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ショート動画の可能性について

STANDの宮原です。
今日、TikTokを筆頭に、InstagramのリールやYouTubeのshortsといったショート動画を活用する 流れは止まりません。動画プラットフォームを活用したインフルエンサーの活躍や企業のSNS運 用は今後も拡大していくでしょう。 今回は、TikTokをきっかけにショート動画が流行った理由や、今後のさらなる可能性について考 えていきます。

◆ショート動画の先駆け、TikTokが流行った理由

TikTokの始まりとも言える15秒動画。以前vineも同様に15秒動画として流行った時期はありまし たが、今ほど動画が世の中に与えたインパクトは大きくなかったように思います。 TikTokがここまで爆発的にヒットした背景には、一つ目にTikTokアプリ内での編集のしやすさがあ るでしょう。動画の撮影から加工までをTikTok内で一貫して行うことができます。 加工の技術も、 ターゲットである若者のニーズをしっかり汲み取っているのです。動画映えがするように人物を 「盛る」機能があったり、音楽聞き放題サービスの「AWA」との業務提携したことで、流行りの BGMをコンテンツで使用できるようにもなっています。これにより、どんな動画素人でもテンポの 良いコンテンツを作ることができるのです。


もう一つが、アプリに搭載されたレコメンド機能です。TikTokを開くとまずはじめに出てくるのがレ コメンド、おすすめのタブです。いくつかの指標からユーザーに対しておすすめを提示するのです が、tiktokのレコメンドのシステムはクリエイターのフォロワー数に関わらず、「良質なコンテンツを 評価し、適切なユーザーに届ける」という理念のもと設計されています。ゆえに、 駆け出しのクリ エイターが投稿したコンテンツであっても、平等に一定の初期アクセスが付与され、そこからコン テンツのいいね数、コメント率を評価し、良いコンテンツであれば多くのアクセス権を与えていくと いうシステムになっているのです。せっかく動画を投稿したのに視聴回数がゼロという現象を防 げるようになっています。この機能もまた、動画素人でも一発バズらせるチャンスがあることか ら、投稿の障壁をグンと下げにきているというわけです。
また、ユーザー側からしても、コンテンツに偏りがなく、幅広い動画の視聴機会があります。クリエ イター、ユーザーの、両者のニーズをうまくサービスに反映させたのがショート動画のアプリとして 当たった理由でしょう。


◆ショート動画の機能が当たり前になったSNS

TikTokによるショート動画のヒットをきっかけに、InstagramやYoutube、LINEにもショート動画を 投稿できる機能が追加されました。SNSでは定期的にアルゴリズムが変化しますが、最近の Instagramでは、動画の投稿数によって表示頻度が判断されていると言われています。また、1枚 目に動画をおいた方が投稿エンゲージメントの下がり幅が小さいこともわかっています。ただし、 これに関しては母数が少なく一概に動画>静止画と結論づけることは難しいです。とはいえ、い ずれにしてもリールのような短くて印象に残る動画をストックしていくことが今後のSNS活用にお いては非常に重要になります。
Youtubeにおいても、テレビで活躍する著名な有名人が参入し始めた結果、Youtubeを始めるこ とに対する特別感はもはやなくなりました。むしろ、レッドオーシャン化しているため、同じような企 画が並んだりと他との差別化が困難になってしまっています。そこで最近ではショート動画の機 能を使うことで、Youtubeの内容を一部切り抜きして流したり、Youtubeの裏企画をつくり、単純に 自分の動画の露出機会を増やすことで、本編のYoutubeにたどり着いてもらう可能性を高められ るよう、クリエイターがそれぞれ工夫している傾向にあります。そのほか、Youtubeのチャンネル 登録者を増やすことをゴールにして、まずは認知をとるためにtiktokを導入にするパターンもあり ます。
静止画よりもより詳細に簡潔に伝えることができてかつ、個性も出しやすいコンテンツとして、テレ ビCMのような役割を担い急速に拡大しているのが分かります。


◆TikTokをはじめとしたショート動画の可能性

ここまでで、ショート動画がかなり力を持ち出してきた背景について簡単に見てきました。ここから はショート動画のさらなる可能性について言及していきます。
TikTokは登場からこれまでになかったユニークな機能のおかげもあって、純粋なエンタメ性を楽し むプラットフォームの印象が強かったです。ステマやサクラインフルエンサーなどの悪質なユー ザーが少ないプラットフォームでもありました。しかし、日本においてもここにきて少しずつビジネ スの価値が認識されはじめています。
TikTokユーザーはTikTokerに対する信頼性が高く、TikTokerは純粋にコンテンツの質だけで勝負 している現状があります。実際、ユーザーは動画の初期段階でPRだと分かると、動画を最後ま で見るのをやめてしまう傾向も高いといいます。PR案件をやる場合には、いかに案件だと悟らせ ない自然な動画にするかもカギとなるのです。そういった点で、よりクオリティの高い磨かれたコ ンテンツが今後も増加していき、広告の効果も徐々大きくなっていくと推測できます。


またTikTokのような強力なアルゴリズムではたらくプラットフォームの場合は、「何度その商品や サービスを見かけたか?」といった商品との接触回数によって、商品の認知度や信頼性が決まっ てきやすいです。ゆえに、自分のコミュニティ内で何度も見聞きしたモノが、印象に残りやすく、実 際に購買に至るケースが増えることが予想されます。このことを踏まえると、何か商品やサービ スをPR際には同じ属性のクリエイターさんに向け、一斉に数を打ち出した方が良さそうです。


個人のクリエイターにPRを依頼するだけでなく、海外ではすでに有名ブランドがTikTokを使って ユニークなストーリーの伝え方をしています。例えば、Diorではミシンやで作業でドレスを作る過 程を映し出したり、はたまた古くから歴史を持つデザインを紹介したりと、数秒でブランドの奥深さ を伝えています。テレビCMまでは作り込まれてはおらず、ポップで親しみやすい雰囲気を残しな がら、なおブランドの権威は保っているなと感じる例です。 日本の企業においても、ブランディングをしっかり保った企業アカウントを育てていくことで、幅広 い層に認知を拡大したり、ブランドの新しい側面を届けることができるのではないでしょうか。


いかがでしたでしょうか。 いずれにしても、マーケティングの一部としてショート動画を重視し、作り込んでいくことは今後ど んな企業においても避けて通れないでしょう。今一度トレンドを追いながら、いかに自社の製品・ サービスを短い動画で印象づけるかにリソースを割くべきだと実感しました。

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