いつか王子様が (名探偵ボディビルディング・毎週ショートショートnote)
私は美貌を持て余している、と思う。ひっきりなしに声をかけられるけれど、満足させてくれる人はあまり居ないから。
なぜなら私の理想は高い。筋骨隆々の人が好きだ。筋肉は多ければ多い方がいい。ボディビルダーの方は、本当に好みだ。
胸に飛び込んで、筋肉に弾かれたい。筋肉がつくる溝に、指先をかけて眠りたい。はち切れたシャツのボタンを付け直したい。ブーメランパンツを洗濯してあげたい。こんなにも甘く夢見ている。
審美眼だけが研ぎ澄まされ、最近はただ鍛えているだけなのか、ボディビルダーなのか、わかるようになった。流行りのフィジークとの見分けもつく。彼らは美しい逆三角形に命を賭すあまりに、下半身の筋肉が軽いのだ。
けれど私は、名探偵ボディビルディング。顔だけだってわかる。ボディビルダーを見抜くことができる。
本物のボディビルダーは、ブーメランパンツを履きこなせる、そんな自信に満ちた顔をしているのだ。
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パンツネタが多いのは自覚しています。
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