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仲間と語らい膨らむ夢

2016年12月17日日経新聞夕刊に掲載されたものです。

 8年前から神奈川・逗子市近隣の山々を歩き回り、浜でバーベキューを楽しむ「豪太会」という活動を行っている。
 山を歩き、美味しいバーベキューを食べ、お酒を飲むと気持ちが大きくなり、ついついいろいろな冒険談や実際に冒険に出かける話になる。実際に「豪太会」で知り合ったメンバーとエベレストビューホテル、カラパタール等のエベレスト街道を歩いたり、アフリカの最高峰キリマンジャロ、6000㍍級のメラピークに登る計画を立て実行、2013年には父のエベレストの挑戦に応援のためにエベレストベースキャンプまで来てくれたことがあった。さらに彼らの冒険は独自にエスカレートしていく。

 メンバー同士や個人で南米最高峰のアコンカグア、ロシア最高峰エルブルース、オーストラリア最高峰のコジオスコ、アルプスのアイガー、さらに世界の名だたるマラソン大会(米国ボストン、ホノルル、アイルランド・ダブリン、アフリカ・ツーオーシャンズ、東京)など、積極的に世界に飛び出している。忘年会シーズンにみんなで集まり、今年の冒険を振り返る。さらにまた次は北米最高峰、アラスカにあるデナリ(旧名マッキンリー)に行こうと盛り上がる。

 デナリの標高は6190㍍、ヒマラヤにはこれよりも高い山がたくさんある、しかしデナリの難しさは緯度の高さによる寒い気象条件と空気の薄さにある。地球は自転していて遠心力により赤道付近に大気の層が集まり、反対に高緯度は大気が少なくなる傾向にある。そのため赤道近くのヒマラヤ山脈と比べるとデナリは標高にして200~300㍍、天候によっては500㍍ほど高く感じることがあるという。
 またデナリにはシェルパやポーターがおらず3~4週間の行程の衣食住を自分で担ぐことになる。紛れもなく本格的登山である。挑戦するメンバーは現役で仕事をしながら70歳に近い。それでも計画を立てた時から少年のように目を輝かせている。

 父、三浦雄一郎は「人は夢を持つこと、希望にあふれることで魂が輝き、青春を取り戻す」と話している。「豪太会」のメンバーはまぎれもなく父の足跡をなぞりながら新たな夢に進み人生を豊かにしているようだ。彼らと活動を共にし、その姿を見ることで僕は逆に勇気をもらっている。 

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