読書感想文『紅蜘蛛』・3枚目
studio waspによる香港ノワール系同人ノベルゲーム『紅蜘蛛 / Red Spider』を読書して(ノベルゲームを遊んで)みる企画・第3弾。
今回は、ルートマップ的には「左側最後のルート」を読破(クリア)していきます。
※前回まではこちら
3人目は誰だ(バレバレ)
ルートマップを参照したところ、フラグポイントは幹部s懐柔直後。
この中で選んでいないのは下。
というわけで、3人目はゴウさんでした!やりとり自体は兄弟ルートの拡張版みたいな感じ。
その日のうちに会うという展開に。
考えることは弟と同じかーい!
スターフェリーにて
越児さんなにやってんのw
兄弟に事情を説明してついてきてもらう(近距離警護)してもらうことに。
そしてやはりスターフェリーに反応する弟w
若さ溢れる兄弟ルートとは打って変わって、大人のふたりならではの会話である。
ゴウの相談内容は、「例の事件」に巻き込まれる息子・シンの件。
おおっと。そうきましたか。
兄弟ルートでは「例の事件」発覚時の車中で繰り広げられていた会話が、舞台を変えて登場している。
だから越児さんなにやってんの。(シンもシンだが)
シン、そんな子やったんや…。
シンが行方不明になる前の、最後のLINEにある「おじさん」。
これが、「例の事件」の当事者・老板である。
この2行目が、辛い。兄弟ルートでもシンと老板の関係について、事件発覚時に触れている。今回は兄弟ルート終了後に見ているので、その辛さがより胸に迫る。
さらに明かされる事実。これ、兄弟ルートではなかったような。老板も同様に同性愛者であることが後続で触れられる。
この件に関してはあくまで「傍観者」であること、ゴウへの配慮、紅花会の当主代行としての判断。越児は、「慎重に言葉を選ぶ」という選択をした。
このゴウの「父親としての態度」に対して、越児が一言。
兄弟ルートで、ふたりそれぞれの過去の影から解放させたように。
越児は、このルートではゴウの親子関係を「再生」させようとしている。
このルートは親子愛の物語。この一言で私は確信した。
兄弟よ、二人そろって余計なことを言うんじゃない。
この時点で、越児は兄弟に「直接現地に踏み込む」可能性があることを伝えている。「例の事件」へのアプローチが変わりそうだ。
vs.老板戦
小太り刑事と大Bのポカ未遂は割愛して…。
「例の事件」発覚。
スターフェリーで経緯が語られているため、車中の会話は兄弟ルートよりも冷静。互いの過ちに対して向き合っているという印象。
越児さんは戦う聖母なのかもしれない。(これは後日きっちり考察する)
ゴウさんが最前線に。ルートの主役ですし!パパ頑張れ!!
突撃後の各種会話も変更されている。パパかっこいいよ、パパ。
バックアップでもターゲットは仕留める。それが越児さん。
パパ、がんばる(かなり無謀)。
サバトのくだり、ここの伏線だったとは!
パパ、今日一番の見せ場です。
…弟の時もだけど、傍観しているしかないこちら側は、辛い。
全ては、越児に委ねられた。真実を知った彼女が出した結論は、もちろん。
事後処理~セーフティハウス
このルートならではの差分は、添明がゴウをハメた後の部分。
親子の会話。シンはここで、今回の発端、そして越児がシンのことを案じていたことを知る。それを受けたシンの一言がこちら。
検問突破時の会話にも変化が。
サバトのくだりがここでも効いている。
だから弟w
セーフティハウスでは、こんな一幕が。
ウィッグ、自前だった。
説得力のありすぎる一言である。
今まではサラリと流されていた男の料理(団体戦)の描写も。ここでゴウさんが野菜を切るところですよ。パパですよ!いいパパですよ!!
大B、チョロい。
役割分担がそれぞれの人柄に合っている、この作品でも数少ない、ほっと和めるシーン。
キーマン・ジャンとゴウの関係が明らかに。これは私は予想がつかなかった。
後続の会話では、決戦時、万が一の場合はゴウに紅花会を継いでもらうことも触れられている。この経緯なら、納得。
恒例のICチップ埋め込み。
「例の事件」を機に、越児に対する信頼が厚くなっていることが伺える。
今回の件が片付いたら、(万が一がなくても)当主の座をゴウに譲りたいという越児。それに対して「シンとの関係修復に協力してほしい」ということも含めて、会に残ってほしいというゴウ。
彼女の中にあった「抗えないもの」。それは単なる信頼だけでは片付かないものであることは想像できる。その結末は、決戦後に見届けることになるわけだが、果たして。
決戦、そして。
パパもチョロかった。(決戦前の会話とは思えない)
抗えないもの=包容力。いや、これは惚れるよ。
決戦は、なんと兄弟編とは違う衝撃の展開に。
越児を救ったのはゴウ。熱い。
黒幕はお兄ちゃんが潰した(ついでにローズさんをゲットした…のか?)。
というわけで、後日談。
パパに向かってなんてことを。
シンは、救助の経緯に疑問を抱いている様子。
パパ、あなたも余計なことを。
息子よ、お前も余計なことをw
そしてナイスアシストである。
色々あって(というよりこのふたりに頼み込まれる形で)、会の当主になる決断をした越児さん。
ゴウさん家の親子関係も無事再生。
お?
告白キター!
同じ、連れを亡くした者同士。越児の慎重な気持ちを、彼は受け止めた。
お幸せにーーーーーーーーーーーーーーーーー!
終劇(3回目)
熱すぎた。エモすぎた。
ゴウさんがルートの主役だと知った時に予測した「親子愛の物語」。
そこに「大切な人を失った」ふたりが惹かれあう恋物語が絡むと、こうも熱くてエモいのか。
乙女ゲーならではの甘い部分を入れつつも、本筋のハードボイルドと劇中の人間関係がしっかりしている。
『紅蜘蛛』の魅力が存分に詰まったルートでした。
さて、これで左半分消化。次回から右半分なんですが…。
最初の選択肢、どうなるんだ?
拙い語彙と表現ですが、少しでもコンテンツの良さが伝われば幸い。スキはモチベに、サポートは推し活とネタ収集、合唱などの活動に充てます。よろしくお願いいたします。