エンジニアの人件費をタダだと思っている人へ
「あなた、パソコンに詳しそうだからちょっとこれやってもらえない?」
そんなお願いを簡単にしてくる人にきちんと説明してみようかなと思ってキーボードを打ってみます。
唐突ですが、仮にお給料が月額30万円だとします。
単純計算で12ヶ月で360万円になりますね。
年収360万円。
これを安いと考えるか普通と考えるか、高いと考えるかは人それぞれなので、そこには言及しません。
月に20日、1日8時間勤務しているとして、月額30万円なら、1日で1万5千円、時間単価は1,875円になります。
でも、一人で仕事するわけではないので、零細企業を例に考えてみます。
仮に従業員が4名の零細IT関連企業で、以下の構成で仕事をしているとします。
社長・営業・エンジニア 1名
経理・庶務 1名
エンジニア 2名
全員が月給30万円だとすれば、先ほどの計算から1日で6万円を売り上げる必要があります。
しかし、経理・庶務を担当されている方は売上には直接寄与しないため、3人で1日に6万円の売上が必要になるので、1人1日20,000円、時間当たり2,500円の単価となります。
しかし、支出は給料だけではないので、以下の経費も加味します。
家賃 月額10万円
光熱費 月額3万円
社会保険など 年額240万円(平均月額20万円)
交際費、消耗品費など 年額120万円(平均月額10万円)
再度、毎月必要な売上を計算し直します。
30万円 × 4名 + 10万円 + 3万円 + 20万円 + 10万円 = 163万円
これでは利益が無いので10%の利益を仮定すると、
163万円 × 1.1 = 179.3万円
さらに消費税も加味すると…
179.3万円 × 1.1 = 197.23万円
一人が1日に必要な売上
197.23万円 ÷ 20日 ÷ 3名 ≒ 32,872円
エンジニアの時間単価
32,872円 ÷ 8時間 = 4,109円
じゃあ、4,500円ならいいよねと思うかもしれないけど、稼働率というのがあります。
エンジニアが目の前の仕事しかしていない会社に未来があるでしょうか?
技術研鑽をする必要がありますよね。
では、1日1時間を業務以外のことに使っているとして時間単価を再計算すると…
32,872円 ÷ 7時間 = 4,696円
平日日中に「ちょっと知り合いに詳しい人がいるので聞いてみるね」と電話してくるあなたが相手にどれだけの損失を与えているのか考えてみて下さい。
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