海辺のエトランゼ映画が最高だった話

海辺のエトランゼ映画が最高だった
ただそれだけの話なので、映画どうだったかな〜というだけなら以下の話は読み飛ばしてもらっていい。タイトルに書いてあるでしょ、最高だって。

まず大前提として、私は海辺のエトランゼがとても好きだ。
原作は何度も読み返していて、映画化したと聞いた時は正直不安と期待がめちゃめちゃに入混ざった気持ちだった。
だって原作のあの雰囲気を映画でできるのか。キャストはドラマCDと変わっていないか?続投?それとも別の方?
好き故に色々考えてしまったけれど、作者である紀伊カンナ先生が映画化に踏切ったというならば相応の素晴らしいものを作ってくださるのだろうと確信的に思ってはいた。
雑誌やインタビュー記事を読み、紀伊カンナ先生がキャラデザをされていること、CMがハチャメチャに良いことをパートナーに伝えた。パートナーに「〇〇秒のここのシーンがヤバい、めちゃめちゃ最高だから見て」というのを約500文字にわたって話しているのがLINEの履歴から確認されている。付き合ってくれるパートナーには感謝の気持ちでいっぱいだ。いつもありがとう。
そこからは「ゾッコン」という待って曲名〜!!!!!!というオタク特有「待って」を連発しながら上映日まで小出しにされる情報を、精神を宇宙へ飛ばし安寧を保とうとした。まあオタクなので無理で毎回大きな幸せなため息をついて「待って……好き………………」としか口から出ない日々を過していたけれど。
そして。
当日。当日の朝、仕事へ行く時間よりも早く起き早く電車に乗って向かうのが休日なのにガチな感じがして最高だな、、と思いながら向かった。映画館は初めて行く場所だったのでかなり早めに着いてしまったのだけれど、遅れるよりはいいかとチラシを見て過ごしていた。他の映画のチラシを見ながらもうすぐだなとソワソワし、パートナーにLINEを送り付けたりTwitterでもうすぐだ〜! とツイートしたりした。今思うとなるべくソワソワした感じを発散したかったのだと思う。
劇場に入る約五分前、映画を見る前の気持ちが残ってる私は今が最後だから……と長文で今の気持ちを吐露したLINEをパートナーに送り付けた。なおパートナーは仕事中であるが、私の中で一番好きなBL作品を前に理性など働かないのである。本当によく付き合ってくれていると思う。

そして映画上映。
私が初日初回を選んだのには理由がある。映画館でマナー守らない民度の低い奴らに出会いたくなかったからだ。
鼻をすするのはまだいい、鼻炎かもしれないし。体質もあるし。でもティッシュ持ってて欲しいけど。
映画前、映画中に話す奴、スマホを見る奴。正直映画前のCM時点ではマナー違反だと目くじらを立てることではないのかもしれないので何も言わないけれど、個人的には映画に没頭する準備時間なので控えて貰えるとありがたい。どこまでがマナーなんでしょうね。私も分かりません。
平日なのと朝イチなのとコロナとで。結構空いていたのはありがたかった。少し離れた所にいた2人組は前記のように話していたけれど映画前だからもう気にしない。映画が始まると静かにしてくれていたのでお前ら来世はゴキブリだからなと恨んでいた気持ちがコオロギでいいよ、くらいの安寧さは取り戻していた。
そうして映画の上映が始まる。みるみるうちに私は海辺のエトランゼの世界に没頭していった。
映画の感想を一言で言うならば、最高の一言だ。
映像美、控えめなBGMに彼らの心情を物語るような声優さんの演技、しゃけとしょうゆの可愛さ。全部最高。
原作派の私からすると、原作遵守しつつも原作で描かれなかった部分の補填とここは見せ所!ってところは丁寧に描いてくださっていて、100点満点中100億点だった。ありがとうございます……。
まず映像の美しさはCMで知っていたのですが、いやこのクオリティがずっと続くの!? すご!!!! と思いました。
キャストさんが発表された時におばちゃんのキャストさんがピックアップされていたのでそんなに……?と思っていたんだけど、もうすご〜くいい役で、島ならではのおっとりのんびりゆったりした雰囲気とおばちゃんの明るさがぴったりマッチしていてとてもとても良かったです。
すずちゃんとえりちゃん……めっちゃ良くなかったですか? すずちゃんめっちゃかわいくなかったですか? えりちゃんの言動に頬染めたりくすくす笑ったりするのめっちゃかわい〜〜!!!!!!!!! と思いました。この2人も大好き…… 幸せになってくれ……いや幸せだったね……え〜ん良かった ありがとうえりすず……(すずえり……?)
そしてみおしゅん……!いやもう……
初期の実央くんてこんな感じだったよねウンウン海辺のベンチで一人佇む少年……圧倒的美……。海や波の描写、青い空白い雲温帯気候の花! そして実央くんの憂いをおびた表情。このコントラストが最高としか言えず、まずすぐに心掴まれますよね……大好き。
数年後の再会シーンはCMで覚えちゃうくらい観たけど、やっぱり映画館で観ると最高に最高で、ほう……とため息が出ました。良すぎて……。
えっちシーン絶妙でしたね……。R12ですものね……。本っ当に良かった。やわらかなえっちシーンというか、色っぽさもありつつ頑張れって応援したくなりつつ二人の世界を見ていることの気恥しさもあり、直接的な表現は少ないのにこんなにも伝わる…!? 見えるんだけど……!やだうそ見ちゃっていい!? わーん大感謝……。という気持ちでいっぱいでした。もうどうしようもない。好き。静謐さもあれば可愛らしさもあって、家で一人で見ていたら「ありがとうございます…」と口から出ていたと思う。本当に素晴らしかったです、ありがとうございます。映画に関わられた全ての方に感謝しています。(強いて言うならば、駿くんがおばちゃんに今日はこっち来ないで…どうしても(意訳)っていう原作のシーンが見たかったのですが、本当に強いて言うなら! 私のお気に入りシーンなのでそう思っちゃったけど、でも本当に100億点なんです)
桜子ちゃん! 私ねぇ桜子ちゃんが大好きなんですよ。黒髪ロングさらさらストレートパッツン。原作ではぱっつん!! と思っていたけど、アニメではセンターやや髪分けてる? って感じだったかな。どっちもすごく可愛かった。服も深窓の令嬢って感じの大人しくて可愛い服を着ているのにビンタするし駿は優しいし丁寧よって嘘つくし強かな女性っていいな〜! 最高! わたし駿のお嫁さんになる! のくだりめちゃめちゃ良くてめちゃめちゃ切なくなかったですか? 小さい頃からずっと駿くんのことが好きで、親もあらあらまあまあうふふって感じでほぼ公認、駿くんが男性を好きなのは知っていたけれど、お前となら結婚してもいいって、きっとそう言われた時は嬉しかったんだろうな。と思う。だけど、駿くんに「あなたこのままだと本当に結婚しちゃうわよ、それでいいの?」と聞いて自分からナシにしてしまったことを桜子ちゃんはどう思っているんだろう。と思うと切ない……。自分のその一言がなければ桜子ちゃんと駿くんは結婚していたかもしれないけれど、でも自分の好きな人の幸せを思うと自分と結婚することはベストではなくて、そう思ったからこそ聞いたんだろうけど、自分のことを好きじゃなくてもいいからそばにいて欲しいって実央くんに言ったあの言葉が本心なのだとするとかなりしんどいよね……と思った。幸せになって欲しい女性。大好き。
あとね〜私が本当に嬉しかったのは、本編が結構しっとりした雰囲気だよなぁと思っていたんですよ。実央くんのお母さんが亡くなった時や、普通に女の子を好きになる方が……のくだりとか。で、CMで聴いていたのがゾッコン。結構軽いノリだったのでこうくる〜!? と割と衝撃だったのだけど、最後にみおしゅんが海でわちゃわちゃして北海道に行くよ! って所からのエンディングであの音楽が流れたら、ゾッコンだしロックオンだしうわぁ〜!!!すご!!!!!となりました。すごすぎ。歌詞はパンフレットでちゃんと見たんだけど、ここってこのあたりの心情なのかなとか、こういう言い回しって駿くんみたいで分かるなとか、エンドロールの名前を追いつつ、シンプルはエンドロールで作品中の色々なシーンがフラッシュバックしてすごくすごく染みてすご…………となりました。
なんて言えばいいんですかね、分からないけど、私には語彙がないので一言で言うなら「最高」なんです。
そして私は海辺のエトランゼ映画が最高だったので感情を一人で持ちきれなくなり、オタク召喚! と今仕事お休み中の友人を呼び出し舞台挨拶上映奢るからさぁ……観よ?? と召喚に成功、前職の時に仲の良かった友人三人に良かったから見てくれと呼びかけ観るねと言わせることに成功。
布教を終えると、体をベストコンディションにするため薬局で目薬を買い目の解像度をあげ、布教のためにアニメイトととらのあなをめぐって海辺のエトランゼと春風のエトランゼを3セット購入、今はドトールでカフェオレを飲みながらこの文章を打っています。
ちなみにお昼はかにチャーハンでした。みんな、映画見たら食べたくなっちゃうよ。(カニカマだと尚良しですが)中華料理屋さんを調べておくのもいいかもしれません。
みんな、最高の映画海辺のエトランゼを観てください。