人外と人間のBLみたいなやつ

が欲しかったから自分で練ってる。
全然推敲してない。視点入り乱れている。


はじめに

これは私が私のために考える私のための創作です。
ここに含まれそうな要素を上げておくので、苦手なものがあったらお逃げなさい! さあ! 行って! 振り返っては駄目! あと18歳未満のあなたもお帰りなさい! こちらへ踏み込んでは駄目!

「祀られていたなにか」「いもむしかわいい」「なめくじかわいい」「ひとじゃないものって最高」「絆されウケチャン」「溺愛」「相思相愛」「触手」「BL」「R-18」「人外×人間」「幼さ」あと一部ふつうに虫が出てくるぞ


とりあえずキャラクターを考える

始めるからな! 私が好きなものを好きなようにやるからな!

ウケチャン(古守・コモリ)を考える

ふつ~に育った。友人と面白可笑しくじゃれ合ったり、仲の良い女子をからかってみたりする、人付き合いのできる子だった。学年が上がるにつれて友人たちは恋人を作るようになったりする。なるほどそういうもんか、とウケチャンもエッチなコンテンツをちょっと見たりしてみる。最初は興奮より「エッ!? グロくない!?」みたいのが強い。けど、ソウイウコトをしている人たちが気持ちよさそうにしているのを見てやっぱり興味が強くなってく。フ~ン、きもちいいんだ……? そ、そんなに……?
で、ウケチャンは自慰を覚えていくんだけど、なんかこう、思ってた感じじゃないっていうか。いや、気持ちいいんだけど、なんかこの人たちってもっと気持ちよさそうじゃん。みたいな。でもそうか、そういう目的で作られてるんだから大げさになってんのかな~なんて納得しようとしてみたり。人としたことないし、そしたらまた変わるのかな~とかね。俺も彼女つくんないとな~みたいな。
とはいえこのウケチャン、人付き合いは広いが浅く、誰かを好きになった経験がない。他人への執着が薄いのだ。そして自分の感情の変化に鈍い。だもんだから大した趣味もなくて友達と適当な会話をしたり面白そうなテレビや動画を適当に眺めたり、そんな風に過ごしていた。

そんなウケチャンもなんだかんだ言って社会人になった。
学生のうちになんとなく付き合った彼女となんとなく致したことはあるものの、やっぱりあの頃画面越しに想像した快感とは距離があって、ウーンやっぱり経験値溜めてレベルアップしないとああはならないのかな~なんて当時マイブームだったRPGに例えて思ったりした。なんとなく付き合った彼女とはなんとなく別れて、べつに俺、彼女いなくてもいいなあと思ったりしていた。ウケチャンはやっぱりあんまり他人に興味がないのだ。

人外(モチモチ・大福)を考える


匂い・呼吸・心拍数・体温・声で主に相手をはかるが、そのうちに表情の変化や体の動きも学習する。匂いや体温を感知するのは多分産毛の部分……。
ばぶちの時に拾われる。ウケチャンに大懐きする。大懐きしてるからいっぱい喜んで欲しくってあれこれしちゃう。ここ触ると快楽物質出てるよね?とか気持ちいい時の声だよね? うれしい? ここ? ここ? みたいにせめちゃう。感情の塊。そもそも感情で出来てるみたいなもん。エネルギーが感情。とか。
いもむしみてえなのがいい かわいいから まって どうしよ アアアア~~~~~
本来は神様みてえなもんだった。八百万のうちのあぶれた一個体で、とあるちいさな祠にいた。んだけれども、もうそれもどんどんどんどんとさびれていって、すっかり誰も来なくなった。もともと神様として何かしていたわけでもなく、神なのか妖怪なのかと言われれば祠産まれだから神様、ってくらいだった。誰も来なくなって、忘れられていって、体が透けて消えていく。人の慕う感情があってこそ形を保っていられた存在。さみしくてさみしくて、ずっとぼろぼろの祠の中で小さくなっていきながら泣いていた。自分が何を慕って祀られた存在であったのかすら最早朧で、ああもう、消えちゃうんだ。にんげん、ぼくのこといらないんだ。きえちゃうんだ。と泣いていた。ぼくのこと生んだくせに。忘れちゃうんだ。もうどうでもいいんだ。あれ、ぼく、なんでうまれたんだろう。いつうまれたんだっけ。えっと、えっと。どんどんどんどん、自分が消えていく。怖くてこわくて、丸く縮こまって泣いていた。


ok良いじゃんこれでいこう。



大福と古守

会わせる。

 ケチャンがあるとき転勤になった。
 最初は転居か~と億劫に思っていたが、してみればなんとまあ田舎とは言えなかなか住みやすい。
 駅の周りはそこそこ栄えていて住むのにも不便しない。学生の頃免許を取っていてよかった、と思う。駅からは少々離れたところへ部屋を借りたが、車が無ければとれなかった選択肢だ。車での買い出しであれば駅まで大した距離ではない。
 少し離れたこの部屋を選んだのは、静けさと傍らの自然が心地好かったからだ。それからペット可な物件であるだけあって頻繁に犬の散歩に出会えるし、壁も厚め。

 ちょっと落ち着いてきたころ、ウケチャンは自分が新たに住む町を探検してみることにした。駅の周りをあらかた見終えて、日暮れまでまだ時間がある。せっかくなので駅から離れた田舎の良さを堪能しようと車に乗ってみる。しばらく行くと、小さな橋を渡って山の入口へ行きついた。辺りにはかなりまばらに人家があった。地元の人だけが知る定食屋なんかがあるかもしれないな、なんて思い付きで、自然の中を歩いてみることにした。あまり出歩いている人もない。散歩日和だなと思いながら、きれいだと思った風景にスマホを向けてシャッターを切る。期待した店は見当たらなかったが、それでも気持ちの良い散歩になった。
 先ほど橋を渡ったところの川にも降りられるようだった。傾きつつある陽の光をきらきらさせて、水面が揺れている。川辺へ降りて歩けるところを歩いてみる。草むらは背が高く、人が通ることは無いようで、獣道すらあまりない。
「わ、でっかい蜘蛛の巣」
 若木に貼った見事な蜘蛛の巣に感動すら覚えてシャッターを切る。ウケチャンは『虫、ばっち来い』な子である。カブトムシも飼ったしアゲハも育てたし、オタマジャクシをカエルになるまで囲ったこともある。虫じゃないけど。大人になると無理になるって人も多かったが、その点ウケチャンは子供心を忘れていないのかもしれない。
 あまりにその巣が見事だったから、もう少し間近で見たくなった。草むらを掻き分けて近寄っていく。
「あ、いた」
 巣の脇に大きな蜘蛛がちいさくなって身を隠すようにじっとしていた。「おまえがつくったのかあ~」
 みごとなもんだなあ、とまじまじ観察して、数枚写真を撮り、満足して後ずさろうという時だった。蜘蛛の巣のその先に、何か人工物のようなものが見えた気がした。何かの枠組み?
 どうせ草むらを分け入っているのだ。もう少し進んであれの正体を確かめてみてもいいだろう。冒険心をくすぐられ、蜘蛛の巣を壊さないようくぐってそちらへ向かった。バッタがぴょんと飛んで行く。
 さてそこにあったのは果たして、小さな白い鳥居であった。
 そしてその奥に、膝丈に満たないほどの小さな小さな祠があった。かなり簡素な作りに思える。それも、ススキやらイネ科の何某やらに囲まれ、すっかり傷んで見える。相当古いのだろう。何かが供えられた様子も見受けられない。土台も傾きつつあるようだし、屋根の部分もささくれ立って折れてきている。
「わ。こんなところに神さまが」

 て、ウケチャンがこの鳥居に目を止めたとき。消えかけの泣き虫は、人間の感情がこちらに向いたことに気付き、驚いた。近くに人間が来たことも、人間が気付いてくれたこともいつ振りなのだろう。もう思い出すことも出来ない。やがて人間は祠の前までやってきて、ひっくり返った皿やら杯やらを戻しながら言ったのだ。確かに、「神さま」と。
 見付けてくれた。みつけてくれた。人間が、ぼくのこと。

 ケチャンは辺りの雑草を雑に毟り、踏みしめ、祠の傾きを直そうとし、ちいさな鳥居に張っていた蜘蛛の巣を取り払った。
「ごめんなあ、ここ神様のおうちらしいからさ」
 と、慌てふためく小さな蜘蛛を草むらに放った。
「供えられるものもなくてごめんなさい。少しはきれいになってますよーに」
 と言いながら手を合わせて、また来ます、と言ってその場を後にした。

 みさまだって。
 祠の中で、彼は惚けた。単純化して透けた身体を伸ばして、短い腕で祠の扉を押した。傷んだ戸はやがて開いて、去っていくウケチャンの背中が西日に照らされる様子が見えた。あのにんげんが、ぼくのこと、ぼくのこと、たすけてくれたんだ。また来ますって言った。またくるって。また、来て、くれるかな。寂しさに塗り固められていた感情に別の色が混ざる。期待。不安。喜び。怯え。
 異形の彼は、ウケチャンの姿が見えなくなるまでそこから眺めていた。ウケチャンを見送ると、そっと祠の中に戻っていく。終わりかけの西日が隙間から差しこんで、からだを照らした。まだ透けていて、影も出来ない。いもむしのような、なめくじのような、ずんぐりとして単純化したからだ。自分が何者かわからなくて、曖昧になったすがた。頭を抱えるための、指の無い短い二本の手。音を聞くためのイヌやネコのようなかたちの耳。久方ぶりに陽の光を見た小さな目。短くて先のざらついた手で顔を触る。ぼく、こんな姿だったんだ。むかしからそうだったんだっけ。むかしって。いつ。
 何度考えてももう思い出せない過去のことを手繰り寄せるのをやめて、先ほどの言葉を反芻する。また来ます。また、きます。また。
 下半身をくるりとまるめて、顔をうずめた。
 またって、いつかなあ。
 久々に、涙を流さずに目を閉じた。

 ウケチャンは次の休みに、日本酒とおにぎりを持ってこの社を訪れた。
 ウケチャンは祠に手を合わせると、
「お酒飲みます? 一緒に呑もうかなって持ってきてから気付いたんですけど、おれ車で来ちゃったから飲めないや」
 と、祠の前の皿に注ぐ。隣の皿にコンビニで買ってきたおにぎりとまんじゅうを乗せる。
 そうして祠の隣にレジャーシートを広げると、自分のおにぎりを食べ始めた。
 この日もいい天気だった。暑さも和らいで、風が心地好い。ざらざらと草が揺れる音も、ぼーっとできていい。ウケチャンには大した趣味がない。だからこの時間はなんだかありがたかった。

 ちもちした体の何かはこの日、ウケチャンが来るのを察知してそわそわしていた。自分のことを考えている人間がいる。こちらに来る。あのにんげんだ。ぼくのところにくる!また、きてくれたんだ。
 ウケチャンが熱心に参拝しているわけではないのはわかっていた。それでも、数えるのをやめてしまうほどの間、誰からも忘れ去られていた。そんな彼にとって、祠――自分に対して向けられた感情はあまりにも温かくてみずみずしくて堪らなくおいしかった。


よし出会ったぞ。なんかの拍子にウケチャンのおうちに付いて来ちゃっててそのまま住んじゃうやつがいいな


対面・同居させる

 モチモチはウケチャンからの認知と参拝のおかげで透けてるのが治って、かたちがはっきりする。
 そんなころ、ウケチャンがいつも「また来ます」と言いながら帰っていくことに寂しさを募らせていく。祠の隙間から見送りながら自分に言い聞かせようとする。きっときてくれる。だっていつも、ちゃんと、また来てくれるもん。でも、……でも、いつまで? また忘れられちゃったらどうしよう。一人ぼっちになっちゃう。ひとりになっちゃう。
 やだな。こわいな。
 そんな問答を何度もするうち、モチモチはウケチャンについて行くことを決めるのだ。

 る日帰宅したウケチャン。靴を脱いで手を洗って、何か飲むかとキッチンに寄ってからそのままテレビの前のテーブルへ向かう。そのとき足元に何か影が見えた。
「?」
 見るとそこには、全く訳の分からない何かがあった。 
 白いコッペパン……ちぎりパン……いやチョココロネ……。腹が減っていたウケチャンにそれらを彷彿とさせる細長い胴。その上に、犬のような形の顔がもっちりと乗っている。鼻も口もあるように見えない。スイカの種みたいな黒い目がついていて、自分を見ている。コーギーのディティールを削り尽くして毛を無くして下半身をつちのこにして、質感をもちもちにした感じの見た目だ。
 ウケチャンはマジでどっから出てきた何なのかわからなくって、自分おかしくなったのかなって思う。得体の知れないものに対する恐怖と困惑がぶわ、って湧き立つ。

 の時モチモチはウケチャンの恐怖と困惑を至近距離で直接浴びる。
 モチモチは一気に怖くなる。きらわれる。どうしよう。このにんげんがいなきゃぼくはきえてしまうのに。どうしよう、どうしよう、どうしよう、きらわれる、いなくなってしまう、いやだ。
 ウケチャンが悲鳴を上げるより先に、ウケチャンの本能的な感情を浴びたモチモチが大粒の涙を流す。すぐにちぢこまって丸まって、ずんぐりした下半身の下に頭をつっこんで、耳をつぶすように短い手で抱え込んで、ぶるぶる震えだす。モチモチはただ嫌われるのがこわくて、でもどうしていいかわからなくなって、きらわないでって小さくなることしかできない。こわがらないで。ぼく、きみをきずつけたりなんかしないよ。

 ウケチャンは呆気に取られてしまって、段々申し訳ない気分になってくる。この生き物? のようなものが何なのかわからないけれど、助けてあげなきゃならない気がする。
「だいじょうぶ? きみはだあれ? ごめんね、こわがらなくていいよ、何もしないからね」
 言葉が通じると思っているわけではなかったが、人間はペットにだってそうする。ただ安心させたかっただけだ。

 チモチは、ウケチャンが恐怖の感情をもう持っていないことがわかる。「こわがらなくていいよ」って言った。興味と同情、慈愛。傍に屈んでくれたにんげんの手がそっと伸びて、耳の後ろあたりをそうっと撫でた。あたたかい。にんげんの手って、あたたかいんだ。

 ケチャンはこの生物にどう接していいかわからなかったが、ひとまずそっと触れてみた。ごく短く柔らかい産毛が生えているようだ。肌もやわらかい。すべすべでふにふにだった。強く触れたら潰してしまいそうなもろさがある。赤ちゃんの腕を思い出す。
 そのまま撫でてみるが、反撃される様子もない。ゆっくりと、下半身の下に隠れていたあたまが出てくる。黒くてつやつやした小さな瞳が自分を見上げている。もう涙を流してはいないみたいだ。短い手で床を押して、犬みたいなかたちの鼻先を自分の顔にそうっとよせてくる。鼻先とはいったものの、犬のような鼻も口もついているようにはやはり見えない。
 得体は知れないが、襲ってくる様子もない。顔の傍に手のひらを差し出してみると、擦り寄ってくる。触り心地が良い。あまり温度を感じない。不思議な感覚。
 目の前のなにかは下半身で起き上がって、マンチカンのような短い前足を手に添えてくる。肉球はない。細かいざらざらがついていて、両手できゅっと掴まれると弱々しく吸い付いてくるように感じる。なんとも庇護欲が掻き立てられる。
こいつはいったいなんなのだろう、と思いながら撫でる。

 よかった。よかった。
 モチモチは安堵する。にんげんはもうこわがっていない。触れてくれるし、触れたら喜んでくれている。
 モチモチはにんげんによろこんでほしい。よちよちとウケチャンに歩み寄る。ウケチャンがもちもちを膝にのせてくれる。ウケチャンが喜んでいて、モチモチを愛でているのがわかる。うれしい。うれしい。自分が触れるとよろこんでくれるのだ!
 モチモチはウケチャンの太ももに手をついて、腕にも腹にも顔を摺り寄せた。

ッ」
 ウケチャンの鼻から高い声が抜けた。
 おずおずと寄ってきたこの無害そうで不思議な生き物が、バランスを取ろうと太ももの上で小さく足踏みをした。人から普段触れられることのない柔らかい内腿に、やわやわと体重が乗ったのだ。くすぐったい。
 やわらかなあたまが、すり、と胸元に擦り寄ってくる。優しく撫でてやる。
「っ」
 すり、と顔の向きを変えた時、胸の突起を生き物の鼻先がかすめた。くすぐったい。何故だかどこか恥ずかしい。ウケチャンはごまかすようにモチモチを抱き上げ、腕に抱えた。

 モチモチは、ウケチャンの腿に手をついたとき、ウケチャンから微弱な快楽の波を察知した。それはすぐに凪いでしまったが、そのあと胸に顔を寄せたとき、もう一度それがよぎった。ここに触れると気持ちがいいのだろうか? と手を伸ばす前に、ウケチャンにひょいと抱き上げられてしまう。
 モチモチはウケチャンの恥じらいを感じた。心拍数が上がっている。さっきより興奮しているのだ! やはり気持ちが良かったのだろう、とモチモチはウケチャンの胸を手でぺたぺたとさわる。突起を探り当てると、ウケチャンからはまたあの微弱な快感がさざ波のように押し寄せてくる。

ら、なに」
 突然胸をまさぐり出したいきものを咄嗟に持ち上げて、だめだよ、とゆらす。声こそ出なかったものの、予期しない刺激には驚いてしまう。
 顔の高さに持ち上げて揺らしてみると、どこか寂し気な顔をしているように見えてくる。
「いたずらしちゃだーめ」
 もう一度腕の中に抱え込んでよしよしと撫でる。この生き物が何なのかさっぱりわからないが、もうほだされてしまった自覚がある。この弱々しい生き物は、おれが見放したらきっと死んでしまう。そんな気がした。

 ケチャンから感じる感情がどれも暖かくて、モチモチはすっかり安心しきってしまった。しあわせで、こんな満たされた気持ちは思い出せる限り初めてで、ウケチャンの体温に包まれてうとうとと眠った。

 ケチャンは腕の中の生き物が目を閉じて動かなくなったので、不安になった。うそ。え? 死んじゃった?
 鼻も口も見当たらないこの生き物が、どこで呼吸しているのかわからない。
 ひとまずクッションにおろし、恐る恐る手をつついてみると、弱々しくきゅ、とウケチャンの指先を掴んだ。よかった、眠ってるだけみたいだ。
なんとなく握られた指を離してしまうのも可愛そうに思えて、しばらくそのまま不思議な生物を観察していた。

 ウケチャンはトイレに行くためにモチモチから離れて、ふと冷静になる。この子は何なんだろう。
 写真を撮ってみた。誰かに聞いてみようと思ったのだ。が。
「……は? うそ」
 写らない。そこにはただ少しくぼんだクッションがあるだけだ。
「は!?」
 しかしこの目で見れば、そこにはいるのだ。確かに。不思議ななにかが。
 動画を撮ってみる。写らない。自分の手は写る。しかしこの生き物は映らない。
「……吸血鬼の伝承みたいな………………」
 それとも、やっぱりおれ、おかしくなった?
 混乱してくる。

 チモチは、ふと不穏を感じて目を覚ました。
 見上げると、ウケチャンが不安と困惑を発しながら固まっていた。
 どうしたの。どうしたの。
 ウケチャンのそんな感情を取り除きたくて、モチモチは下半身で立ち上がってウケチャンに手を伸ばした。
 ウケチャンはまだ困惑をにじませながらも、そんなモチモチを抱え上げてくれる。

 べすべしていて、やわらかくて。腕の中の感触は確かで。ウケチャンの眉根を下げた顔に手を伸ばしてくる。まるで心配しているみたいに。ウケチャンはその手に顔を寄せた。いきものの額にウケチャンの額が触れる。すりすり、とすると、柔らかい肌がふわふわと心地いい。
「まぼろしなんかじゃ、なさそうなんだけどなあ」
「おまえ、おれが明日起きてもちゃんと居る? ……いなかったら、これ、夢ってことにしよう」

 り掛けるような独り言に、モチモチは、いるよ、ここにいるよ、とウケチャンにしがみついた。

 朝。
 さてその生き物はウケチャンの顔の横で丸くなって眠っていた。
「…………ゆめじゃなかった」
 イヤ、おれまだ寝ぼけてるのかも、と思いながらアラームを止めて、眠っているモチモチの頬を指の側面で撫ぜた。

 モチモチはウケチャンが出社しようというころに起きて、もたもたと尺取り虫のように床を這ってついて行こうとする。
 ウケチャンが「夜帰って来るからね。お留守番しててね」と言って去っていくのを見て、寂しく感じながらも、「帰って来るって言った」と良い子にお留守番する。
 部屋に戻ったら、モチモチの届く位置にお水とごはんが置いてあって、モチモチはうれしくなる。あの祠がなくたって、にんげんはぼくにお供えをくれるんだ。
 せっかくにんげんがくれたのだから、たべよう。と、顔に集中する。つんとした鼻先のすぐ下、犬や猫と同じところ。ここに、口を。表面が波打つようにうごめいて、やがてぽかりと穴が開いた。
 そこを水やごはんの器に突き入れて、すぽぽぽぽぽ、と吸い込む。吸い込み終えたら、またむにむにと表面が動く。そうしてもとのつるりとした形に戻した。早く帰ってこないかな。

 ってきたウケチャンはいくらか買い物も済ませていて、そのまま一緒に夕飯になる。
 ご飯とお水がなくなってるのを見て
「おまえ食べたんだな、よかった。あれでよかったのか?」
 と撫でながら話しかけてくる。晩飯も食う? と言ってウケチャンのごはんを分けてくれる。食えないものある? と。
 ウケチャンはモチモチの口がどこにあるのか見たくてじっとみている。

 チモチはウケチャンの興味を感じながら、昼間と同じように口を作ると、すぽぽぽ、とご飯を吸い込んで、また閉じる。と、それを見ていたウケチャンが
「どこいった? 口、どこ?」
 とモチモチの口元をさすりまくる。モチモチはウケチャンが触ってくれるのも興味を持ってくれるのもうれしくて、また口を作って見せる。
「すげー。意味わからん。おまえ何モノなの」
 と言いながら優しく撫でてくれる。ウケチャンがわくわくしているのがわかって嬉しいモチモチ。

 ケチャンが食後に雪見だいふくを食べながら、「これ、おまえみたい」と言って笑った。「ゆき。ゆきみ。……だいふく。ふくちゃん」ウケチャンはモチモチを見ながらブツブツとつぶやいて、
「おまえこれから、だいふくのふくちゃんね」
 と笑って、モチモチを撫でた。

 前? ぼくのなまえだ。だいふくだって。ふふふ。なまえ。なまえ。
 いつか呼ばれていたはずの名前なんてとうに忘れて消えてしまった。誰も覚えていやしない。無くなったものが、また与えられた。このにんげんはぼくにいろんなものをくれる。モチモチ――だいふくはどんどんウケチャンが好きになる。

 次の日。だいふくはウケチャンの仕事について行こうと鞄に入り込む。だめだよ、とウケチャンは言うが怒ってはいない。

 ケチャンはだいふくが逃げてしまったら寂しいなと考えて、ちょっと外に出したくないなと思っている。

 いふくはこの日もお留守番をした。
 玄関でウケチャンの帰りをずっと待っている。

 それから毎日、だいふくはウケチャンについて行こうとする。
 ウケチャンは毎日「だぁめ、お留守番」って言って、行ってきますと撫でてくれる。
 だから毎日だいふくは、玄関でウケチャンを待っている。

 ケチャンはだんだん、だいふくが気の毒になってきた。
 こいつ、俺がいないときどうしてるんだろう。ペットカメラ…………いや、だめだ写らないんだった。そもそも、俺以外にこの子は見えるんだろうか?
 考えてみると興味が強くなって、ある休みの日、ウケチャンはだいふくをリュックに入れて顔だけ覗かせ、前に抱えると散歩に出た。他の人にも見えるなら、みんなここを見るはずだ。あまり騒ぎになるようだったら逃げよう。と言い訳なんかを考えながら買い物に出たが、さっぱり誰一人ウケチャンの胸元を見やしない。だいふくはうれしそうにリュックから出した頭を揺らしている。

 いふくはうれしかった。久々に外に出られたのも、ウケチャンと一緒に外にいられるのも。そよそよと夏の名残の消えつつある風を浴びながら、ウケチャンのシャツに鼻先を摺り寄せるのだ。

 て、だいふくはどうやら他の人間には見えていないらしい。
 であれば会社に連れて行っても大丈夫なのではないか?
 そんな風に考えてしまうほど、ウケチャンはだいふくを大事にしていた。一人で残すのもかわいそうだし……とか、疲れたときにだいふくを揉めたら癒されるし…………とかいろいろ自分に言い訳をして、とうとう翌日、鞄に入っただいふくに言った。
「勝手に鞄から出ないこと。いい?」
 だいふくはウケチャンの手に擦り寄った。

 れしい! うれしい! にんげんと一緒に居られる!

はようございます」
「おはようございます。あ、古守(コモリ)さん、昨日の――」

 いふくは鞄の中でいい子にしていた。にんげんの名前はコモリと言うらしい。



そろそろいいっすか

エッチなやつ見たいっす、自分


 て。 だいふくが来てしばらく。古守は困ったことに気付く。自慰がしづらい。 いやべつにしなくたっていいっちゃいいのだが、しといたほうが都合がいい。体の調子的にも、多分。 しかしだいふくがいると思うとどうもしづらい。
 と、思っていたらまさかの夢精した。しかもだいふくがあのふわふわふにふにのからだで自分を愛撫する夢だった。ごはんを食べるあのふしぎな口でさえ、夢の中では淫靡に現れたのだ。
 うわあ、と頭を抱え、罪悪感の中パンツを洗う古守だった。

 てその深夜のだいふく。
 例の如くコモリの顔の近くで丸くなって眠っていたら、突然コモリから強い快感がどっと溢れた。
 びーっくりして起きてぱちくりしてたら、どうもコモリの脚の付け根に熱がこもっていたみたい。徐々に収まったんだけど、コモリは眠ってるのにすごく気持ちよさそうだった。クラクラする快感を浴びてしまって半ば酔い、ぱたりと眠るだいふく。伸びて眠ってたから、朝起きたコモリにびっくりされたし心配された。

 ょっと毎回夢精も嫌だし我慢するのも限度があるし……ということで、古守はだいふくが眠っている隙に済ませてしまおうとする。
 イヤホンしてそういう動画を見て、出して。すっきりして適当に後処理してそのままパタリと眠る。

 いふくはまたコモリの快楽にびっくりして起きる。今度はじわじわと積もっていくような快感で、それがさいごに爆発していく。いつか腿や胸を触った時のものとも少し違う質のもの。
 だいふくはコモリの後ろからそれを見ていた。コモリは自分で足の付け根の棒をこすっていた。気持ち良くなる時にはそこから白いどろっとしたものがでた。そうやるとコモリはきもちいんだ!  コモリはそのまま眠ってしまったから、だいふくはその日大人しく自分もふわふわと酔った心地で眠った。


ッシャアいくぞッ


 るとき。
 コモリはシゴトが上手くいかずに落ち込んでいた。
 帰るや否やだいふくを鞄から出し、その腹に顔をうずめて溜息を吐いた。だいふくは短い両手でコモリのあたまをぎゅっと抱き寄せた。
「明日休みなのに、休まらねー」
 とつぶやくコモリの不安や罪悪感、くやしさが伝わって、だいふくは苦しくなる。コモリ、わらって。だいじょうぶだよ。ね、ね。

 風呂上がりのコモリがぼーっとテレビを眺めながら、胡坐の間に収まるだいふくを撫でる。会社に居たときよりはましだが、それでもやっぱりコモリはまだ落ち込んでいる。
 だいふくはそっと、コモリの内腿を踏んだ。短い手で、そっと体重を乗せる。
「ん、こら」
 淡い淡い快楽がコモリに生まれたのを、だいふくはしっかりと感じ取った。少しずつ場所を変えながら、その快楽の灯が消えないように触れていく。
「だあめ、くすぐったい」
 コモリがだいふくを抱き上げて胸に寄せる。ここでもいい。ぼく、しってる。
 だいふくはコモリの胸の突起を鼻先で探った。すりすりと服の上から押し潰すように刺激する。こうすると、コモリは気持ちいいのだ。
「なあに、だめ、こら」
 コモリの手のひらがだいふくの鼻先を掬って、顔によせる。ダイフクは鼻先をコモリの鼻先にちょんと寄せる。きもちい? コモリ、きもちい?
手をコモリの胸に付くと、突起をかすめた。
「っん」
 だいふくはコモリの困惑を感じ取っていた。きもちいのに、困っている。だいじょうぶ、きもちくなって、コモリ。だいふくはコモリの身体の中心に熱が集まっているのに気付いていた。身をくねらせてコモリの手から抜けると、脚の付け根に手を置いた。ゆっくりゆっくり、みぎ、ひだり、みぎ、ひだり、と体重を乗せる。コモリが興奮しているのがわかる。恥じらいと、困惑と、興奮と、快感で、コモリは身動きが取れなくなっている。
「ふく、だめ。ふくちゃん。こら」
 だめ、と言う声に力がない。コモリはいつだって優しい声でそう言うけど、今のこれは甘い声だ。だめ、と言うくせに、引きはがそうとも逃げようともしない。きもちいんだ。コモリ、きもちくなって。
 だいふくはコモリの溢れさせる快感に一緒になって酔い始める。コモリはここ、どうしてたっけ。

 守は混乱していた。
 だいふくが急に、前戯のような刺激を与え始めた。
 じゃれているだけだと思ったのに、いつかの夢を思い出してしまって、あ、まずい、と思っているうちに硬くなっていた。だいふくがなにをしようとしているのか分からない。けれど確実に気持ちが良くて、古守はどんどん追い詰められていく。自分以外から刺激されることにそもそも慣れていないのだ。もどかしくて、でも気持ちよくて、だけどだいふくにそんな。
 だめ、こら、と言いながらも、腰が砕けてしまって、両腕はそれを支えるのに精いっぱいだ。
 うそだろ。どうしよ、気持ちいい。

 いふくは、短い手をコモリのズボンのウエストにかけると、ずりずりと体を使って下ろそうとする。
 けれどコモリは座っているから上手くいかなくて、「ふく、なにしてるの、こら」と言われながら、自分がそこに入ってしまう方が楽だと気付いた。
 もそもそと、下着とコモリの肌の間に短い手を差し込む。
「ふく、だめ! だいふくったら!」
 焦っているのと、興奮と、快楽と、期待と、罪悪感。いいんだよ、コモリ、きもちくなって?
 だいふくは両手でコモリの屹立を取り出すと、あの日のコモリを思い出して上下に動かし始めた。頬を摺り寄せながらそうするものだから、だいふくの頬が濡れていく。
「だめだってば、ふく、も、」
 だいふくの手の中が脈打つ。コモリの快楽に一緒に溺れてくらくらする。コモリ。コモリ。
 だいふくは夢中になって両腕を動かす。
「……っだ、め、ぃく、ッ」

 守はとうとう果てた。かくんと肘が折れて、上半身が後ろに倒れる。そのまま、は、は、と息をする。初めての快感だった。罪悪感と、徐々に引きずり出されるような性感と。心拍が落ち着くまでそうしてから、ハッとして起き上がる。見ればだいふくは短い手で顔をくるくるとぬぐっている。罪悪感が膨れ上がる。同時に困惑も。
「ふく、ごめ……なんでこんなこと」
 慌ててティッシュでだいふくを拭う。だいふくは古守に擦り寄って、とろんとその身を預けた。どくり、と古守の心臓がはねた。……いや、そんな、まさか。このだいふくを見て欲情するなんて、そんなわけ。
「ふく、お風呂はいろ。ごめんね、よごしちゃって、ごめん」

 いふくは困ってしまった。ちがうのだ。コモリを困らせたかったのではないのだ。罪悪感なんて抱かなくていいのに。ぼくがしたいからしたのに。コモリと一緒にきもちくなりたかっただけなのに。
コモリに優しく洗われながら、だいふくは思った。けれど、やってよかった。だって今のコモリは不安もくやしさも感じてない。シゴトで負った辛さは消えたのだ。
 濡れた手でぺた、とコモリの手に触れると、すこしだけコモリの心拍数が上がる。ちょっと緊張していて、だけど不快は伝わってこない。コモリ。罪悪感なんて感じないで。コモリ。またいっしょにきもちくなろうね。
 ぺたり。コモリの腕に顔を預ける。
「かわいいなあ、もう」
 コモリが喜んでそう言う。だいふくは嬉しくなってほおずりした。


拍手。拍手ですねこれは。ありがとう……………。



ちゅーしろ


 ラマか映画見てて。キスシーンに、コモリが若干の羨望を抱く。

 れに気づいただいふく。『口』『舌』『くっつける』を学んで、今度は口の中に舌もつくってコモリにキスしにいく。
 びっくりしてコモリはバッと離れるんだけど、不快じゃなくて驚きなのね。不快は出ない。だからだいふくはもう一回しに行く。
 そしたら今度は罪悪感のせいでコモリに拒絶されるの。
 だいふくはかなしくなって、さみしくなって、とうとうぽろぽろ泣いてしまう。コモリ。コモリ。ぼくが人じゃないからだめなの。コモリ。ぼく、コモリにきもちくなってほしいのに。
 泣いて、エネルギーをつかってしまったものだから、口も舌もしおしおとまた消えて、元の省エネスタイルになっちゃう。
 ぽろぽろ泣いて、コモリから離れて、部屋の隅で丸くなる。ごめんね、コモリ。ぼく、ぼく、ひとじゃなくてごめんね。でもぼく、コモリときもちくなりたかったんだ。

 守はもう大焦り。
 いや、なんで。イヤ思ったよ、キスなんてずっとしてないなって思った。思ったし、あろうことかだいふくのことすら過った。だからこそ酷く焦ったのだ。見透かされたのではと。だいふくに劣情を抱いていることがばれたんじゃないかと。
 二度。咄嗟に顔をそむけてしまった。こら、と言おうとして、さっきまで胸元に居ただいふくが、ぽて、と床に落ちているのに気付いた。どうしたのかと思ったら、ぽたぽたと泣き出すではないか。大大焦りである。違う。泣かすつもりなんて。待って。なんで泣いてる。違う。嫌だったんじゃない。慌てている間に、だいふくはよちよちと古守から離れていく。涙の痕を下半身が伸ばしていく。いや、ちが、そんなつもりじゃなくて、ただびっくりして、だって。
 部屋の隅で丸くなっただいふくを見て、胸がぎゅうと締め付けられる。また泣かせた。初日を思い出す。あの時もたしか、だいふくに驚いて、そしたら、泣かせてしまったのだ。
「ふーく。ふくちゃん。ふく」
 静かに声を掛けながら、四つん這いで寄っていく。だいふくは下半身の下に頭を突っ込んで、短い腕で耳を塞ぐように頭を抱えて。小さく小さくなって、床に水たまりを作っている。
「ふくちゃん。ごめん。びっくりしただけなの。ごめんね。泣かないで、ふく。ごめん」
 背中を撫でる。
「ね、仲直りしよ。おいで」
そのまま短い腕の下を掬って、だいふくを抱き上げる。 小さな瞳から、ぽた、と涙が落ちた。
「ごめんね。やだったんじゃないんだよ」
 もうなくなってしまっただいふくの口のあたりに、ちゅ、とくちづける。
 だいふくとこういう接触をするのは、だいふくを穢してしまうみたいで罪悪感があった。自分の快楽に付き合わせるようで。だけど、こんな風にこの子を悲しませるくらいなら、そんな罪悪感なんて捨ててやる。
「泣かないで。だいすきだよ」
ちゅ、ちゅ、と繰り返してから、ぎゅ、と抱きしめる。
「ふくだってちゅーしたかったんだもんね」

 モリがだいふくに対して申し訳なく感じているのも、焦っているのも伝わっていた。だから、コモリはぼくのことを大切に思ってるってわかった。わかったからこそ、涙は止まらなかった。だってたいせつにおもってても、ぼくじゃだめなんだ。ひとじゃ、ないから。そう思ったらやっぱり悲しくって、呼ばれても顔を上げられなかった。
 でも、抱き上げてくれたコモリから伝わってきたのはあんまりにも深い愛情で。今度はだいふくが驚かされる番だった。さっき口があったところ。ぼくが、きすしようとしたところ。そこに、コモリがキスしてくれた。何回も。大事だよっていっぱい伝わってくる。それに。だいすきだよっていった。言った。
 コモリに抱きしめられて、すっかり涙の止んだ目をぱちくりさせてしまう。悔やんでるきもちと、深い愛情が、だいふくを抱きしめていた。

 ばらくそのままだいふくを撫でて、ごめんね、と繰り返した。
 そっと持ち上げて「泣き止んだ?」と顔を見れば、潤んだ瞳から涙はこぼれなかった。
 だいふくの短い手がそっと古守の頬に伸びてくる。額を合わせる。
「キスしてくれる?」
 言うと、だいふくの口元がもにもにと波打った。そうして唇のない口が、そっと古守の唇に触れた。

「キスしてくれる?」って、コモリが言った。
 期待と、愛情。コモリの口にだいふくが口をあてると、数秒してそっと離れた。
 それから、今度はコモリがだいふくにキスをした。
 だいふくが穴のような口を横に潰して戸惑っていると、コモリは口の上側を吸ったり、下側を唇で食んだりしてくる。コモリが幸せをいっぱい感じているのがわかって、だいふくもふわふわと気持ち良くなる。ぺろ、とコモリの舌がだいふくの口の下側をなめた。あ、舌。
 だいふくが口からキスのためにつくったちいさな舌を出すと、コモリがすぐにそこへ舌を絡めた。やわらかくて、あつくて、とろけていく。コモリの舌の動きを真似すると、コモリが興奮するのが伝わってきた。食んで、絡めて、吸われて。コモリの口の中に舌を入れてみたら、コモリの興奮の熱が高まった。口の中をあちこちなめてみる。小さい舌だと届かない。すこし長く作り変えて、上あごをくすぐってみる。コモリの鼻から、ん、と甘い声がした。コモリのこの声が好きだ。きもちよくとろけたときの声。
 気付けばコモリはフローリングにあおむけになっていて、だいふくは張り付くようにコモリの咥内を求めていた。
 しばらくそうしたあと、コモリが顎を引いたのを合図に、だいふくはそっと口を離した。
 コモリはとろけた瞳をして、だいふくをだきしめると、その頬にちゅ、とキスをした。

 ういいや、と古守は思った。
 だいふくがそうしたくって、おれもそうしたいんだから、それでいいや。
 そう思ったら、今まで罪悪感で押し込んでいたものが押し寄せてしまった。可愛い。愛おしい。愛してる。触れたいし、触れてほしい。――どこまでも。
「ふく?」
 だいふくの耳の間に顔をうずめて、そこにもキスを落とす。
「ずっとそばにいてね」

 モリが。ずっとそばにいてねって言った。
 ずっと? ずっと、いっしょにいてくれるの?
 深い愛情と、ほんの少し滲む不安がコモリから溢れていた。
 コモリの首に鼻先を擦り寄らせる。あむ、と首すじを食む。
「んふふ、くすぐったい」
 そう言ってじゃれ合って、布団にもぐって、またキスをして、眠った。


RYOUOMOI~~~~~~~~~!!!!!!!!!スタンディングオベーション


MOTTO 殴り書き

ここからはもっと殴り書きだ~!頭の中にあるものをとにかく出力しただけ!妄言楽しい!妄想楽しい!脳内は自由だ!どんな性癖だって!脳みそがあればこんなに繰り広げられる!ヤッター!R-18だぞ(今更)


このあともう完全にお互い遠慮なくイチャラブ生活になってくわけ
だいふくのこの姿って省エネ故だったんだけどもう古守のラブパワーでエネたまってるから触手生やして古守のちんちんいじるし、ちくびも開発するし、なんかの拍子に(古守に淫乱になってもらうのもあり)あなる開発してめちゃくちゃ全身愛撫絶頂させてふたりでふわふわになるから

古守がセてるときに「ふく、だぃふく、きすして」ってアって口あけるのめちゃくちゃ見たいだろ……………ちなみにだいふく、口内って濡れてるんだ! ってのは初めてキスしたときに知ったから、その後唾液もどきを出してとろとろキッスするようになる。そっちの方がコモリがきもちくなるから。コモリがきもちいのがだいふくもきもちんだよね………。
あと古守はだいふくが祠に祀られてた子って知らないからさ、普通に休みの時の散歩コースに祠参拝が入ってて、いまでもだいふくと一緒に行ってるんだよね。いつか気付くのかな。。

古守「かみさまかみさま。うちにね、可愛いのがいるんです。神さまなら見えるかな。ほら。だいふくっていうんですけど。ここにお参りして、帰ったらいたんです。もしかして神さまのおかげで出会えたのかな、なんて思って。ありがとうございます」

だいふくはこのとき、からだにエネルギーが満ちてくのを感じる。コモリのだいふくへの感情以上に、にんげんが神さまを信じる心がだいふくを確固たる存在たらしめる。この祠の主はだいふくで、だいふくはこの人間にとっての神さまなのだ。この人間だけの。コモリだけの神さまだ。

で、帰ったらめちゃめちゃトぶようなセッする

コモリ、なんだか成績が良くなったり、外に出るタイミングで雨が止んだり、オマケのくじが当たったり、と参拝を重ねるほど良いことにまみれて欲しい。それでコモリはお参りの度にお礼するし、だいふくはその度に力が満ちる。なんたってだいふくは、大きな福と書くのだ。

すっかりお互いが生活になじむ。だいふくはコモリのことにひどく敏感なので、コモリがちょっと溜まってくると窺って触れてくる。コモリ、きもちいの、する?ってしてくる。するよ。

で、古守はあるときだいふくにトロトロにされたあと、気付く。「以前見ていたソウイウ動画、自分は女性側の目線で見ていたのではないか」と。
でこれを自覚しちゃったあとにだいふくとすると、なんかもう納得しかできないというか、だって気持ちいいもんこれ、と思う。で、女性側か、そうだったのか、と腑に落ちると同時に後ろへの興味が湧いちゃうわけ。男でもここ気持ちいいって聞くんだけど………………。ってちょっとずつ風呂場とかのだいふくのいない場所で触ったりするようになるんだよね。まあ近くにいるからさ、だいふくは「コモリ、きもちいのしてる」ってわかってるんだけど。
そんな風にしてもなかなか自分だと上手くいかなくて。やっぱ気持ちいいことしてるときに一緒にやんないと気持ちよさの回路がつながらないのかなー、と思って、だいふくにされてるときにふと後ろ弄ってみる。だいふくびっくり。え!? そこもさわっていいの!? ってなる。だいふくの手の付け根あたりがもにもに波打って、細長い触手が出来る。コモリの親指くらいの太さ。ローションでとろとろのそこに、だいふくの触手がぴた、と触れる。コモリの驚きと期待が伝わってくる。コモリの指が抜ける。代わりにぐ、と尻たぶを開いて「して」って潤んだ瞳をして言うコモリ。だいふくは求められてるのがうれしくって、コモリが興奮してるのがうれしくって、うにうにと中に進んでいく。コモリの中、あつい。
「ん、ふ、」
コモリ、どこがきもちい? と触手をあちこち動かしているうちに、コモリが高まってくのがわかる。
古守はそもそもだいふくが入ってるってことにめちゃくちゃ興奮しちゃってて、どこが気持ちいいっていうかもうおまえが触れるところ全部気持ちいいよってなってて、ちょっと声我慢してる。
そのうちにコモリの反応が良くなる場所を見つけただいふくがそこをすりすりして、コモリの腰がびくびくする。あ、コモリがきもちいときの動きだ。前を弄るときとはまた少し違う、けど大きな快感がわかる。コモリがちょっとだけ怖がってるのも、とっても期待して興奮しているのも。
だいじょうぶ。コモリ。きもちくなって。
「は、は、んぅ」と息を詰めるコモリにキスをする。食い縛っていた口を開かされて、古守は甘い声を洩らしてしまう。
「ふ、ぅ。んん~~……ッ、ぁう、んッ、アっ」
コモリがきもちいときの声。きもちくなって。
だいふくは一緒になって酔いながらたくさん生やした触手でコモリの前も後ろも、胸も舌も刺激する。
「ふあ、ン、あぅ。ァ、あぁァぁ~~ッ、ぁ、も、っく」
高くて甘い声でコモリがないている。どんどん快感が高まって、はじけた。
だいふくもそれに中てられて、くらくらふわふわしながら、コモリの身体を優しくなぞる。コモリがいつもしてくれるみたいに。触手でコモリの頭を撫で、背中を包み込んでさすり、太ももをなぞる。コモリが多幸感に満ちているのが分かってしあわせになる。
ちゅ、とコモリからキスされて、
「こ、れ、やばい……」
と喜んでいるのが伝わってくる。コモリはそのまま瞼を閉じて眠ってしまったので、だいふくは触手を伸ばして後処理をし、コモリを包み込んだまま眠った。

やば、寝落ちた。と思って目覚めると、だいふくに抱きしめられていた。あちこちきれいになっている。だいふくがしてくれたのだろう。愛おしい。だいふくの顔にキスしまくっていると、目を覚ました。表面が波打って口が出来、ふにふにと返してくれる。
やがてだいふくの触手は体の中にしまわれていき、下半身はすっかり元のいもむしのようなつちのこのようななめくじのような姿に戻った。そうして古守の膝に乗りたがるのだ。ああもう、かわいい。かわいくてどうにかなってしまう。

古守はそのうち完全にナカをだいふくに開発されて、中だけでいくようになるし、もっかいして、とか連続をおねだりするようになる。二回目とか三回目とか、コモリももうとろっとろになっててどこもかしこも感じまくる。し、コモリの理性もとんでいくので、おねだりがもうめっちゃえっtttっちになってく。もっとして、とかそことんとんして、とか、ぐちゃぐちゃにして、とか、ぬいちゃやだ、もっと、とか。古守は無理やりされたっていいと思っちゃうくらいなのだが、だいふくはいつだってコモリの反応をみながら動くし、コモリの言葉をちゃんときいているのだ。だから結局とろとろあまあまえっちなのだ、、、、、、、、、、、、、、、
ちなみに古守はだいふくの手で胸いじられるとめっちゃ興奮する。このやわやわして愛おしいおててが、自分の乳首いじってるっていう倒錯感にやられちゃって視覚から感じてしまう。
コモリが喜ぶのに気づいただいふくがおててでふにふにしたり、舌でぺろぺろしたり、お口で吸ったりしてたら、コモリめちゃくちゃ感じちゃうようになる。腰がはねるし声も出る。こんなんじゃなかったのに……!と思いながらも全然ヤじゃなくて、むしろだいふくに触れられるのが嬉しくってたまらないのだ…………。


一旦以上です。あざした……………。
初めましてのnoteがこれってなんなんだ。


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