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『映像教育』によって途上国の教育環境はどのように変化したか?子どもたちが感じている変化は?

年末の大きな仕事の一つとして、ここ数日インタビュー取材が続いています。

e-Educationがなぜ始まったのか、どんな困難があったのか、どう乗り越えたのか。これまでの歴史を振り返りながら話すと、いろんな感情がこみ上げ来るものですね。

今日と明日は、そのインタビューの中で「そういえば、最近言葉にしていなかったな...」と思ったトピックを2日に分けてお話きたらと思います。

『映像教育』によって何が変わるのか?

私たちe-Educationの取り組みについて触れる前に、そもそも私がなぜ映像教育が好きなのか、その可能性を信じているかについてご紹介します。

遡ること15年前(びっくりですね...)。静岡の田舎町で育った私は、地元に有名予備校がないこととに大きなショックを受けました。一方で、地元に新しい予備校が誕生した噂を耳にします。それが、東進ハイスクール(衛星予備校)との出会いでした。

皆さんもご存知の通り、東進ハイスクールの授業はDVD形式。授業を教えてくれるリアルな先生はおらず、教室にあるのはパソコンだけ。「本当にこれで学力が上がるのか?」と最初は疑心暗鬼でしたが、その悩みは初日に消し飛びました。

参考書を何冊も出版されている有名な先生が、パソコンの画面越しに、まるで私だけのために授業をしていくれるような感覚。「君ならできる!」という言葉に心が震え、文字通り受験勉強に熱が入りました。

それだけではありません。次に学ぶ授業を自分で選べるということ自体がとても新しく、大学へ合格するための道は決して一本ではないということを知りました。

強みを伸ばす道と、弱みを克服する道。一人一人にあった勉強方法があり、それを探すプロセスは、大学に入っても、社会人になって10年以上経った今でも役立っています。

『映像教育』による途上国の子どもたちの変化は?

そんな映像教育が途上国の教育支援でも役立つのか?最初に答えを話してしまうと、それは間違いなく「役立つ」でした。

例えば、バングラデシュの東大と言われているダッカ大学の入試は全て選択式。文系であれば、国語・英語・社会の3教科から合計100問出題され、制限時間はなんと60分。1問あたり1分も時間をかけることができません。

だからこそ、受験生は事前に自分の道を決めておく必要があります。自分の得意教科で点をしっかり取り切る方法、苦手な教科で点を落とさないよう対策を取る方法。人それぞれ本番の挑み方も、そのための勉強法も異なります。

「なんだ、日本と同じじゃないか...」と思ったのですが、生徒の反応は全く異なりました。次の授業を自分で選べるということは、私に取ってとても楽しく受験が好きになった大きな要因ですが、バングラデシュの高校生たちに取っては大きな壁となりました。

これまで暗記教育が中心、先生の言うことをとにかく守るように教わってきた彼らに取って、「自分の頭で考えて」という指示はとても難しく感じたそうです。最初の数年は批判する生徒の声も多くありました。

でも、やはりこれはチャンスだと思いました。自分で自分の道を切り開くこと。それは受験だけでなく、その先にある大学生活や社会人生活で必ず役に立つと心から信じていました。

以前NHKのドキュメンタリー番組で出演させていただいた時には、大学生になったe-Educationの元生徒たちを取材いただきました。ロヒンギャ難民という大きな問題に対して、自分の足を動かしてすぐに支援をした彼らを見て、私たちの活動には受験勉強を超えた価値があることを再確認できました。

最後に

私たちの活動は、都市部と農村部の教育格差を埋めるために、思い入れのあった映像教育という手法を選びましたが、映像教育には格差是正以上の価値があることが分かってきました。

それだけではありません。映像教育という手法だからこそ、家からあまり遠くへ出ることができなかったムスリムの女子生徒たちが勉強しやすくなったり、私たちの知らなかった映像教育の価値を学んだ10年でもありました。

これからも新しい教育のかたちを探しつつ、一方で、今の教育にどんな価値があるのか、しっかり探し続けていきたいと思います。

良かったら、ぜひご一緒に。

大事なお知らせ

今回の記事でも触れたように、e-Educationはもうすぐ創業10周年を迎えます。

10周年を記念して、これまでお世話になった人たちへの感謝と、これから10年を一緒に作っていく人たちとの出会いへの期待を込めて、アニバーサリーイベントを開催いたします。

日程は2月1日(土)。もし都合のつく方は、ぜひともご参加ください!豪華ゲスト皆さんと一緒に、最高の1日をお届けいたします!


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