ドッペルゲンガーは救われなかった自分【映画アス】
ドッペルゲンガー
このドッペルゲンガーを扱ったのが映画アスである。
あらすじ
幼いアデレードは遊園地のミラーハウスで自分そっくりのドッペルゲンガーと遭遇する。
彼女は失語症になるが、大人になる頃には幸せな生活を送れていた。
夏休みに家族で旅行に出かける。その行き先は子どもの頃のトラウマであるビーチ。
ある夜、彼らそっくりの一家が家に現れて彼らを襲い出す。
なんとかドッペルゲンガーを撃退する一家だが、友人もすり替わっていてメキシコ方向に逃げ出すことに。
実はドッペルゲンガーは、クローン人間で魂だけが同化した存在だった。
アデレードのクローンは本体を殺してすり替わる反乱を起こしたのだ。
ドッペルゲンガーを殺して逃げる一家だが、アデレードの本体はドッペルゲンガー側であり、少女の頃から成り代わっていたことが判明する。
妙な笑い方をする母を怪しく思う中、世界ではクローンが勝利してみなが手を繋いでいた。
我々は「アメリカ人」の意味
アデレードのドッペルゲンガーに「何者か?」と質問した際に、彼女はアメリカ人と答えた。
これは出自が違うだけで生活が異なってしまう、階級差別を描いたと言われている。
魂は繋がっているのに地下に閉じ込められるドッペルゲンガーと、自由に生きている上の人間。
それを羨む人が取って代わろうとした想いを描く。
USとは私たちという意味があれば、ユナイテッドステイツの意味もあるのだろう。
実は最初から分かっていたレッドの正体
アデレードのドッペルゲンガーであるレッドは、唯一言葉を話した。
彼女だけ目的を持っていて、他のメンバーは彼女の指示に従っているだけである。
言葉がかすれているのは子どもの頃から人と喋ってない証拠、本体が失語症なのは入れ替わったタイミングだから。
また、手錠で繋がれてから反抗する中でアデレードはやたらと暴力的になる。
子どもたちや友人のドッペルゲンガーでも容赦なく殺していく。
それは自分の正体がバレそうなことと、本体が戻ってくるのを恐れたからだろう。
結果的にドッペルゲンガーは自然に上の世界で生きてきたし、地下の仲間も連れてくることができた。
救われなかった人格たちが生き直す世界はどうなっていくのか気になる。
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