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服を着るということは、「思い出を身につける」ということである。
朝。むっくり起きて、顔を洗い、コーヒーを飲み、タバコを一本吸う。僕は「ていねいな暮らし」なんていうのをできるようなマメな人間じゃないから、この順はいつも乱れる。コーヒーを飲まない日も、タバコを二本吸う日だってある。鮭とばを食べることも。僕の朝にルーティーンは無い。
唯一、「服を着る」というのだけである。『そんなもんみんなやってるだろ』という言葉は、全くその通り。みんな服を着る。その日は何を着て過ごそうか、ちょっと考える。天気アプリを開いたり、テレビを見て気温を確認したりする。雨が降りそうなら、寒そうなら、どんより曇りがちなら。そうして服装を考え、身につける。
服装を左右するものには、"TPO" というのもある。特に、「場所」の "P" と、「場合」の "O" が。会社に行く時はスーツ。好きな女の子に会う時にはちょっと綺麗な格好を。普段はTシャツの裾で拭いてしまう濡れた手も、デートの時にはハンカチで丁寧に拭きたいもので、お尻のポケットに仕込んでおくこともある。
同じて僕も、そんな感じだ。たびたび気温と服装の合わせを間違えるけど。ただ、多分人とは違う点がひとつだけある。それは、「人との思い出があるものを必ず一つは身につける」ということである。
一生大切にしようと決めている物を、3つ紹介します。https://note.mu/miuranozomu/n/na47f6b672c3e
この中に出てくる物は、必ず全部身につけるようにしている。プラチナ製らしいジッポも、親友がくれたインディアンジュエリーも、父母から貰った「希ガンバレ 父母より カゼ引くなよ!」と書いてある熨斗袋も。これらは間違いなく身につけるし、手元に無いと不安になるくらいの物。
また、これら以外にも、積極的に身につけたいと思う物がいくつかある。例えば、知り合いのレイジロウさんが作った「DAILYWORKERS」のTシャツ。友達が僕の誕生日にプレゼントしてくれた「FILA ORIGINALE」のスニーカー。親友の佳汰がプレゼントしてくれた「TEATORA」のTシャツ。
昨晩は、僕の大好きな方が関わっているブランド「Ithe」の展示会にお邪魔し、冬にオーダーしたパンツを受け取った。
きっとこれも、僕の「必ず身につけたい物」になるはず。ジップにWALDESを使っているなんて、それだけで心がウキウキしてしまうよ。本当にずっと大事にします。大事に、ボロボロにします。
僕にとって、「服を身につける」というのは、「思い出を身につける」ということである。遠い昔に無理をして買ったコートは、その頃の苦労をじんわり思い出させてくれる。父が譲ってくれたジッポでタバコの味が変わることなんて無いけど、彼の笑いジワは思い出せる。TEATORAのTシャツも、DAILYWORKERSも、全部。その人の思い出が湧き起こってきて、彼らに会いたくなる。僕は、そういうものをひっくるめて「一生モノ」と呼ぶのだと思う。
昨日手に入れて早々、今日は Ithe のパンツに足を通した。スニーカーはもちろん、友達から誕生日にもらった FILA ORIGINALE である。今日も、いつもと同じく、誰かとの思い出を身にまとって生きています。みなさん、本当にありがとうございます。おかげさまです。
頂いたお金で、酒と本を買いに行きます。ありがとうございます。