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計画通り(顔自動販売機・毎週ショートショートnote)

 顔の自動販売機で、自分好みの顔が簡単に取り付けられる様子になった今、世の中は同じような顔で溢れている。
 目玉が飛び出しそうな程切り開かれた大きな目。その瞳はその開かれた面積を埋めるほどに大きい。黒目がちを超えている。
 細く高い稜線の鼻筋に、つんと尖った鼻尖や鼻翼。
 ハンバーガーにもかぶりつけない小さな顎と、感情とは関係なく引き上がった口角。
 そんな顔しか存在しない。大きな目、高い鼻、小さな口元、それを追求するうちに、エスカレートしていった。
 地味な顔に飽き飽きして、ついに皆と同じ顔を購入しようと、ボタンを押す前にふと気がついた。
「この顔、グレイみたい」
 その小さな声に反応して、自動販売機の周りにいた同じ顔をした人々が、私を取り囲んだ。そうして私の両腕を掴んだ。
「深く考えず、顔を買えば良かったものを」
 そう言って私を引きずり、どこかへ連れて行くようだ。
 いつの間にか彼らの身体は、銀色に発光している。


こちらに参加させてもらっています。
すごくお久しぶりです。
久しぶりすぎて、めちゃくちゃ緊張しています……
またショートショート楽しんでいけたら、と思います。よろしくお願いします!

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