見出し画像

スキー もっと広めたい

 先日、資料を整理していたとき、5年前に全日本スキー連盟(SAJ)に提出した「これからのスキーの発展性について」と言う文章を見つけた。
 スキー人口は1990年代以降右肩下がりになっている。スキーに携わる僕たちにとってこれは大きな問題だ。僕はこれからのスキーの展望について3つの方向性を文書にしていた。当時の自分の考えと、現在の活動のあり方について考えさせられたので、それをここに紹介したい。

 第1に「スキー競技からの発展」である。どんなスポーツでもヒーロー、ヒロインの存在は大きい。スキーでもこうした影響は顕著に現れる。これからも活躍し続けるための強化はもちろん、メディア対応や現役を辞めた後の彼らの人生についても成功が望まれる。これによってこれからスキーを始めよう、競技を始めようと思う子供たちや親もスキーに対して希望を持つことができるのではないか。

 第2のポイントは「子供たちのスキー教室の発展」だ。これまでもスキーやスノーボード学習、子供向けのスキー教室などがあった。こうした基礎技術や知識は大切なのだが、さらにスキーのその先に広がる世界をもう少し広めてはどうか。スキーには多種多様な形式がある。アルペンスキー、モーグル、ハーフパイプ、パーク、さらには整備されていないエリアでのバックカントリーなどと盛りだくさんだ。子供達に変化のあるスキーを教えることで興味を持続させ、さらに現在の温暖化の影響や自身の精神の向き合い方にまで発展できるのではないか。スキーを通じた包括的な学習機会はまだまだある。

 第3に「生涯スポーツとしてのスキーを考える」ことである。三浦家は祖父の敬三、父雄一郎も長寿でスキーを楽しんでいる。高齢化が進む中、スキーが長寿につながるという研究が進めば、より多くの人がスキーを生涯スポーツとするための励みになるのではないか。

 5年前、こうした文章を提出したが、SAJの中にも大きな変化は見られない。また状況が好転したともいえない。しかし改めて原点に立ち戻って、スキー競技を応援する為の活動、子供達のプログラム、生涯スポーツとしてスキーを成り立たせるためのスキー健康医学などに、まだまだ前途は長いが、これからも地道に取り組んでいきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?