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ペール・ラシェーズ墓地ーParis

パリ市内最大のペール ・ラシェーズ墓地はホテルから歩いて10分程度で、多くの著名人が眠るこの地に、もう一人の「ロバート ・キャパ」ゲルダ・タローの墓がある。メルニモンタン通りの正門から入り、上り坂を南東の端っこに向かって進み大通りから少し中に入ったところでようやく見つけた。シーズンオフでしかも早朝ということもあり、時々何人かと行き交うだけで周りには誰もいなかった。享年27歳、反ファシズムとして報道写真を取り続け、スペイン内戦に巻き込まれ亡くなった。そばにいる鳩と思われる石像が悲しみを助長する。

のちの「キャパ」写真家アンドレ・フリードマンのパートナーである彼女に何があったかは、沢木耕太郎著の『キャパの十字架』に詳しい。一枚の写真が、時代の流れの中で脚光を浴び、人の運命を変えていった。因みにタローの名は、アンドレと親交があった岡本太郎から。

そしてすぐ近くには1871年市民蜂起で政府軍に最後まで抵抗したパリ・コミューンの兵士147名がたてこもり銃殺された場所がある。この「連盟者の壁」には、今でも献花の跡がうかがえる。圧政に対して立ち上がった人たちの声を聞きに来ているのだろうか。肌寒い3月だったが、体が少しだけ熱くなった。


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