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都七福神4

今回の都七福神は、都七福神なのに唯一京都市内にいらっしゃらない布袋尊をご紹介しましょう。

都七福神の布袋尊は京都市のお隣、宇治市にいらっしゃいます。
そうお茶で有名なところです。
いらっしゃるのは黄檗山萬福寺おうばくさんまんぷくじ
JR奈良線黄檗駅、または京阪電鉄宇治線黄檗駅から徒歩5分くらいでしょう。

萬福寺総門 屋根の中央が一段高くなっている中国風

上に見える総門が中国世界への入り口です。
萬福寺は中国から招いた隠元禅師のために建てられたお寺で、日本人が中国で建築を学んで建てたわけではなく、中国の方が日本に来て建てたお寺なので丸々中国なんです。

屋根の上にシャチホコがと思い撮ってみましたが足がある?

なぜ足がある? シャチホコじゃねえの?

実はこれ、摩伽羅マカラというそうで、インドのガンジス川に棲むワニだそうです。
女神の乗り物とされています。


次に現れるのが三門。
名前の通り三つ通り口がある門です。

山門ではなく あくまで三門 一番左が隠れています
萬福寺の扁額が時代を感じさせますねえ 三門の左側がわずかに見えています

萬福寺の扁額は隠元禅師が自ら書かれたものとか。

三門の奥に見えているのが天王殿。
天王殿の中には四天王、韋駄天、弥勒菩薩 (布袋尊) のいらっしゃる場所です。

中国色満載です

実は七福神の中で、唯一実在した人物がこの布袋尊なのです。
契此かいしという中国の禅僧がその方なのですが、大きな袋に日用品などを一杯に詰め、困っている人にはその中から必要なものを与えていたようです。
中国版サンタクロースというところでしょうか。

全体的にふくよかで金ピカな布袋尊

萬福寺の中では弥勒菩薩=布袋尊ですが、こんなにポッチャリして金ピカのお姿は弥勒菩薩には・・・、言わぬが花ですか。
真南を向いてらっしゃるのでまぶしい~!!

布袋尊の裏側には真北を向く韋駄天将。

ここだけ網が掛けられていますが足の速い韋駄天に逃げられないようにとか
速く走れるようないい靴履いてますねえ

四天王は東に持国天、西に広目天、南に増長天、北に多聞天なのですが、布袋尊と韋駄天が南北を占めているために四天王は45℃ずつずれています。

東を護る持国天
西は広目天
南は増長天
北の守護神 多聞天(毘沙門天)

入り口の総門から山門を経て天王殿まで一直線に並んでおり、間を四角く切られた石が繋いでいます。 (Topの写真が分かり易いかも)
この石の連なりを石條せきじょうといい龍の背骨を表しているそうです。
下の写真のように屋根の骨組みも龍の背骨を表しているとか。

数は多くないですが風鈴が心地良い風に涼しげな音を鳴らしていました
お寺の規模の割には意外と小さな梵鐘 通路の真ん中に吊り下げられています

本堂までも龍の背骨で繋がっています。

本殿の大雄宝殿

本殿には釈迦如来座像が、両脇には十大弟子からお二人が祀られています。

少しくすんでいますが金ピカだったことが容易に想像できる釈迦如来坐像
この開梆大きいです。2m近くはあると思いますよ。

これが噂の木魚の原形と伝わる開梆かいぱん。こっそり指でコンコンと叩いてみましたが、音の響き方など木魚っぽい感じは何となく。
今の形の木魚ではなく、こんな木魚がお経を唱える僧侶の横にあったら、お葬式や法事などももう少し馴染める場所であったかもしれませんね。

この自販機カッコよくないですか?

お金を入れたら手を合わす必要があるかも? と思わせる飲料品自販機です。

隠元禅師は、多くのものを日本にもたらしました。
代表的な隠元豆、スイカ、蓮根、孟宗竹、皆さんの身近にある明朝体。
そして忘れてならないのが普茶料理。

龍の背骨が伸びた先には・・・

寺域にある普茶料理のお店。
詳しくは書きませんがとても珍しいお料理です。
要予約だそうです。
結構いいお値段ですが、高いと感じるか安いと感じるかはあなた次第です。


萬福寺は見所満載です。
ご紹介した以外にも十八羅漢像もなかなかのバリエーションを誇ります。
達磨大師座像があったり、総門の外にある二つの井戸が龍の目だとされていたり。


一度足を運んだだけでしたが、私のお気に入りの場所になりました。

十八羅漢の一部 顔が外国の方です 造られたのは当時26歳の中国の仏師だそうです


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