それでも笑顔で話してる
今年で介護施設に勤めて8年になるのですが、
以前から不思議に思っていたことがあります。
認知症の人同士の会話(主に女性)で、お互い全く別のことを話しているのに、笑顔で和気あいあいとした雰囲気が見えることです。
良く聞いていると、同じ事を何回も繰り返しているし、
相手の話など、はなから聞いちゃいないふう。
まあ、理解できない部分はあるでしょうが。
あくまで自分の世界を押し出していく感じです。
先日も耳の遠い女性(認知症あり)が、やはり耳のあまり良くない女性に向かって、自分を棚に上げて「このつんぼ!」などと暴言を吐く場面がありました。
つん〇などという差別用語は、介護施設で始めて聞きました。
そばにいた介護職員は私を含め、「あなたには言われたくないわ」との感想。
でも言われた女性はニコニコしたままで、そのまま二人の会話は何事もなかったかのように続いていきました。
何が言いたいかというと、吃音者に当てはめた場合
「このどもり!」と言われたら、もちろん傷つきます。
でも、どもりの自分の世界を押し出しても良かったのではないか?と。
別に無理して話そうとかいうことではありません。
他人の顔色をうかがって、スムーズに話せる人にこちらが必ず合わせなければいけない、といった強迫観念から自由になろうということです。
相手のことを完全に理解するなど、まず不可能。
でも、わからないなりに笑顔で会話をすることは可能だということを、いつもニコニコしている認知症の利用者さんから学ばせてもらった感じです。
突拍子もない行動をするから要観察なんですが、なぜか心があったかくなるんですよね。