夢との向き合い方。建築家の夢から違う夢へ
私にとって20代、30代の夢は建築家になることであった。20代は設計事務所、ハウスメーカー、30代は建設会社に勤めながら建築家になりたい夢を捨てきれず建築コンペなどにチャレンジしていた。
しかし、40代になり残りの人生を考えたときに、今のままでは建築家になることは難しいと思うようになった。ここで私のいう建築家の定義とは安藤忠雄、コルビュジェのようなスター建築家のことである。自称建築家ならば誰でもなれるわけだから。
大学教員と兼業の人も建築家とは言わない。あれは建築家ではなく、ただの大学教員である。
建築家になれるかどうかは才能の前に、以下の三つが基準になる。もし若い建築学科の君がこの文を読んだら参考にしてほしい。
建築家というのは絵を描くだけでは一銭にもならない。仕事を受注し、契約し、工務店やゼネコンとネゴして、いい建物を出れば作品と言えるレベルで作らなくてはならない。
①あなたは資産家の子弟として生まれたか?
かつて有名なプロフェッサーアーキテクトが言っていた。独立した建築家として成功するには、資産家の指定として生まれるか、資産家と結婚するかしないと難しい。資産家の子弟であれば最初の仕事をゲットし、親の人脈から仕事を継続することができる。
才能云々よりもまずは環境が大事なのである。環境に抗って無理をしても傷つくだけである。
②あなたには営業力があるか?
資産家の子弟に生まれなくとも最高の営業スキル、仕事を作り出す、取ってくる力があれば
設計事務所勤務時代にスタッフとして設計能力が優秀と言われてもあまり意味はない。
独立してまず、最初の仕事を以下に受注するか。そして、仕事の受注を継続するか。要するに建築家も中小企業の経営者であり、営業力が最も重要なのだ。
しかし、設計事務所に勤めていても先生の設計の手伝いばかりで、肝心の営業の手伝いは滅多にできない。
③前例のない建築を作る覚悟があるか?
建築家というのは「前例がない建築を作る人」と定義されるだろう。
しかし、前例のない建築を作ることは覚悟が必要である。前例のない建築はたいてい、納まりが難しいので雨漏りなどが起きる。施主との訴訟を抱えている建築家は多い。
高いレベルの鈍感力、図太さを兼ね備えている必要がある。さらに前例のない建築を自分は絶対に作れる!という自信が必要だ。
今、それぞれが自分のやるべき仕事に集中していけば、良い将来のクライアントと出会うことがあり、自分が思いもしなかった道がひらけていくかもしれない。
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