バーナディン・エヴァリスト『少女、女、ほか』
黒人の血を引く女性とノンバイナリー12人の語りによる連作短編集。
人種、ジェンダー、時代、階級、教育といったさまざまなテーマが盛り込まれており、胸が苦しくなるようなエピソードも多いけれど、登場人物たちのユーモアに満ちた語りの力で、読了後は、はちゃめちゃ前向きな気持ちになれる。
地の文とセリフが渾然一体となった文章によって生まれる圧倒的な声。遠くの時間や、離れた場所のことを、まるで近所の喫茶店でおしゃべりしてるかのような親密さできかせてくれる。
ラストの「アフターパーティー」と