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IJA Tricks of the Month編集後記とか

こんにちは、みーです。

先日公開されましたIJA Tricks of the Monthですが、ご覧いただけましたでしょうか。
まだの方がいらっしゃいましたら、是非下記のリンクからご覧ください。

https://www.juggle.org/poi-juggling-by-kai-shiraishi-from-japan-ija-tricks-of-the-month/

さて、そのIJA Tricks of the monthについて、経緯や編集についてなど、書かせていただければと思いますのでお付き合いください。

1.IJA Tricks of the monthに出ることになるまで

この件はどこまで書いていいか分からないので言える範囲で行きますと、

このツイートがきっかけで、なんやかんやあって出ることが決まりました。
やはり、やってみたいことは口に出してみるに限る。

そんなこんなで2月下旬には正式オファーを頂き、5月公開で話を進めることになりました。
他の方の話を聞いていると、相当短納期だったようです。
(今思えばもっと余裕のある日程にすれば良かった…)

2.撮影について

せっかくの動画ということで、カメラを買ってそれで映像を作ろう!となりましたので、カメラを思い切って購入しましたので紹介します。

選ばれたのはNikonでした。

映像については、Nikon Z30 + Nikkor DX 24mm f1.7を使って撮影をしました。
小さいので取り回しが良く、写りもクリアで、これまで持ってたcanon kiss x7では撮れなかったであろう映像が撮れてとてもいい買い物ができました。
一眼で動画撮影はほぼ初めてだったので慣れないところも多かったですが、映像がきれいとの言葉をいただくことが多くて嬉しい限りです。
(ほぼ全部f値開放で撮ったのは反省案件)

余談ですが、巷ではvlogカメラと言われてるZ30ですが、スチル撮影もめちゃめちゃいいです。
canonよりも色を勝手に主張してこないとこが好きです。

家の近くの河川敷にて
最寄駅の前

撮影のテーマとして「Urban」を主題に、サブとして春要素を入れつつ、楽しいお散歩風景のような映像を目指しました。

道頓堀のグリコ
撮り鉄のお姉さんに教えてもらった桜×限定特急列車

過去の経験上、自然背景はどうしても同じような見た目になってしまうのと、ポイの紐は木々などに紛れて、見えにくくなることがあるので、人工物を背景にしたい、というのが意図としてありました。
この縛りのおかげで、朝5時に起きて6時から撮影みたいなスケジュールを3週にわたって週末に行う、地獄のようなスケジュールが生まれるのでした…

また撮影日についても、3月の週末がことごとく雨で、4月になるまでまったく撮れる日がなかったのも地獄スケジュールが生まれた原因でした。本当に天気に恵まれなかった…

3.各トリックなどについて

・0:06〜 オープニング

主題のUrbanのアピールのために、大阪の繁華街、難波の街並みで特徴的なところをピックアップしました。素材は15個くらい撮影したのですが、曲調の都合で泣く泣く4つに絞りました。

道頓堀のかに道楽

・0:13〜 自分の紹介パート

この人の動画だよ〜って名前とともに紹介し、これから繰り出される技を予感させるパートです。
5Stackingは組んでるところは動画で使えないので、組み上がったものを持って手を振って親しみやすさアピールをしています。(かっこいい雰囲気の動画にはしたくなかったので)

朝から呑んだくれてる人と話しながら撮りました。

・0:17〜 技系統紹介パート1 Stacking

いきなりわけわからんバランス技を持ってくると理解が追いつかない人がいると思ったので、
今からこの技を派生させていくよ〜って言う前予告的に動画配置しました。
場所や日時を変えて10テイクくらい撮りました。

最後の方に撮ったやつなので撮り慣れてきてました。

・0:20~ 人差し指〜小指〜親指のStacking

指を次々の変えていくStackingです。
もともと、けん玉の小指姫からの発想を得て小指に乗せると言うアイデアはあり、それを各指に拡張させました。
あえて手を広げることで不思議さも演出できてたらいいなぁ…

撮影初日で少し撮り慣れてなさがあるのが惜しいところ
f値開放で撮ったのもミスったな感

・0:36〜 Stacking gunslinger

Stacking状態からノブ部分をけん玉のGunslingerの要領で回した技です。
天心さんとの練習で生み出されました。

フレームアウト気がつけなかった、悔しい

・0:43〜 S-Stacking

Stackingがよくけん玉と言われてしまうので、けん玉でできない技を作ろうと言うことで生まれた技です。
昔、E-stream battleでも披露したことがある技です。当時からウケのいい技の一つで嬉しい限りです。

この撮影時、ピントが急に合わなくなって焦りました

・0:47〜 Stacking Turntableもどき

こちらも天心さんからのアイデアを受け誕生した技です。
けん玉のTurn tableという技をポイのStacking状態でできないか模索する中でできた技です。
Turn tableは本来指先でやる技ですが、安定度を取って親指の付け根ですることにしました。

指先ではないので「もどき」

・0:55〜 Dual tangle stacking

両手でStackingする発想は前々からあって、それをポイらしくするにはどうするかと考えたのがTangler状態でのDual stackingでした。
今からポイ2つの技をやりますよと、普通のStackingを両手でやるよという説明を置いて、その上位技としてTanglerバージョンを見せるよ、という構成としました。

正直撮れると思ってなかったので嬉しい

・1:03〜 Double stacking

一気に2つを乗せるStackingです。シガーの一夜城に着想を得て作りました。
S-stackingの時のピント合わせがうまくいかず成功してるにも関わらず使えないのが20テイクくらいありました。
動画のはよろけて組んだので撮り直ししたかったのですが、清掃の方が待ってくださってたので、なんとかピントが合ってくれたこちらの動画にしました。

上半身裸の人が3人くらい周囲で寝てた

・1:09〜 ポイ増やしますパート

ポイを2本から3本取って5本をやりますよ、という動画です。
この後のButterfly cascadeが桜と菜の花が背景なので、同じく草木がきれいな地元の公園で撮影しました。
ポイスタンド初出の瞬間でもあります。

長さ調整してもすぐに長さがバラけるのが悩み

・1:14〜 5 butterfly cascade

この動画は基本的にバランスを中心とした技をする内容にしているのですが、バランスしかできないとも思われたくなかったので、バランスに関係のない技を2つ入れています。
そのうちの1つがこのButterfly cascadeです。
Jaremiah Jacobsが得意とする技で、まだ彼の足元にも及ばないですが、今後もっとできるようになりたいです。

10分に1回は散歩中の人に話しかけられた。

・1:20 ポイスタンドパート

曲も落ち着いたので、仕切り直しであらためてポイ1つから始めていくことを提示したパートです。
シュールなポイスタンドにも注目です。

このスタンドはダイソーで100円で買えます。

・1:23〜 技系統紹介パート2 String balance

ここもStackingと同様に、これからしていくString balanceの最も基礎となる技を提示しています。
Gunslingerを挟むことで、ちゃんと曲がる紐だよアピールもしています。

中之島も始発で行けば人がいない。

・1:28〜 String balanceシーケンスパート

ここまで結構単発の技を紹介していたので、連続技として見せるパートを置かせていただきました。結果として後述するPoi contestのルーティンにもほぼ同じ形で採用されることになりました。
紐が曲がる技と、ポイを回収したと思ったらまた紐が立つ技の評判が高くて嬉しいです。

よく見たらナニワって書いてます。

・1:46 Antispin2回転トスからのString balance

読んで字の如く、Antispin2回転からString balanceをする技です。回転制御がかなり難しく、やりすぎると翌日脇の下が筋肉痛になります。
この動画は、Poi contestのために行った東京から夜行バスで早朝に難波に帰ってきたときに、締切2日前だからまだ間に合う!ってことで撮影を強行した動画です。思いつきで撮ったのでNDフィルターの用意がなく、画質が悪いのはそういうことです。
ここはダンサーの聖地(ジャグラーの西梅田公園みたいな感じ)なので、常時ダンサーがいるくらいの場所なのですが、人がいないタイミングで撮れたのはラッキーでした。

撮影は計画的に…

・1:52〜 WaterfallからのCladle string balance

マニポイのWaterfallという技の中でString balanceをする技です。
ただし今回のString balanceはこれまでと明確に違う点として、ボールの部分を掴むことはせず、Cladle状態でString balanceを行っています。地味な違いですが、難易度かなり高くなります。
ポイのString balanceは、ボールが回転することで紐の直立性が崩れるためバランスを維持することができない特性があります。
ポイを手で掴む際は、ポイの紐を通すための技を常時上向きに固定することができるのですが、Cladleの状態では、ボールの穴の位置をボールの回転時から静止時に上向きになるように制御し、かつポイの紐がその穴からまっすぐ上方向に伸びる状態にする必要があるため、難易度が地味に高くなっています。

1番撮影に時間かかった技かもしれない

・2:06〜 Dual String balance

こちらも読んで字の如くです。
Poi contestで2poiの技を考えていてそこから逆輸入した技です。

この後韓国人旅行者の集合写真を撮ってあげた

・2:11〜 3poi whipcatch cascade

カスケード中にwhipcatchを入れる技です。
バランスしかできないと言われるのを回避するために入れた技の2つ目です。
この技の時だけ100mmポイを使いました。
すずゆくんがトリマン出るの知らなくて、下位互換のwhipcatchしか出せないって気づいて頭を抱えた時期もありました。
まぁでも人と比べるより自分のベストを出すってのが大事だよね。

もう少し前に立てばという後悔がちょっとある

・2:18〜 3+1tap slackback string balance

クラブのSlackbackから着想を得た技で、ポイでSlackback自体は以前から練習をしていました。偶然String balanceとも組み合わせることができることに気がつき、こんな技になりました。
Slackbackは理論上無限に繰り返せるらしいので、ポイでもいつかすごい数のtapをした後にバランスができるようになりたいです。
このサビ終わりはバランスの技にできて良かったです。

ここは意外と知られてない穴場スポットかも

・2:25〜  ノブを引っ掛けるやつ

この技だけいい感じの技名が決まってないので、いい技名ありましたら教えてください。
見たままの通りノブ同士を引っ掛けて、摩擦力的な何かで引っ掛けて半回転する技です。
この系統の技はもう何個か撮る予定だったのですが、暖かくなるとノブが柔らかくなるのか成功率が目に見えて下がったのでトリマンでは登場しませんでした。

この系統はまだ開拓の余地がありそう

・2:34〜 Elbow string balance

CladleでString balanceができるならエルストもできるだろうということが発端となって生まれた技です。
ただ、エルストの入り方でいいのが思いつかなかったところ、ばやし大先生が大変素晴らしい入り方を考案していただいたので感謝しかないです。Poi contestでも、とてもウケたパートだった記憶です。

入り方の見た目がとても好み

・2:57〜 FishtailからのCladle string balance、Pinky stacking

Cladle状態でのString balanceは難しいお話をしましたが、Fishtailから入るには直前の動きが大きいので、その分難易度が上がります。
また小指でStackingする技も連続で入れています。

小指の上に綺麗に乗ると気持ちいい

・3:21〜 Triple Stacking

最後に相応しい本動画の最高難易度のStackingです。
この技をラストで、かつ桜背景で撮ると決めていたので撮影ができて本当に良かったです。
これば早めに撮れてなかったら精神的にきつかったはず…
1月の枚方交流会で天心さんにお会いした際に、2個ができるなら3個も乗るでしょう!という話がきっかけで実現した技です。
他人に先に決められるのは癪だ、という謎の理論で先に成功をさせていただきました。
この技は握力をとても消費するので気をつけましょう。

いかに右手を消耗せずに試行を重ねられるかが撮影の鍵

・3:33〜 エンドカード

エンドカード形式で、技の出典元やお世話になった方を書かせていただきました。
ここに書いてない方についても技を見てくれたり感想をくれたり、私のポイに興味を持ってくださったりと、大変感謝しております。
この場を借りて御礼申し上げます。

このポイの画像は昔Japanese 3Poi Spinnersを作った際に作ったCGの副産物を流用しています。

・総括

編集を終えて振り返ってみると、たまたまではありますが、系統ごとにまとまっていて、かつ難易度が徐々に上がる構成に綺麗にまとめられたのが良かったです。
撮影の際は、曲のここに置くとかは一切考えずに撮ってるので、ここまで上手く配置できたのは運が良かったなと思っています。
(実は元々違う曲で作る予定だったから、編集を進める中で尺が合わず曲を期限2週間前に変更した経緯があったりする)

またYoutube版について説明してますが、再生数的には30倍近い差をつけてinstagram版の方が多いのです。

時間制限は約30秒なので、とにかく興味を持ってもらえるように技を詰め込み、曲の出だしの静かなところを切ったりして作りました。
instagram版が微妙だとYoutubeを再生してもらうきっかけになりづらいとは思ってたので、ある程度頑張って作りました。

以上です。
長文お付き合いいただきありがとうございました〜。

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