7年後で待ってる 考察

switchで購入できる「7年後で待ってる」をプレイしたので気になった点をまとめる。なおあくまで個人の考察なので、これが正しいみたいなものは特に無いです。

## タイムリープ

本作の大部分を占める概念の一つとして登場する。タイムマシンのようにその次元に同じ人間が二人いるということは無く、一人の人間に未来の自分の記憶を送信するというもの。なので、連続でタイムリープを行うと脳が複数の記憶を受け取りショートしてしまうという設定もある。だから連続でのタイムリープはできない。なおかつ、タイムリープは事前に薬を飲んでおかないと脳の回路にタイムリープのための受け皿ができないため、記憶を送信できない。そのためなんでもかんでもタイムリープができるという訳ではない。

本作ではハルトが7年前に一回、アオイが1万7711回、脳に記憶を送信している。作中ではアオイも連続ではタイムリープしていないが、脳へ少しずつ大量の記憶が流れ込んでくることになり脳の疲れによる身体の処理能力の低下などの症状が出ていた。なので、タイムリープをし続けることによる弊害みたいなものも少なからずあるということである。さすがに1万回はやばいか。

タイムリープは別の人間の脳に記憶を送信することもでき、パイプが繋った状態のようなで、二人分の記憶を得ることができる。これが共鳴であると本編中では言っている。ハルトとアオイが手を繋いだ際にアオイの記憶がハルトに流れ込み、ハルトが体験していないできごとをハルトは記憶として保持できる。

## 菊水、一木の父親

本作品のタイムリープの研究者として登場する菊水、一木の父親。菊水はタイムリープの実験をすることは下々の者達がやることだと主張しており、一木は自身も救いたい人間がいるため、陰で自身も実験に参加していたりする。そこで救おうとしたのがハルトの母親であるユウコであり、ユウコを救うことでユウコの姉が亡くなったことでタイムリープが不完全であることを悟る。

そしてLMDという病気も生み出してしまったことにより、一木はタイムリープの関係者もろとも葬り去る計画を実行した。これによって、誰もタイムリープについては知らない世界になった訳だが、一木(息子)がそれを思い出してしまい、世界に一人だけタイムリープの実現ができる人間になってしまった。一木が息子の記憶を操作したのは息子には何も罪が無いから生かしておきたかったのだと思う。いざとなったときに共鳴を息子にしてもらいたかったのかもしれない。結果的に生かしたことによって息子が行ったわけではないが、共鳴ができたのでそれはそれで一木父グッジョブなのだろう。

## LMD

タイムリープ被験者が感染する病気で、子供にも同じ病気が遺伝してしまうやっかいな病気である。LMD患者が西方病院に集められているのはタイムリープ実験を行っている場所だからなのだろう。そしてアオイやホノカ、カンナの親はおそらくタイムリープ実験の被験者だったのかもしれない。どれほど多くの被験者がいたかは作中では語られてはいないが、おそらく少なくはなかったのだろうと思う。

LMDの治療法が長年発見されなかったのは、おそらくタイムリープの研究を最優先にしていて、LMDが発症しても肺が悪くなるだけで即座に影響がでないため後回しにしたのかなと思った。一木は直せる病気と言っており、タイムリープの研究を優先しなかったらアオイやカンナなどが助かる未来もあったのかもしれない。

## 共鳴

タイムリープを実際に体験したもの同士が共鳴し、記憶のパイプを繋ぐ行為。パイプは自分の記憶、他者の記憶、どこでも繋ぐことができる。なのでカケルに記憶を与えたり(あれはもう操っていた)、一木父がタイムリープの実験を着手?する日付に記憶を送信したりすることができる。物語としては記憶を受け取った一木父がどういう対応をしたかなどは語られていないが、タイムリープの研究はされておらずアオイ、ホノカ、カンナなどはLMDにかからず元気に生きることができた。アヤトなどは心臓が昔から弱いもののドナーを待つことで病気を完治できたのだと思われる。

## 共鳴後の世界

7年周期で咲く「アキツナデシコ」はこの世界でも存在しており、タイムリープに利用できるという事実を知っている人は誰もいないという世界になっている。性格には一木父などは記憶を受信し、知ってはいるが元々抹消したいと願っていた人間なので、墓まで持っていくのだろう。

そして西方病院には元々いたアオイ、ホノカ、カンナなどは健在で、これ自体は学校なども一緒で仲良くなるべくして仲良くなったんだと思う。ここで気になるのが共鳴したアオイの記憶は残っているのかということ。おそらく最後のシーンで7年周期でハルトのことを待っていることから覚えているのではないかと思われる。1万回の記憶も覚えていることになるが...。ここは共鳴時に何かしら作用が起こったのかもしれない。

ハルト自身は存在自体が別の人間になったこともあり、覚えてはいない様子だったが、一木父が残したであろう記録により、アオイとの約束を潜在的に覚えていたのかもしれない。この世界でのハルトの父親が以前の世界と同じなのかどうかは不明であるが、おそらく母親は同じなのだろう。おじさんの手紙と言っていたことから。

## 終わりに

サクっと終わるストーリーなのだと思っていたがチャプター数が物凄く多くエピローグもボリュームたっぷりで1500円以上楽しませてもらった。正直エピローグが核心に迫るもので、これを無くしてこの作品は語れないのだろうなと思った。ハッピーエンドで良かった(しみじみ)


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