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数学は誰でも好き

<数学は誰でも好きなはず!と、その根拠を示す旅を続ける。>

<描く>
小学1年の子どもたちに(オトナでもよい)、それぞれ九枚の正方形のカードを渡して「一番好きな並べ方」を示してもらう。カードには異なる色が塗ってある。
すると、Aさん、Bさん、Cさん、・・・がそれぞれ異なる並べ方を次のように示してくれる。(一部の例示)

ここには、子どもたち一人ひとりの個性に満ちた表現がある。
このような「遊び」は、子どもたちを「○○好き」にする。

 <書く>
さて次に、同じ九枚のカードに「1から9までの自然数」が書かれているとして、「一番好きな並べ方」を示してもらう。 
すると、「色」の時より「数」の場合の方が、任意性が減るかも知れない。そして、類型化がみられるかも知れない。
しかし、次のように多様性は残り、子どもたちの思考に関する個性のような「一つの表現」になっている。


このような「遊び」なら「数字並べは好き」と自覚するのではないか。(「数学好き」につながればよいが・・・)     
  
それぞれの並び方に「数学的な意味」があるかどうか、子どもたちは考えない。それは「感覚」で測るしかない。
 
数字を「横並び」にするか、「縦並び」にするか。「1、2、3、・・・」と「順並び」にするか、「9、8、7、・・・」と「逆並び」にするか。
これだけでも、子どもたちの心の中は激しく動く。
「縦並び」のAさんには積み木を重ねるような楽しさや、「高さが増す空へ」の憧れがあるのかも知れない。
「縦で逆並び」のBさんは、種子島のロケット発射場で「9、8、7、・・・」と秒読みする現場に居たことがあるのかも知れない。
 
九枚のカードを「一番好きな形」に並べる作業が「嫌い」な子どもはいないと思う。なぜソノ形が好きなのか、説明はできないにしても「感覚」は働いている。

次のように「しかく」に並べる子どもは多い。スッキリと落ち着くのかも知れない。

<名付けて発表>
さらに、子どもたちの「一番好きな並べ方」を発表する時に「なまえ」を付けてもらうと面白い。
例えば、上の並べ方に対して、「上から下に」、「へび」、「うず」、「ふしぎ」等である。
(どれが「うず」か?数字をたどってみれば分かるはず。)

<話し合う>
「発表」の後はミンナでよく見る。例えば、「上から下に」の図をミンナで見て特徴を探してみる。
「上から下に(縦に)」書いた数字を「横に」見ると、「1→4→7」、「2→5→8」、「3→6→9」と「3ずつ増える!」などと特徴を発見し合うことができる。(特徴は一つとは限らない。)
 
「ふしぎ」を発表したCさんの話。・・・ 『1から9までの真ん中は5だから、「しかく」の真ん中に5を書いて、斜めに「4、5、6」を決めて、・・・』と続く。
ミンナはCさんの話から、縦、横、斜めに見て、合計がすべて「15」になることを発見する。「魔方陣」の発見である。
 
「へび」を発表したDさんは自分の図を見て、「5が真ん中にある!」ことに気が付く。そして、斜めに「3、5、7」と奇数が並んでいることにも気が付く。
 
「うず」を発表したEさんは「真ん中が9で、1はどこから始めても同じようにグルグルまわる」ことに気が付く。ミンナもそのことに驚く。
 
<興味を広げる>
子どもたちは、もう「1から9まで」を超えて、「1から16まで」、「1から25まで」、・・・と興味を広げていき、止まらない。

<数学へつづく>
(次は「1から25まで」の「素数階段」で、素数の時だけ一段上がる数字カードの並び方)
小学一年生は、「素数」の概念をもっていない。
しかし、小学4年くらいになれば、「割り切れる数の時は隣に並べる」というルールでこの図ができていることは分かる。
それだけで十分である。

<素数階段>

正方形の数字カードの並べ方に始まる整数論もあるのではないか。
そして、何より子どもたちは「数学が好き」なのだと思う。
一人ひとりの発想に寄り添うことができれば、嫌いになることはない!?

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