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⑤山のコースの種類

わたしは、山で楽しむためには、走る環境が "山" である意識を常に持ち、山で起こりうる事象についての知識を出来るだけ得て、山を走る特有の体力を身に付ける事が大切。この3つの掛け算によってトレイルランニングの能力が上がる、そう考えています。山は経験してなんぼの世界ですが、初心者でも山の知識として知っておきたいポイントがあるので、この回から複数回に渡って基礎知識についてまとめてみたいと思います。

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①コースの種類

山に入る時、まずはどんなコースなのかを知っておきましょう。簡単に分けると3つの種類があります。スタートとゴールの場所が同じかどうか、それによって難易度が変わってきます。

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ピストンは、スタートとゴールが同じ場所であり且つ行った道を帰るコース。来た道を引き返すので帰りは行きよりも安心な場合が多く、"調子が悪いな" と思ったら引き返すのもしやすいので初心者向き。また、着替えや温泉道具など荷物を置いていけるので、身軽で走り出せるのも魅力の一つ。

ループは、ピストン同様にスタートとゴールが同じ場所ではあるものの、一周ぐるりとするコースのため、ずっと違う景色を堪能できます。その分、途中引き返すことが難しくなるので、ルートの取り方によってはレベルが少し上がります。

ワンウェイは、これまでの2つと違いスタートとゴールが別々なため荷物を全て背負って山に入ることになります。途中で引き返すのが難しく、体調不良や怪我をした時、予定より時間がかかり途中で街に降りるためのエスケープルートの確認が必須となります。交通手段も増えることが多く、上級者向きにはなりますが、より遠くまで走れるという楽しさが増えます。

②コース情報集め

山に入るには慣れている慣れていない、に関わらず地図を見る癖をつけましょう。何時間山に入るのか、お手洗いはどこにあるのか、エスケープルートはあるのか、そういったことを事前に知っておくことで、心に余裕を持って山に入れます。

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上の図は、ヤマタイムという山と渓谷社が出しているコースタイムつき登山地図を無料で見れる、計算できるサイトです。登山専用のためトレイルランニング専用のコースタイムではありませんが、一般の登山者が日帰りで歩いた時のコースタイムを算出することで、どの程度山の中にいるのかを予想できます。またトレイルランニングでは夜中に走ることも多く見受けられますが、山は暗くなると事故リスクが上がります。まずは15時までに下山することを念頭に計画しましょう。

女性にお勧めしたいのが、お手洗いの場所を確認しておくこと。山では頻繁にお手洗いはなく、スタート地点にも必ずあるわけではありません。最終お手洗いがどこか、山に入ると何時間後に行けるのか、その頭でいるとお手洗いの心配も減ります。また男性が女性を連れて行くときには、お手洗いが場所では声をかけてもらえると気が利く人だなってポイントアップです。(私の場合は笑)

お手洗いの他にも、スタート地点に荷物が置けるのか(車やコインロッカーの有無)どうかによって荷物の量が変わります。集合場所に補給食を買える場所があるかどうか。近くにコンビニがあれば山の中で食べるおやつやご飯、飲み物を買えますが、無い場合は事前に準備を(山の時間は早いことが多いので開店時間の確認も)。山の中でも山小屋で販売しているか(冬季はお休みのところが多かったり、平日休みのところも)、水場はあるのかどうかの確認が必要です。

初心者の場合、全てをチェックするのはハードルが高いと思いますので、事前に連れて行ってもらう方に、上記の内容を聞くことから始めましょう。そして、山に居るときには、どこに自分が居るのか教えてもらいながら地図を見ることに慣れていきましょう。

③コースマーキングの種類

山道をどうやって進めばいいの?と疑問になる方もいるはず。地図を見ることはもちろんのこと、山にはさまざまな道標が山を案内してくれます。

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メジャーなルートであれば定期的に看板が設置されています。また、ルート上に設置されているリボンやテープ*、石などにマーキングされていたり、山頂や登山道などの道標となるように、石をピラミッド上に積み上げられた”ケルン”があります(ケルンは自然になったものでなく、人口で作られたものを指します)。そういったものを頼りに行く先を確認していくのが一つ。目印が無くなったら道迷いの可能性もあるので、チェックしながら進みましょう。トレランではコースを間違えたことを”ロスト”と呼んだりもします。
大事なのは、自分の居場所が今地図上でどこに居るのか、次はどこを目指して進んでいるのかを常に把握しておくこと。山では安心材料が増えるほど適切な対処が取れます。道を間違った時、周りを把握しておくことでどこで間違えたのか、どこまで戻ればいいのか検討がつきます。詳しく見ていくには読図力も必要となりますが、まずは地図を見る癖から。山地図アプリなどを使って、山の地図に慣れましょう。

*リボンやテープは登山用だけでなく、送電線の点検用や林道整備の作業用の印としても同じ形で付けられているため注意。

山地図アプリの例:山と高原地図YAMAPヤマレコGeographica

山に入る前に知っておくと、すこし安心しますよね。その積み重ねが山では大事だと思っています。実際は、山に入らないとわからないことばかりですが、少しずつ経験値を増やしていきましょう。

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