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渋谷事変にリアリティを感じた理由【呪術廻戦】

呪術廻戦についてかなり記事は書いてきたが、アニメ2期を見終わってから書くのは初めてだ。戦闘描写があまりにも細かくアニメーターの心配をしてしまった。

この渋谷事変、漫画では絵がそこまでではないので何も感じなかったがアニメの演出によって輪郭が生まれていた。

我々が知っている渋谷で今まさに起きているかのように感じさせる。

渋谷の路地や地下を歩いたことある人なら、よりリアリティ感じたと思う。

対比となる五条過去編

渋谷事変単体なら、残酷な話だなといった評価で終わってもおかしくない。それが五条過去編を先に描くことで絶望が増した。

我々が知ってる五条がどうやって最強になったのか、なる前の青春感、夏油の青臭さが強く出ていた。

したがって夏油が歪んでいくのもより苦しく見えたし、五条がより聡い後輩を育てることに向かった点も意味を増していく。

実際に彼が育てた後輩たちのお陰で、渋谷事変はかなり一般の被害を抑えることができた。宿儺が暴れるまでは。

崩壊するリアルな渋谷

僕らがよく知ってる渋谷の中心は宿儺によって焼け野原に変えられる。

そこにいたるまでも見たことある交差点や路地で呪霊に殺さられていく一般人、地下の見たことあるトイレで戦い破損していく街。

知ってる街並みが瓦礫に変えられていき、最後は焼け野原になるのは心が痛んだ。

それも主人公がやったことというのが、この物語のミソである。敵ではない。1番の害悪は主人公なのだ。

正しい死のため呪術師を目指した虎杖も、戦う意味や死んでいって仲間たちの死に様を受け入れられない。

真人が言うように、死に理由はなくただ戦い殺す。その戦争をしていることに虎杖は気づいた。死んだ仲間への評価は全てが終わった後にされる。

そしてそんな害悪な主人公のために、仲間は呪いを残していく。頼んだと。

渋谷は見せしめで、適応できないものを排除するゲームへ

渋谷事変のラストでは、偽夏油が放った1000万もの呪霊が渋谷から東京全土に向かっていく。数時間で東京は壊滅していく。

アニオリでその間の一般人の生活が映し出されていく。関係ないと思う人、上がいないことでパニックになる人、陰謀論を掲げる人。

それら全てを呑み込んでいく。

ここから物語は、死滅回游へと向かう。正直言って後半までは面白くない。

既存の術師のほかに、マーキング済みの2種類の非術師を「無為転変」で覚醒させ、このゲームに参加させてしまう。

これ、アニメを踏まえてみると適者生存のゲームと分かった。

呪物を取り込んだ人とや、術式は持っていたけど術師の脳ではなかったものを開花させて残ったものだけで生きていこうと。

適応できたものだけが生かされて、できないものは排除されていく。

実社会と同じに見えた。正しい死を求めた主人公は、自分が奪った命や救えなかった命の意味も分からないままに苦しむことを選んだ。

希望を一切感じないが、呪いの中心として自覚しながら生きることを勧めるのは今っぽい。

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