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マインドフルネスの前に知っておきたい《マインドレスネス》

マインドフルネスという言葉をご存知でしょうか?

Googleが生産性向上のために活用している…など、最近はメディアや本でも取り上げられるようになり、ご存知の方も多いでしょう。

私も何となく理解していたつもりでしたが、恥ずかしながらマインドフルネスの前提とも言えるマインドレスネスについて知らなかったので、ぜひ共有させて下さい。

ジェレミー・ハンターさんの特別講義

先日、長野県の軽井沢で開催されたソーシャルリーダー向けの特別講義。

講師は米ピーター・F・ドラッカー大学院で教鞭をとるジェレミー・ハンターさん。マインドフルネスやセルフマネジメントを、MBAやエグゼクティブ向けに15年近く教えてきてこられ、マインドフルネスをリーダーシップやマネジメントへの応用に取り組んできた第一人者で、世界でひっぱりだこの著名な方です。

ジェレミー・ハンター氏(クレアモント大学院大学 P.Fドラッカー経営大学院 准教授 / Executive Mind Leadership Institute 代表)
「Self Management」理論研究の第一人者。“人生の豊かさ(Wellbeing)”と“仕事のパフォーマンス最大化”について研究。ミハイ・チクセンミハイ(世界的に著名な認知心理学者で「フロー」理論の提唱者)とともに、クレアモント大学院内にQuality Of Life Research Centerを設立。現在は、クレアモント大学院内に「Executive Mind Leadership Institute」を設立し、代表をつとめる。コンサルティング実績は米トヨタ自動車営業、ロサンゼルス警察など、企業、公的機関含め多数。ハーバード大学院にて修士、シカゴ大学にて博士課程修了。

以前参加した先輩経営者や友人起業家が絶賛しており、縁あって今年私も参加させていただきました。

「マインドフルネス」についても実は以前から関心がありました。3年前、壊れかけていた心と身体を治療するためにインドネシア・バリ島のウブドでヨガと瞑想のレッスンを受けながら「マインドフルネス」について触れる機会があり、あの時の学びをどうやって深めることができるかワクワクしていました

…が、講義開始数時間で、そもそも私は「マインドフルネス」について前提を知らなかったことを痛感しました。

マインドフルネスの反対にある《マインドレスネス》

マインドフルネスとは、シンプルに言えば「その一瞬に全力を傾けること」であり、瞑想もそのための行為と言えます。

Lifehackerの記事で登場しているMITマインドフルネスセンター所長を務めるジョン・カバットジン博士は、マインドフルネスについて

今という瞬間に、余計な判断を加えず、(中略)自分の人生がかかっているかのように真剣に、意識して注意を向けること。

と定義されています。

では、今という瞬間に集中しておらず、余計な判断を加えてしまっている状態、言い換えるなら、意識が拡散して集中・注意できていない状態のことを、何というでしょう?

そう、これが《マインドレスネス》な状態であり、基本的に私たちはこの《マインドレスネス》な状態にいます(だからマインドフルネスという考え方が必要になるわけです)

一例をご紹介します。目の前に犬がいたとして、Aさんは「可愛い」と言って、Bさんは「怖い」と言ったとしましょう。

「可愛い」といったAさんは犬に近づき、頭を撫でてあげ、犬も嬉しそうにしていましたが、それでも「怖い」と思ったBさんは犬に近づくことはありませんでした。

どちらが正解かということは、この際重要ではありません。「怖い」と思ったBさんには、少なくても犬が違って見えていたことになります。図にすれば、こんな形でしょうか?

このAさんとBさんの見ている世界の違い、言うなれば、Bさんが無意識に犬を見るときに通したレンズこそ、私たちが今に集中できない障害の一つになります。

これはBさんに限った話ではありません。私たちの誰もが何かしらのレンズを通じて物事を捉えており、ここに気づいているかどうかがマインドフルネスな状態に近づけるか、大きな分かれ目になります。

「無知の知」はソクラテスの言葉ですが、目に映るものや自分が向き合っているものが、トラウマや辛い過去といったレンズを通じて歪んで見ていることがある、ということを知っているかどうか、これがマインドレスな状態から抜け出す鍵になります。

最後に

「あなたにとってのレンズは何ですか?」

これは研修参加者に投げかけられた問いでしたが、残念ながら、私はパッと答えることができませんでした。

曇ったレンズを外せるかどうかは、このレンズの存在に気づくことから始まります。

時間はかかりそうですが、焦らず、このレンズとまずはゆっくり向き合うことから始めようと思います。

良かったら、ぜひご一緒に。


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