凡人、一級建築士を目指す♯23「学科試験ってどんな試験?」
一級建築士試験は、1次の「学科試験」、2次の「設計製図試験」で構成されている。
今回は1次の「学科試験」について、私の考察を混じえながらゆる〜っと説明する。
受験資格
受験資格は下記のいずれかに該当すること。
①大学等で指定科目の単位を取得している
②二級建築士
③建築設備士
④その他国土交通大臣が認めるもの
①については本当に細かいので、現在学生で、一級建築士を受ける予定ならよく確認しておいた方が良い。
建築学科を卒業しても、受けられないケースが起こりうる。
②と③については、どちらも2次試験まであり、難易度もそこそこ高く、年1回しかない。
一級建築士…とまではいかないが、やはり学校に通って取得するのが一般的だろう。
④は外国大学卒業者など。
R2年度からは、「実務経験」は試験合格後、登録時に満たしていれば良くなったため、卒業後すぐに受験が可能になった。
受験スケジュール
①4月上旬 受験申込みスタート。
②7月上旬 受験票が手に入る。
③7月第4日曜日 学科試験。
④9月上旬 合格発表。
R4年の情報を参考に書いたが、だいたい毎年このような感じ。
ついでに言うと、学科試験から2次の設計製図試験までは2ヶ月半くらいしかない。
合格発表からというと1ヶ月ちょっと。
私の通ってた総合資格学院は、1次試験が終わると当日に学校に戻り、自己採点をする。
そこで「合格見込み」の場合は別室に呼び出されて、翌週からの製図の授業の説明をされる。
試験の内容
試験は5教科からなる四肢択一のマークシート式。
①学科Ⅰ(計画)20問
②学科Ⅱ(環境・設備)20問
③学科Ⅲ(法規)30問
④学科IV(構造)30問
⑤学科Ⅴ(施工)25問
合計125点
試験は全て同日に行われ、試験時間は以下の割り振りとなる。
1 学科Ⅰ(計画)、Ⅱ(環境・設備) 2時間
2 学科Ⅲ(法規) 1時間45分
3 学科Ⅲ(構造)、Ⅳ(施工) 2時間45分
特殊なのは学科Ⅲ(法規)で、こちらに限っては、事前にインデックスや線を引いたりした「法令集」の持込みが可能。
「法令集に答えが乗ってるんだから簡単じゃん」
と言っている人…甘い。
ケーキに蜂蜜をかけるほど激甘だ。
30問で1時間45分と言うと、1問あたり3分30秒、1選択肢にあたっては、1分以内で解答しなければならない。
慣れている人でも必死、慣れていない私なんて、模試でも時間内に終わったことなんて無かった。(本番は3〜4割近くは「暗記」で乗り切った。)
合格基準
毎年難易度により若干の上下はあるが、基本は合計得点90点以上。
7割以上の得点が必須となる。
かつ、それぞれの科目で足切り点がある。
これはたまに変わることもあるが、基本は科目の点数の半分以上。
学科Ⅰ(計画)なら20点満点のため、11点以上、といった感じだ。
試験の難易度により変わるため(他の試験もそうだろうが)、資格学校により予想合格点が出され、それをもとに2次試験に送り出される。
ちなみに私が通っていた学科のクラス(20名くらい)でのその年の合格者は、私含め3名ほどだったらしい。
私はクラスでも下から数えた方が早いくらいだったので、皆が驚いていた。
私も驚いた。
まとめ
近年は、一級建築士の半数以上が50〜60歳以上らしい。
次世代を担う若い建築士が少ないのだ。
そこで、若い年代を一級建築士にするべく、受験制度がR2年度に大きく変わり、受験者数は大幅に増えている。
しかし、今のところ合格者数はあまり変わっていないようだ…。
つまり、合格率が少し下がっている。(R2、3)
そこで言えるのは(あくまで私の考えだが)、大学卒業すぐの受験生は、大学での勉強知識が残っているうちに受験できるし、社会人になって間もなく、仕事もまだ忙しくないため試験勉強の時間が確保でき有利。
となると、何度かの受験経験はあっても、社会人数年目となると不利になるのかもしれない。
一級建築士所持者が高齢化する中で、なんとも効率的なやり方だ。
しかし、この若手の波に呑まれず、社会人受験生も頑張って欲しい!!
と思う今日この頃である。
今回の記事は私の見解も入っているため、参考程度に、「設計製図試験はこんなものか〜」と思って頂けたら嬉しい。
※試験について、詳しく知りたい方は下記URLからお調べ下さい。
▶建築技術教育普及センターhttps://www.jaeic.or.jp/smph/index.html
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