切り落とします。裏表紙も同様です。切り方は、本を大きく広げ、本のノドにカッターの先をまっすぐ入れ、数回に分けて刃先を滑らせて切っていきます。力を入れて切ろうとすると失敗しがちなので、10回ぐらいかけて切るイメージで作業するといいと思います。

表紙・裏表紙を切り分けたら、次は本のメイン部分を分割します。放送大学テキストの場合、30ページ(15枚)以下の厚みにするといい感じでした。この際も1か所のカットに10回ぐらいかける感じで切るとよいでしょう。カッターの角度はノドに添って寝かせるような角度にします(立てると刃先が左右にブレやすくなります)。ここまでの工程で出た切り屑はしっかり取り除いておきます。

分割作業が終わったら、ディスクカッターで糊付け部分を切り落とします。切り落とす幅は3~5ミリ程度。あまり細くすると糊が残ってしまい次の工程が面倒になります。なお切り落とす側の逆側(本の小口側)にマグネットバーを置いて位置合わせに利用すると、カット幅が一定になるのできれいに仕上がります。

ここまででスキャンできる体裁にはなるのですが、このあとに重要な工程が残っています。各ページが糊でくっついていないか、1枚1枚確認を行います。このチェックを行わずにスキャンすると、糊でくっついていたページがスキャン中にグチャグチャになる場合があるので、面倒ですが必ず行うようにしています。

各ページが独立していることが確認できたら、スキャン作業に移ります。私はFPU製の旧機種を使っていますが、スキャンアプリの設定は以下のようにしています。

 ・カラーモード:グレー(表紙と裏表紙はカラーにする)
 ・読み取り面:両面
 ・画質:エクセレント
 ・向き:自動
 ・ファイル形式:PDF
 ・オプション
 ・検索可能なPDFにするにチェックを入れる
 ・詳細設定
  ・ファイル形式:PDF検索可能
  ・スキャン:白紙ページを自動的に削除するはチェックしない
   ・オプション
    ・裏写りを軽減するにチェックを入れる
    ・文字をくっきりするにチェックを入れる
    ・文字列の傾きを自動的に補正するにチェックを入れる
  ・ファイルサイズ:中

設定で重要なのは、読み取り可能なPDFにすること。いわゆるOCRを掛けることで全文検索や文章のコピーが可能となり利便性が大きく上がります。

上記設定の場合、ファイルサイズは1冊が150MB程度になりますが、文字を拡大しても劣化をほぼ感じない設定です。画質をスーパーファインに落とすとファイルは小さくできますが、文字はそれなりに劣化します。画質とファイルサイズのバランスは好みの設定を探ってみると良いでしょう。

あとはPDFファイルをクラウドに上げるなりメモリーカードにコピーするなりして、タブレットやPCで読めるようにします。スマホにも入れておくのもお勧めです。いまやスマホを肌身離さず持っている方も多いと思いますが、ふと気になった時にいつでもどこでもテキストに当たれるのは本当に便利で、特に資格試験のような大量暗記が必要な勉強には必須と思っています。

なお作業している時間がないという向きには、外部サービスに依頼する方法もあります。裁断までならキンコーズがやっていますし、裁断からスキャンまでの一括サービスを提供してる自炊代行会社もあります。

今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。

最後になりますが、テキストは著作物ですので権利を侵さぬようご配慮ください。

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