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A-5トリプルドロー:プリドローでのプレイ


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原文はこちら。
https://www.cardplayer.com/cardplayer-poker-magazines/66523-phil-hellmuth-36-19/articles/24908-ace-to-five-triple-draw-playing-before-the-first-draw
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by Kevin Haney | Published: Sep 06, 2023



■前回のおさらい

前回のコラムで議論した通り、A-5トリプルドローローボール(A-5TD)は一見するとシンプルなポーカー種目で、ナッツがA2345かつストレートもフラッシュもあなたの不利にはならない。本質的にはA-5TDは2-7トリプルドローローボール(2-7TD)と同じであるが、ハンドランキングが下記のように異なる。


(表)2-7TDとA-5TDのハンドランキングの違い


■7lowの価値

7lowが本来の価値ほどのリスペクトを受けることはおそらくないであろう。上記表を見れば分かる通り、A-5TDで7lowを完成させることは、2-7TDで8lowを完成させることとほぼ同義である。

しかしながら、中には、6low以上を完成させる可能性を残しておきたいがために、1stドローでは7を決してキープしないプレイヤーもいる。それはマルチウェイポットにおいて、より強いハンドをドローできるという点においてメリットがあるものの、ヘッズアップにおいては、7をキープした方が良いという場合がほとんどである。

BTN(の我々)までフォールドでアクションが回ってきて、BTNからA27XXでオープンレイズした場合を考えてみよう。BBがディフェンスした場合、私ならブロッカーおよびBBのチェンジ枚数に関係なく1stドローでは2枚をチェンジするだろう。プレイヤーの中には、A27を本筋のハンドとはみなさず、本線をA2として常にプレイしたがる人たちがいるが、そのようなプレイは最適解ではないように思える。

A-5TDにおいて、A27は2-7TDにおける86532と相対的に同じくらい強いハンドを完成させる余地があり、それはすなわちヘッズアップポットを獲得するのに十分すぎる(くらい強い)ハンドなのである。

A-5TDにおいてA27でオープンすることは、2-7TDにおいて268でオープンすることと大体同じである。2-7TDでは、268は♯6(86432)、♯7(86532)、♯8(86542)、♯14(87632)を完成させる可能性がある。一方、A-5TDでは、A27は♯7(7432A)、♯8(7532A)、♯9(7542A)、♯12(7632A)、♯13(7642A)を完成させうる。

6low以上を完成させることは容易ではなく、さらに、こちらがドローしたローカードには相手のエクイティの実現可能性を減らすと同時に、こちらのエクイティの実現可能性を上昇させる効果がある。

例えば、1stドローでこちらのハンド(A27XX)がA257に改善した場合、相手は(2ndドローまでに)少なくとも8low以上の1枚ドローに発展しない限り、ターンのベットにはフォールドする場合がほとんどだろう。

中には、プレイを継続するのに上記以上の条件を求めているプレイヤーもおり、そのようなプレイヤーならラフな7low(※1)の1枚ドローですらフォールドするかもしれない。要は、比較的ポットも小さいし、ドローイングデッドを警戒しているのかもしれない。両者のハンドが共に1枚ドローに改善した場合では、改善されない2枚ドローで相手からのベットに直面する(そして、おそらくフォールを余儀なくされる)場合とは対照的に、無償でターンのストリートに進めるかもしれない。


■オープンレンジ

ゲームの性質上、2-7TDに比べてA-5TDの方が各ポジションにおいてオープンするハンドを若干広げることができる。“A”はA-5TDにおいて最も重要なカードであるが、2-7TDにおける“2”ほど重要というわけではない。また、ストレートが不利にはならないため、2-7TDに比べてA-5TDではエクイティがより接近する。

OOPやマルチウェイポットにおいて256や346のような弱いラフハンドをプレイできるだけのオッズがあるからと言って、あまり無理はしすぎないようにすべきである。6人テーブルのUTGにおいては、私のオープンする2枚ドローの下限はおそらく345ないしA46だろうし、ブロッカーを1枚ないし2枚持っていない場合、状況によってはプレイしないこともあるかもしれない。HJの場合には、これがやや拡大して236やA56を含むという形となる。

COからは、さらに多くのハンドをプレイすることができ、356ないしA47(もしくはそれ以上)が私のCOからの典型的なレンジである。BTNともなると、456、A57あるいは357のようなハンドがレンジ下限付近となり、これにA2、A3、23、A4のような3枚ドローハンドが加わることになるであろう。

境界に位置するハンドに関しては、ブロッカーがあればEPからオープンできるハンドへと常に昇格することができる。

例えば、7人テーブルでUTGからAA556であればオープンすることができるであろう。COからAA3をプレイできるのもまた同様の意味合いであろう。多くのプレイヤーがCOからブロッカーなしでA3をプレイするかもしれないが、そのような判断が正しいのは後ろにタイトなプレイヤーしか残されていない場合だけなのかもしれない。

上記については科学的に正しい根拠はなく、他のあらゆるミックスゲームのオープンレンジが未解決であるのと同様、上記ガイドラインも知識や経験に基づいた推測にすぎない。“one-winner game”(※2)においては、より高い割合でハンドをプレイ可能であり、2-7TDに比べてA-5TDの方が若干プレイするハンドを多くするべきである。これまで議論されたオープンレンジは、このような考慮を反映して形作られたものである。

■レイズが入った場合のプレイ

あらゆるポーカー種目と同様に、ポットにレイズが入っている際はレンジを絞らなければならない。例えば、EPからのオープンがあった際、345のようなマージナルなハンドはほとんどの場合フォールドする必要があるし、後ろに多くのプレイヤーが残っているのであれば尚更である。

1枚ドローハンドをプレイしようと決めたなら、自分のハンドについての如何なる情報も曝露してしまわないように、どんなハンドでも3ベットすべきである。

例えば、BTNがオープンして我々がSBで3567を持っている場合を考えてみよう。この特定の状況では、リレイズし、まずは1枚ドローして、場合によってはハンドをスノーブラフに転換することが他の如何なるアクションラインよりもおそらく優れているであろう。

A-5TDは私の大好きなゲームのうちの一つである。そのようなゲームにおいて基本的なことを重視して正しいことを一貫してやり続けることが自分の実になるのは間違いないが、多くのプレイヤーがそのことを大して今まで考えてこなかったがために、しばしば適切な対応を怠ってしまう、と私は信じてやまないのである。(※3)

(第2回 完)


□(巻末)訳者注釈一覧

(※1)
“a rough seven”の対義語は、“a smooth seven”であり、例えばA27やA37のように7以外のサイドカードが強いハンドを意味する。逆に、“a rough seven”は567や467のようなサイドカードが弱い7lowドローを意味する。

(※2)
ハイローゲームのように、ハイ側とロー側のプレイヤーがポットを分け合うスプリットゲームとは違い、原則1人のプレイヤーがポットを獲得するゲームのことを指していると思われる。

(※3)
直訳はかなり難しかったので、かなりの意訳です。もしかしたら間違っているかもしれません。







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