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久保建英は来期レアル・マドリーに復帰するのか?

今シーズンの久保は凄まじい。ソシエダに移籍して2年目、今や絶対的な主力として攻撃の全権を担う選手だ。ここまでの1番のハイライトはリーガ5節のベルナベウでのマドリー戦。幻のゴラッソ含め、個で圧倒、蹂躙しそのクオリティを世界中に見せつけた。9月にはラ・リーガの月間MVPを獲得する快挙。

もう「TAKE」はワールドクラスの選手として評価される選手であり、日本メディアの「久保くんキャンペーン」等の祭り上げや日本人贔屓は必要ない。

久保はマドリーに復帰するのか?


さて、本題の久保は今後マドリーに復帰するのか否かに関してだが当然まだ分からない。ただいくつかのヒントと考察を交えて述べていこうと思う。今回は復帰に肯定的な要素と否定的な要素の二つに分けて記述していく。


復帰に肯定的な要素

マドリーとソシエダの契約

ソシエダは久保を獲得する際に当初は完全移籍を希望していたがマドリー側が難色を示したため600万€で権利の50%を購入するという形となった。メディアによっては完全移籍と表記されることもみられるが、正しくは完全移籍とレンタルの中間みたいなものだ。これによりもしソシエダから他クラブへ移籍した際には移籍金の半額がマドリーに入ることになる。さらに買戻し条項がありマドリーは一定の額を支払うことで久保を買い戻すこともできる。(買戻しの金額はメディアによって様々であり、1200万€前後の説や契約解除金6000万€の半額である3000万€と報じるメディアもあり真相は不明)

久保は18歳の時にすでに3000万€の値が付いた選手であり、その後ビジャレアルやヘタフェなどで評価を落としたとはいえ650万€と格安で売りに出していることから、マドリーに有利な条項があると推測できる。
※現在の市場価格は5000万€

マドリーに本職不在の右ウイング

マドリーには右ウイングがいない。現在マドリーの右ウイングのレギュラーは左が本職のロドリゴで14回目のCL制覇したときはフェデ・バルベルデであり彼も本職は中盤の選手だ。いずれも本職ではない選手を無理やり右ウイングにおき本職不在を誤魔化してきた。当然補強ポイントではあるものの、そもそもめぼしい人材が市場に居ないため見送られてきた。その点右ウイングを本職とする久保は戦力的に大きなプラスになる上、市場に彼より良い選手が居たとしても倍以上の値がするだろう。

現地の久保待望論

現地のマドリディスタにも久保復帰を望む声は大きい。現に日本のなんちゃってメディアではなく、現地のMARCA、AS、relevo等のメディアやジャーナリストらもこの議題について取り扱っており現実味は以前よりも増している。

久保が活躍すればするほどこの手の記事が増えるだろう。

上記は彼の給与にフォーカスして彼の未来に言及している記事である。

先日、個人的な現地の友人に久保の復帰について尋ねた所、
「Noだ、エンバペが欲しいから」と一蹴されてしまった。
これもリアルな意見の一つである(笑)




復帰に否定的な要素


外国人枠

国籍は最大の障害となるポイントだ。EU圏外の選手は3人までと決まっていて、ブラジル人選手の場合は加入して数年でスペイン国籍を取得し制約から逃れることができるし、直近のベリンガムはアイルランド国籍を活用するという抜け道でクリアした。しかし日本人である久保には二重国籍が認められておらずいかなる抜け道もない。おそらく久保は誰よりもスペイン人に近く国籍を得るのにふさわしいはずではあるが、、、

マドリーは将来のバロンドールを狙えるレベルのクオリティとスター性を見込んだ若手選手にEU圏外の3枠を使っている。ヴィニシウスやロドリゴは現在その域の選手として活躍しており来年にはエンドリックが到着する。

久保が居場所を確保するのには彼らのような選手と競争しなければならない。そして彼らより明確に格上であることを証明する必要がある。なぜなら実力が拮抗していれば枠の制約から逃れる抜け道のあるブラジル人を優先するほうが効果的であるからだ。毎年のように将来有保な超新星の獲得をもくろむマドリーにとってはこれは些細なことではない。また以前のアセンシオやブラヒムのような役回りも考えにくく、サブの選手にわざわざ外国人枠を使うとは考えにくく、それこそスペイン人で十分だ。それに、いまだピッチに姿を見せないトルコ人もいるが、、、

久保本人の意思

久保がマドリーを希望しない限り復帰はない。そして彼の意思は不明だ。最近の言動を見る限りラ・レアルのファンに愛され彼自身も現状のチームに満足しているように見える。

そもそも久保はマドリーに在籍していたがチームに直接参加していた時間はほとんどなく、1年目のプレーシーズンに帯同し途中から出場した数試合しか経験していない。10代のころに3年ほどバルセロナの下部組織ラ・マシアに所属していたが、プロとしてスペインに戻る際には禁断の裏切りを犯し白いユニフォームを選んだ。恩をあだで返した過去があるのだ。ほとんど活動をしていないマドリーでプレーする意志やクラブに対する愛があるかはわからない。

はなからマドリーでプレーすることというより、スペインでのキャリアの為にマドリーを「利用した」可能性すらある。バルサから強奪したマドリーの若手という看板を得ることでメリットがあるからだ。

どちらにせよ彼がラ・レアルからのステップアップの場にスペインを望むならもう選択肢は3強のどれかしかない、その中ではマドリーが最も現実的であると考えられる。アトレティコは金銭的に不可能であり、バルセロナは、、、もう説明不要だろう。

マドリーの都合

マドリーは今年の夏、エンバぺが来なかったにもかかわらず移籍収支がマイナスとなった。これは19年の夏、アザールを獲得した年以来のことだ。フロレンティーノ・ペレスはとことん黒字に強いこだわりがある。来年はバイエルンのデイヴィスが候補の一人で、エンバぺやハーランドに挑戦するなら支出が膨れ上がる。市場価格よりも低い額であっても久保に割けるリソースが十分にない可能性がある。

マドリーは政治の色が濃くまたペレスの事実上の独裁体制が続いているため、彼がスカッドの決定権の全権を担っている。先日契約を延長したお気に入りのヴィニシウスとロドリゴ、Newスターのエンドリックに現在進行形で求愛するエンバぺとハーランド。ここに割って入るのはまだ難しいだろう。




以上の要素から、現段階ではまだまだ可能性が低いと考えられる。

久保は昨日のビジャレアル戦で二か月半ぶりのゴールを決めた。ラ・レアルで彼は重要な存在であり、彼の出来の善し悪しが今後のリーガとCLの結果を左右する立場の選手だ。

今後もラ・レアルのフットボールと久保のプレーに注目していただきたい。





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