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自然からの警告

2010年6月5日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。

 先月、僕がエベレストの清掃活動でベースキャンプを訪れていた時に、アイスフォールから5体もの遺体が回収された。温暖化による急激なアイスフォールの溶解により、今まで氷塊の底に眠っていた彼らの体がまるで過去の亡霊のように姿を現したのだ。

 上部の第2キャンプ(C2・6500㍍)の状況をこの目で見ようと決心したのは、もちろんゴミを確認するためであるが、それ以上にベースキャンプに滞在中、コンラッド・アンカー氏に出会ったことによる影響が大きい。
 世界的ロッククライマーとして知られている彼は1999年に、世界初のエベレスト登頂ミステリーとされるジョージ・マロリーの遺体をチベット側で発見した。エベレスト初登頂は1953年のヒラリー卿ではなく、24年に遭難したマロリーかもしれないと、いまだに言われる。
 アンカー氏は現在、環境保全家として北極や南極に定点カメラを設置して、氷河の動きを見るエクストリームグレーシャープロジェクトを行っている。彼によると、太陽光によりエベレストの氷が解けると黒い花崗岩が顔を出す。その黒い石がさらに熱を吸収して氷を解かすという悪循環により溶解を速めてしまうそうだ。彼はアイスフォールを長期モニターするために対面に定点カメラを設置したところであった。

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