村雲菜月『コレクターズ・ハイ』

蒐集家や蒐集癖のある主人公が好き。社会に馴染めず、周りからみたらガラクタとしか思えないようなものを集めながら閉じた箱庭的世界を作っていくキャラクターの物語。
だけど、この小説は浮世離れした蒐集家というより、全人類蒐集家社会みたいな世界が描かれていて、そこが面白かった。
スルスルと読めてしまう「普通さ」が逆に怖い。

止まることのない所有の欲望。
主人公の頭を撫でたいという森本さんの手と、クレーンゲームで「なにゅなにゅ」を掴むアーム。

終盤の、ゲームセンター内で森本さんから逃げる主人公の姿とか、もう13日の金曜日じゃん!

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