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子宮頸管無力症の方へ伝えたい『腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術』

別個人ブログを閉鎖したので、noteに記事内容移管しました。
(まだ編集中で、全部移せていませんので、完全版ではありません。
下記PDFが詳細情報揃っている状態です。)
個人ブログに記載していたものを下記ファイルのPDFにしています。
下記のPDFの方が見やすく、より詳細に記載していますので、
よろしければ↓↓のPDF参照ください。

以前、子宮頸がん高度異形成3bにより、円錐切除術を受けた影響で、不妊治療でせっかく授かった赤ちゃんを21週で流産したことがあります。
その流産の時に子宮頸管縫縮術(シロッカー&マクドナルド)を受けましたが、糸がすぐ取れたりして計3回行いました。

でも、結果流産となりました。

しかも長期入院の寝たきり絶対安静にしていてもです。

子宮頸管縫縮術をしても頸管は1.5cmくらいでした。

この流産をした後、今後妊娠できたとしてもまた同じことになるのではないかと、胚移植だけではなく、その後の高い壁の数々に、心が折れそうになったこともありました。

そんな中、臨床試験段階の「 腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術 」という術式に出会うことができました。 その臨床試験手術を受けたことを書いていきたいと思います。

「腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術」の概要

子宮頸管無力症の方は、「子宮頸管縫縮術(シロッカー術またはマクドナルド術)」は受けたことがある、または聞いたことがあるという方は多いと思います。
子宮頸管縫縮術は簡単に言うと、子宮の口付近を糸で縫って縛るようなものですが、頸管が短くなればなるほど頸管の伸びしろがなく、縛ったとしても子宮の支える力が耐えられるかどうかといことがあります。
または、頸管が短すぎて子宮頸管縫縮術を受けられないということもあります。

腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術」の場合は、同じ縫縮術でも糸をかける位置や強度の期待に大きな違いがあります。
まず、大きなポイントは下記のことがあります。

  • 縫縮する位置が違う

  • 糸を靭帯でも支える

  • 経腟的子宮頸管縫縮術(シロッカー法またはマクドナルド法)で流産経験があっても、出産に至れる成功率が高い

  • 経膣からのアプローチに比べて手術による膣の細菌感染のリスクが低い(経膣は膣からのアプローチなので膣の細菌感染のリスクあり)

縫縮する位置が違う

術式名に「峡部」と付いている通り、シロッカー法やマクドナルド法と違い、より子宮本体の方に近い位置で縫縮する方法です。
イメージを描いてみました。
(絵心なく申し訳ございません^^;。伝われば幸いです。)


この画像は子宮頸部が通常の長さの場合をイラストしています。
円錐切除術をした方は実際の子宮頸部はこの画像よりももっと短くなります。

通常は4cmくらい子宮頸部の長さがあるそうですが、私の場合は妊娠超初期で2.5cmくらい、10週くらいには2cmくらいになります。
妊娠時にお世話になった医師には、おそらく円錐切除術の時にがっつり取ったのか、元々頸管が短くてギリギリで取ってもかなり短くなってしまったのかではないかと言われました。
私は子宮頸管縫縮術をするにも頸管が特に短いみたいです。

縫縮する位置としては、上の画像のように峡部という 頸部よりも更に上の方で縫縮する という点が一般的に行われている、経腟的子宮頸管縫縮術との違いとなります。

糸を靭帯でも支える

「腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術」の場合、糸をかけるだけではなく、 靭帯で糸を支える という点も大きなポイントです。
前節の画像に描かれているように子宮に繋がっている靭帯でも糸を支えて糸の脱落を防ぎます。
子宮口からみると下記の画像のようなイメージです。

経腟的子宮頸管縫縮術(シロッカー術またはマクドナルド術)で流産経験があっても、生存率が高い

(2024年3月現在)

  • これまでの実施数:50件(※治験対象外件数を除く)

  • 赤ちゃんの生存率実績:96%(※当手術要因ではない例を除く)

  • 広汎性子宮頸部摘出術経験者:5件(内妊娠前に事前に当手術を実施:1件)

  • 当手術を2回以上受けた方:5~10人くらい
    (診察中に質問したので、実数を即座には出せなかったが、おおよそそれくらいとのこと。2023年3月時点では2人。私もこの内の1人に入ります。)

  • 双子の出産例:5件くらい (診察中に質問したので、実数を即座には出せなかったが、おおよそそれくらいとのこと。2022年10月時点では4件)

(2022年10月現在)

  • 出産週数中央値は37週(この手術は37週頃に予定帝王切開での出産になります)

私は1回目の手術の際は19例目の患者で、前に18人の実施例がありました。 その時点で聞いた出産・生存数、流早産の有無、母子の状態等、いろいろ聞いて、以前の流産時の状態から考えてもかなり希望を持てる内容でした。 そのため、手術を受けることを決めて、結果母子共に良好な出産に至れました。

この臨床試験の手術を実施している病院に移る前の、以前後期流産となった時に入院していた病院からこの臨床試験の話を紹介されました。
その際に、7例の結果を掲載した文献を見ながら説明していただき、その7例は流産・早産経験者で、妊娠初期の頸管長が15mm以下で中には8mmのケースもありました。8mmの方は37週で出産し、母子ともに問題なしとのことです。
( ここから記憶があいまいなので、おそらくとして書かせていただきますが、たしかその内6例が出産に至ったと聞いたと思います。)

臨床試験段階の「腹腔鏡下子宮峡部頸管縫縮術手術」について

2023年11月現在、下記の6つの病院では実施例があるとのことです。
札幌医科大学附属病院、日本医科大学付属病院、昭和大学横浜市北部病院、山梨県立中央病院、藤田医科大学病院、長崎大学病院
ただし、治療費はそれぞれの病院で大きく違う場合があるとのことです。
私が手術を受けた昭和大学横浜市北部病院は治験対象の病院であるため、補助金(補助金が正しい言い方か忘れましたが)がでるので、後述の30万円台後半で済みました。
昭和大学横浜市北部病院以外で治験補助金が充てられるかは私もわからないので、昭和大学横浜市北部病院以外で検討されている方は直接各病院にお問い合わせいただくのがよいかと思います。
(大病院は電話で問い合わせてすっと治療費いくらですとは言ってもらえないと思うので、1回は病院に初診受けに行く必要があるとは思います。)

昭和大学横浜市北部病院での話に戻りますが、誰でもこの手術を受けられるわけではありません。
受けるには、経腟的に手術が困難な頸管無力症の方など、一定の条件があります。
(DMでご相談いただくことは多く、恐れ入りますが、自分が対象かは診察を受けての医師の判断となりますので、私ではかもしれません程度しかお応えできません。)
また、手術は受けられるが、治験の対象者にはならない場合もあります。その場合は、治験の補助金が充てられないので、完全に全額負担となります(入院+手術費が40万円弱では収まらないないということです。)
糖尿病などの基礎疾患や精神疾患がある場合は手術は受けられても治験の対象にはならない場合があるとのことです。
何らかの疾患をお持ちだと必ず治験対象にならないということでもないので、詳しくは先生のお話を聞いてください。

私がこの手術を受けた病院

昭和大学横浜市北部病院 産婦人科
産婦人科のWEBサイト

所在地:〒224-8503 横浜市都筑区茅ケ崎中央35-1

昭和大学横浜市北部病院のWEBサイト

私の場合は、別の大学病院から紹介され予約もしてもらい、紹介状を書いてもらって、昭和大学横浜市北部病院 産婦人科に通院することになりました。
いきなり初診で診てもらえるかは、一度問い合わせをしてみてもらうとよいかと思います。

私は、この病院に通院して、いい意味の方で割と驚いたのが、関わったどの先生も穏やかで優しい、という点でした。
これまで大きな病院を何個か通院したことがあるのですが、淡々と感情という面は出さずに必要最低限の説明やコミュニケーションしかしないというのがほとんどで、それが普通だと思っていて、それに対してそういうものだと理解もできるところもあるので、良くも悪くも何も思いませんでした。
そのため、この病院に通院して、じっくり説明してくれるし、こちらから質問を端的に纏めてこちらから発信しなくても、先生の方から前のめりにいろいろと解説してくれるし、
ちょっとした感情面の話を漏らしても、優しく応えてくれるし、心理面でもすごく安心しました。
(いつも通る道がいつも渋滞で通院に結構時間かかっちゃうって話したら、抜け道教えてくれましたwというくらい気さくに接してくれる担当医さんでした^^w) いわゆるできるだけ患者に寄り添った対応をしてくれるお医者さんでした。

治療費について

臨床試験段階では保険点数がついていないため、保険適用ではありません。
私の場合はこの手術の入院費と手術代は4泊5日の入院で37万5千円でした。(2024年11月現在)
(手術の前後の通院の診察費・処方代等は含みません。あくまで入院期間の費用です。入院期間以外の通院の診察費は通常の妊婦検診の額です。たまに保険適用の日があってその場合はもっと安かったです。)

術後の通院について

私の場合は、術後直近2週間は週1を計2回、その後は隔週(2週間に1回)で通院となりました。
ただ、私の場合、高速道路を使って往復2時間ちょいくらいのちょっと遠方だったので、手術の退院後、最寄りの大学病院へ転院することも可能ですと提案してもらいました。
実際に、この臨床試験の手術後、最寄りの大きな病院へ転院し、そちらで通院と出産された方もいらっしゃるとのことです。
もし、継続的な通院が困難な場合は、手術だけ受けて後は、最寄りの大きな病院へ転院することもできるみたいです。

出産について

出産については、予定帝王切開になります。
基本37週に帝王切開にて出産するとのことです。正期産に入ったらできるだけ早めに取り出す感じです。
私の場合は、37週だとギリギリ早生まれになる日だったので、先生にお願いして遅生まれになるように38週での予定帝王切開で出産しました。

帝王切開にする理由は、37週となると胎児が大きくなりすぎているから腹腔鏡で縫縮の糸を取るのはリスクがあるからとのことです。

この手術にたどり着く方はそもそもゆったりとしたマタニティライフ満喫で出産方法を選り好みするつもりだった方は少ないと思いますが、帝王切開は絶対に嫌という方は、検討をじっくりと深めてもらった方がいいと思います。
帝王切開が絶対に嫌という方も、無力症となどで流早産し悲しい経験をされたことがあれば、とりあえずは、一度この手術について相談しに行くだけでもおすすめします。

ちなみに母子の状態によりけりなので絶対ではありませんが、この病院では基本横切りでした。
帝王切開もいいことも多いと思います。
一番のメリットは、赤ちゃんの生存確保だと思います。陣痛始まるまで出産を待っている期間にお腹の中で赤ちゃんに何か起こってしまう前に取り出してしまうメリットを私は大きく感じました。一応無痛分娩ですしね(笑)、ただ、その後しばらくは痛いですが^^;でも会陰切開もないし悪露も少なく早く終わりました。

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