この世界の、なんと生きづらいこと、そしてなんと優しいこと。〜映画『夜明けのすべて』〜

映画『夜明けのすべて』見てまいりました。
と言っても観に行ったのは2/28。もう2ヶ月余裕で経過してる…。
最近は劇場公開からサブスク公開されるまでが早いので、サブスク公開される前に急いで感想をしたためています。

↑さらにここから2ヶ月経ち、6月も終わろうとしています。
7月にはDVDが出るとのことなので、さらに急いでいます。(急ぐとは)

さあ、何事もなかったかのように進みましょう。


松村北斗さんと上白石萌音さんW主演。
原作は大好きな小説なので、絶対に劇場で見たかった作品です。
誰もが抱える痛みを少しだけ分け合えた二人の、優しい世界観は文章だけでも十分に伝わってきていたので映像になるとどうなるんだろうととても楽しみにしていました。

あああああああああああああああああああああああ

素晴らしかった。
感想を超超一言にまとめると(まとめてない)こんな感じ。
良い。
小説の世界観を見事に、そのまま映像化してくれていました。

監督の三宅唱さん、脚本和田清人さん(三宅さんとの共同脚本)、映像化してくれてありがとう。
監督さんも脚本家さんもこれまでの作品一覧を見たところ、あ!あの作品の人ね!とはならなかったのですが(すみません)、インタビュー記事を読んだところ、とてもやさしい考え方をされるんだな、と思い安心しました。(どの立場)


萌音ちゃん演じる藤沢さん

概要は各自確認していただくとして、萌音ちゃん演じる藤沢さんが素晴らしかった。原作で知る限りの藤沢さんは少しおせっかいみが強くて、オバチャン的印象があるのですが、映像になった藤沢さんは可愛らしくて少し不憫で応援したくなるみがすごい。
そして何より可愛い。以下当方が感じた可愛すぎる藤沢さんランキングです。
第3位:体調の悪い藤沢さんが自宅にいるシーンがあるのですが、鳴ったインターホンに対応するために立ち上がる藤沢さん。
可愛すぎん!!!!????そうだよね、具合悪い時はそんな感じになるよね、でかいクッション持ったまま歩くよね…

第2位:山添くんの家で過ごしてそろそろ帰るかと言う時に食べかけのお菓子を「もらっていい?」と聞く藤沢さん。可愛すぎん!!!!????
持って帰るのかな?と思ったら(それも可愛いが)ザァーッて。ザァーッやったからびっくりしちゃった。気を許してない相手の前では絶対やらんやつ~藤沢さんと山添くんの間に芽生えた友情のような仲間意識のようなやつがふわふわ育ってるのが分かってほっこりするシーンでもある。

第1位:山添くんに届け物をして家を後にする藤沢さん。
可愛すぎん!!!!????歩き食べはだめよと言いたいけれど、可愛いから許しちゃう!!!!
可愛すぎて映画館で声出そうになった。「夜明けのすべて ○○(食べ物名)」で検索したらみんな同じこと思ってた。可愛いよね…
藤沢さんが歩きながら何を食べていたかは映画を観てね♡

上白石萌音ちゃん、間違いなく素晴らしい女優さんなのだが、「ものすごく女優魂を感じる」という感じではなく、本当にそこにいる感じで、「ただ生きているという人」を演じるのが素晴らしくうまい方なんだなあ、と思いました。

松村さん演じる山添くん

足長すぎ問題
それに尽きる。
山添くんがホームに立ち、停まっている電車を見つめるシーンがあるのだけど、その時のスタイルが異常に良くて、こんなスタイル神なサラリーマンはおらん…て考えが頭をよぎってしまった。

顔も良すぎ問題
そして顔も良すぎる。
予告映像でも出ていた、藤沢さんが山添くんの髪を切るシーンがあり、原作でもこれをきっかけに二人が親しくなる重要なシーンなのですが、突飛なおせっかいを迫る藤沢さんと戸惑う山添くんの対比がすごく面白いシュールな場面でもある。そして戸惑う山添くんの顔がよすぎて、よりシュール度が増している感がすごい。
私はかなり想像力が乏しいので、原作小説を読んだ時、山添くんのイメージがどうしても相席スタートの山添さんが出てきてしまい、それが松村北斗くんになったものだからキャストが発表になった時はたまげてしまいました。そして松村北斗くんということですから、原作を読んだのとは違う体験をするんだろうなあという気持ちで映画鑑賞に挑み、人は顔が良すぎてもシュールになるんだという新たな側面に気付かせていただきました。ありがとう山添くん。

そして光石研さんがいる安心感

私光石研さんが大好きなんですよ。
どのドラマにもどの映画にも出てるじゃないですか、この方。大体いい人の役じゃないですか。(アウトレイジ以外)
父親、上司、店主。
こんな父ちゃんがいたらいいな~こんな先生がいたらいいな~っていう理想の父親って感じで。
そんな光石研さんが、藤沢さんと山添くんが勤める会社の社長とな。正直言ってキャストが発表になった時、一番合ってるゥ!と声をうならせたのはこの栗田社長です。
原作では栗田金属というねじを扱う会社で、映画では栗田科学という学習教材を扱う会社となっているがこじんまりとした規模、優しいベテランの社員がいるというところは変わらない。
栗田社長は「ちょっと周りの人とは違う」ところがある二人を優しく受け入れ、また自身の経験から漂う哀愁もあり、スクリーンに写った瞬間から「この人は絶対に裏切らない」という100点の安心感を与えてくれる。
そして本当に裏切らないので最後まで安心して映画を観ることができます。これは大事。
最近はストーリーだったり映像の演出効果だったりで観た後に疲れてしまう映画も多くありますが(いい意味で疲れる場合ももちろんあります)、これは本当に疲れない。観終わったあと、穏やかな気持ちになれる。本当に観てよかった。


サブスク公開されたら、絶対に周りに勧めたい。この映画の意味するところではないかもしれないけど、PMSについて、パニック障害について、知ってもらえたり、理解してもらえたりしたらいいなあと思います。

藤沢さんも山添くんも抱えてる痛みは解決することはなくて、結局どうにもならなくても抱えて生きていくしかなくて、理解されなかったり、変な目で見られたり、どうしようもなくつらくて生きづらかったりするんだけど、その代わりにそれでも包み込んでくれたり、それでいいんだよと言ってくれるような認めてくれるような、世界はなんと優しい場所でもあるんだと感じました。

藤沢さんと、山添くんとこの映画に出ていたすべて人のこれからに幸あれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?