📙海底図書館⑤　(加筆中)

キツネコオオカミ
『ははは。よし、いこう！』


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


チル『ねぇ、あっちらさん！これはどぉ？』
（両手にパペット）

試着室のカーテンを開けて
さっき知り合ったばかりの
【あっちら】の宇宙人に問う。

もう、20は着替えている。



髪型は完成していて
アクセサリーもつけている。
お化粧はリップだけ。

ついさっきまで、ねこタブのお花のミルク風呂に浸かり、みかんヨーグルトのドリンクを飲みながら

モニタで‘’サーカス‘’を観て、オトナノオンナさんが使うというキラキラのお化粧台と寝台で、さっき図書館でカーテンを開けていた【ヒト型】さんから、しっかりスキンケアをしてもらったところ。

チル『ぱっく。ぱっく。へい、今日はなにするんだい？へーい、ぱっくさぁ〜♪』
さっき作った歌。


オレンジ色のライトのなかには
小さな、さかな。

オレンジ色に、光る、さかな。




キツネコオオカミ
『いいじゃない～どれも似合うね！
あつらえたようだ！』


チル『ぃひひ』


キツネコオオカミ
『こっちらの友達もたくさん来るよ。
あっちらからも賓客があるんじゃないか』



チル『ふぅん』



キツネコオオカミ
『それにするかい？』



チル『んーん。いちばん最初のにする』



キツネコオオカミ
『（ずこっ）待ってるね』




鼻歌を歌いながら着替えていると
パーテーションごしに
あっちらさんが話しかけてきた。


本人はソファでくつろぎながら、動き回る【ヒト型】にちょっかいをかけつつ、パーティのパンフレットに目を通している。



キツネコオオカミ
『きみ、ここに住んでるだろ？』

チル
『ううん』


キツネコオオカミ
『あてが外れた』

チル
『泊まってるの！』


キツネコオオカミ
『いつから』


チル『いち、にー、さーん、えっと、いーち、に、さーん、まって、にーぃ、よん、ご、ぇっと』

キツネコオオカミ
『５の次は６』


チル『ぅん。ろーく、なーな、はち、ぇええっと』



（パーテーションのカーテンのスキマから首を出す）


チル『ぇええっと！
ナポレニオンパフェのいちごが３回、梨が１回、バナナが１回と、あといちごチョコが２回、あとマンゴーとスイカといちごカスタードスペシャルが食べたい』　　

キツネコオオカミ
『うん、わかった、うん。うん、わかった。』



チル『あとナポリタンも、もういっかい食べたい』

キツネコオオカミ
『意思表示はハッキリめ』



チル
『宇宙人ウィンナは毎回２コにしてほしい』
（ゆっといて！てかんじ）



カーテンから顔をひっこめる

キツネコオオカミ
『いっこの日があるんだ』



チル『宇宙人ゲームに勝つと２コ』

キツネコオオカミ
『へぇ。』



チル『うっちゅうじんっ♪お入んなさいっ・3・』

キツネコオオカミ
『ぁあ』


チル『ウインナあってのナポリタン』

キツネコオオカミ
『何回食べたの』


チル『７回！』

キツネコオオカミ
『１週間、よく見つからなかったな』


チル『たまに会うのよ、あっちらさん』


カーテンをあけて、でてくる。
せなかのリボンやって、と、くるり。



チル『“　ふんわり　”』


キツネコオオカミは
慣れたようにリボンを結びにかかる。

キツネコオオカミ
『話せたんだあっちらと。ぼく以外に』



チル『ナポさんと。リタンさん。』
（パペット、ぱく、ぱく）

キツネコオオカミ
『ぼくは？』



チル『（じゃぁ）ナポレニオンさん』

キツネコオオカミ
『ナポレニオン』


チル『有名な将軍の名前には、限りなく近く
　限りな〜く遠い』

キツネコオオカミ
『...ちょっと、失礼じゃない？』


背中ごしに顔を覗き込む。
そぉ？てかんじに
まあいいやと、またリボン。

チル『鼻水は、でるほう？』

キツネコオオカミ
『たまにはね』

チル『好きな数字は？』

キツネコオオカミ
『・・・い』

チル『ちがう』

キツネコオオカミ
『に』

チル『(無視)』

キツネコオオカミ
『・・・・・６』

チル『だよねっ♡』

キツネコオオカミ
『うん。だよね。
ね、いま決めた。読書家のきみを
今夜、特別な秘密の部屋に招待しよう』



チル『秘密なの』

キツネコオオカミ
『お友達は２名まで許可する！』


チル『わお！会いたい！』

キツネコオオカミ
『お呼びよ』


チル『～～っナーポさーーん！！
　　　リッタンさぁあああん！』
（パペット絶叫）

キツネコオオカミ
『ちょちょちょ、テレパスないの』


チル『なにそれ』

キツネコオオカミ
『うそやん』


チル『やん』
（クチ真似）


キツネコオオカミ
『口癖。通信は？』
（耳上につけた何か）


チル『あっちらさんにしかないんじゃない？』

キツネコオオカミ
『....そう。そっか。（ごまかすように）
じゃん！クイズ。
今日なに食べたと思う～？』



チル『どん！きゅうりのお味噌汁！』

キツネコオオカミ
『あたり！やっぱあるじゃん！』



チル『きゅうりのにおいしかしないもん。
ナポレニオンさんっ』


キツネコオオカミ
『きゅうりくさいんだ』


チル『ちゃんと、似合ってる！』

ちょっとショック

キツネコオオカミ
『似合ってんだったら、ぅん、うれしい』


チル『世界一だよ♡』
（くりん。と振り返り、目を見ていう）

キツネコオオカミ
『ほんと』



チル『きゅうり的！』


キツネコオオカミ
『男前！』



（チル、前に向き直る）
チル『よっ、きゅうり！』

キツネコオオカミ
『いまいちノらない』


チル『気の持ちようだよ』

キツネコオオカミ
『そう（かな）』


だってさっききゅうりのにおいで目が覚めた、と言おうとしたとき、ヒト型が扉を開いた。


ヒト型
『御案内のお時間です』

キツネコオオカミ
『よし、できた！リボン完成！』


チル『うっし』



パペットをつけたまま扉の前へ行くと、やんわりと立ち位置を指定される。ヒト型が両手を広げると3匹の生き物の映像が現れた。巨大な黒ヒョウ、巨大な光る鳥、巨大なピンク色のクジラ。


ヒト型
『ルートは３つ。大陸より。大空より。大海より。景観の催しでございますから、お楽にお選びください』


チル『なんて？』
ナポレニオンを振りかぶる。

キツネコオオカミ
『走ってくか、飛んでくか、潜水してくか、選べって』


チル『海！』

ヒト型
『それでは、モモイロクジラを御用意いたします。どうぞ、お進みください』



館内は、相変わらずヒト型が静かに動きまわっている。通り過ぎるヒト型が、持ち歩き用のドリンクやおやつ、雑貨類を勧めてくれる。



促されて乗ったティーカップ。
とろっころ、みたいなものだろう。


静かに進むティーカップカーでくつろぎながら、天井のプラネタリウムを眺める。

チル『ぷらねたりーむ、ここも』

キツネコオオカミ
『好きだよね、ここの旦那』


チル『ねぇ、ハンケチもらった♡』


（いいね、てかんじ）


キツネコオオカミ『センタクウオだ』


チル『さめ吉の親友とそっくりよ』

キツネコオオカミ
『星洗いの魚だね。
　ぼくらの惑星じゃ当たり前の童話さ』


チル『星洗い、知ってる。絵本よ』


キツネコオオカミ
『星洗いのじいさんは、あっちらの惑星の出身じゃぁなかったんだ。でも、あっちらで身を立てた。もちろん、こっちらでも』


チル『眠れる谷の王子にも出てくるわ。
　　　光る祈りの魚』
（とっても美しい...て顔）

キツネコオオカミ
『芸術の都』


チル『飛行汽に乗ったのよ』

キツネコオオカミ
『羨ましい！文献でしか観たことがない』


チル『あっちらでは、おうちに宇宙船があるじゃない？ナポさんが言ってた』

キツネコオオカミ
『もちろん。星洗屋もターミナルを持ってる。それでも飛行汽は特別さ。星洗いのじいさんの仲間内で創った、魔術と技術の融合だからね』

チル『仲間がいるの？たくさん？』

キツネコオオカミ
『大学の友人たち。それぞれが、みな、きみの星の礎を築いた。』


（目がきらめく）
チル『たとえば』

キツネコオオカミ
『天からうがつ滝もそうさ』


チル『わかる。水ガメのこと？』

キツネコオオカミ
『空飛ぶバイクやチャリンコもそうさな』


チル『へぇ』

キツネコオオカミ
『海底湖も、その古城もそう』


チル『じゃぁ、空の門も·····？』

キツネコオオカミ
『まぁね』


チル『······“宇宙人ウインナ”は？』

キツネコオオカミ
『なんだって？？』



ティーカップが止まる。
他方から合流するティーカップ。

お先に、と挨拶をする紳士。
軽く手を挙げるナポレニオン。


チル『ネコだ』

キツネコオオカミ
『ああ、あっちらじゃ
金持ちしか持たない趣味だ』


チル『ネコを飼ってるマダミュがいるの。アンティークショップなんだけれど、雑誌でみたの』

キツネコオオカミ
『こっちらの？』


チル『空飛ぶバイクで世界中を飛び回るおばあちゃんと小さいころから一緒なんだって、ネコも、長生き』


キツネコオオカミ
『へぇ、会いたいな。名前は？なんて街？』


チル『モノレールの、街。劇場があって、商店街があるの。閉鎖されていた劇場が、このあいだ、開場されて、世界中から人々が集まった。』


キツネコオオカミ
『うん』


チル『て、街』


キツネコオオカミ
『へぇ』

(執筆中)

＿＿＿【マル秘メモ】＿＿＿＿＿＿＿＿＿

※なぜ少女チルは、ごはんを無料で食べられていて、セキュリティにも反応しないのか。秘密がある。


※この海底図書館＆ホテル＆モールは、一連、宇宙船。水のなかに沈んでいて、上部が水面から顔を出し、地上と融合している。

※艦内からみれば、巨大水族館。


※最先端。【こちら】の惑星にはない技術。


※少女チルだけ、オールインクルーシブの最上VIP。ほんとうに何でもオールイン。


※本人よくわかってない。
みんなそうだと思ってる。


※どこかのタイミングで気づく。


※自分の街では、みんなお金を払って過ごしていたし、あれはだめこれはだめだった。


※たぶん究極のお嬢で、ガチンコに厳しい家だったんだろうね、お金はあるけど、教育が厳しい。ちがうかも。


※流れできめる。
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