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2010年9月25日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 僕は11歳の時、祖父、三浦敬三に山の歩き方を教わった。家族でアフリカ大陸最高峰、キリマンジャロ(5895㍍)に登ったとき、2日目のホロンボヒュッテ(3700㍍)で高山病になった僕の前を祖父はゆったりとした足取りで歩いてくれた。 ゆっくりと一歩ずつ確かめるように、呼吸も歩数に合わせて吐いて吸ってを繰り返す。このペースは僕の父、三浦雄一郎いわく、歩きながら休むペースだという。このコツを覚えてから、ヨー