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②トレランとロードランの違いとは

”走る”という同じ共通点があるとはいえども街中を走るロードランニングとは別物なのがトレイルランニングというアクティビティ。走る環境が”自然界”であるという意識を持つことで、ウエアやギアの必要性や重要性、選択方法が変わってくるのではないでしょうか。
下の写真を見てください。山道を走るトレイルランニングと、街中の公園を走るロードランニングの違いとは、何でしょうか。

写真で見るトレランとロードランの違い

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写真を見て一番気づくのは路面の違い、ではないでしょうか。山を走るトレイルランニングは舗装路を走るロードランニングと異なり未舗装路の路面であり、その路面状態も山によって異なります。さらに傾斜の角度も常に変化するため、走る速度(ペース)変化も激しくなります(上りは基本的に歩きます)。山の天候は変わりやすく服装ウエアリングもより気をつける必要があり、何かあった時の備え(荷物)を背負って走ることが必要となります。さらに、一度山に入ると、降りるまでに時間がかかるため、水分や食べ物などの補給物の内容や量にも気を配る必要があります。

キーワードは「variable」

上の写真で考えるだけでも”走る”という行為は同じでも山と街中で全く違うことが予想できたと思いますが、ロードランニングとトレイルランニングの2つの違いを一言で説明するとしたら「Variable」”変化”がキーワードだと私は伝えています。

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自分のリズムを崩さず一定(constant)に走ることを大事にするロードランニング比べて、自分のリズムを状況に応じて変化(variable)させて走るのがトレイルランニング。腕振り、脚のステップ、目線、走るスピードなど、走ることだけにフォーカスしても”変化”するものが多いのが特徴です。

変化を起こす3つの要素

さらに路面・天候・体調に分けて変化を見ていきましょう。全ての変化において、その状況にいち早く適応できるかも、大事なポイントとなってきます。トレイルランニングは環境も変化しますが、自らの体調の変化が大きいことも多いことも忘れずに。自分の身体との対話がトレイルランニングの難しさであり、面白さでもあります。

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違い①路面の違いによるバランス能力の変化

路面によって、どのような変化が生まれるか。今回は”バランス能力”という視点で見ていきましょう。下記のイラストを見てください。これは「目をつむった状態で片足を上げた時ふらつかずに何秒耐えられるか」というバランス能力を評価する”閉眼片足立ち”を2つの条件で行っている状態を表現しています。

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上記のイラストの左(青)はロードランニングを想定した”固い地面”、右(黄)はトレイルランニングを想定した”柔らかい地面”として考えてみてください。柔らかい地面でバランスをとった方がバランス能力が低下するのは想像できますが、硬い地面を100%とした場合に柔らかい地面は何%低下するでしょうか。予想してみてください。

正解は・・・66%!

バランス能力は”慣れ”が一番影響をしているため、トレラン初心者は特に捻挫や転倒による怪我などに注意が必要です。トレランを始める際は、近くの公園など、コンクリートではない柔らかな地面を走ることから始めてみてくださいね。

もっと詳しく知りたい方は、下記のリンクから説明を読んでみてください👇

違い②風速によって変化する体感気温

山での天候の変化が著しいため天気予報の確認が必ず必要となってきますが、天気や気温だけでなく、風も重要な情報源です。なぜなら、同じ気温でも風の強さによって体感気温は大きく変わってくるからです。下の図をみてください。

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風速1mあたり約1℃低下する(気温0℃以上の場合)と言われています。木々の多い山の中では気にならないこともありますが、山頂付近は木々がないことも多々。山では”森林限界”といって高木が育たなくなるラインがあります。例えば富士山の場合、標高2400mあたりを超えると木々が減少し、山頂(3776m)付近は植物は見受けられません。ということは、風を直に受けるため、体温の調整、ウエアの準備がとても大事になってきます。山では低体温症による事故も少なくありません。登る山の標高によっても、難易度が上り注意するべきポイントが増えてきます。

登山用語:#森林限界 #低体温症

違い③朝食摂取の有無で変わる血糖値

みなさんは運動する前に食事をしますか?山ではエネルギー消費量が高いため、山に入る前に必ず食事をすることをお勧めします。下のグラフは、朝食を食べる時(●)と朝食を食べない時(○)の血糖値の差を示しています。

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血糖値が低いと何が起きるのか、いつも行っている運動でも”きつい”と疲労を感じやすく、ひどい場合にはふらつき、めまい、意識混濁、意識を失う、といった危険な状態に陥る場合もあります。山では空腹の状態で運動し体調を崩すことを”ハンガーノック”や”シャリバテ”と呼びます。こういった状態を回避するためにも食事を摂った上で山に入ることが大事です。なぜなら、山に入るとすぐには食べ物を得られないからです。

もう一つ上の図で見てもらいたいのが、ハンガーノックを起こし続行不可能になった後、糖分を摂取すると一気に血糖値が上がっているのがわかると思います。ハンガーノックを起こした場合の対策はすぐに食べること、血糖値が復活すれば体調は元に戻ります。だからこそ、食べなくても必ず非常食として食べ物を持って山に入ることを強くお勧めします。

登山用語:#ハンガーノック #シャリバテ

他にも違いはたくさんありますが、路面・天候・体調といった3つの要素に注目するだけでも、トレランとロードランの違いが伝わったのではないでしょうか。上記のことを理解することで、山に入るための荷物に対する意識が変わることを願います。

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