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Vol.029 水素

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.029
2020/3/20配信 (2020/8/28まで限定公開)


 このノートは、毎週金曜日にLINEのOpenChatのサービスを使って配信する予防医療ノートです。
予防医療に関するトピックス、ニュース、論文、動画などをお届けします。
 これからの日本の未来は、「自分の健康は自分で守る」時代に突入しました。
 自分の健康を守るための、知識や技術、アイデアなどを提供していきます。


目次


①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④今週の名言

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①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。

テーマ「水素」


 水素は、抗酸化物質の中でも、強い還元力を持つ物質です。
 血管の内皮細胞が悪玉活性酸素に攻撃されると、動脈硬化やがんなどの危険性が高まりますが、そこに水素を送ると、活性酸素が水素と反応して水に変わり、尿として排出されます。
 そのため、水素は多くの疾患や疲労、酸化ストレスの軽減、アンチエイジングに高い効果が期待されています。
 紫外線などの酸化ストレスを浴びて非常に疲れている場合、水素点滴を処方するだけでも、体調が回復する結果が出ています。
 また、研究原子炉など、放射線に被爆しやすい仕事に就いている方には、水素のサプリメントを処方することで、内部被爆が軽減されます。
 肺気腫や間質性肺炎の患者にも、水素のサプリメントは有効です。息切れしにくくなり、QOLが上がる、との結果が出ています。水素により、血中酸素が上がるためです。
 さらに、水素は、心肺停止後の患者にも有効です。水素吸入療法も選択肢の一つとなっており、水素ガスの吸入により、心肺停止後の脳の損傷を防ぐ効果があります。
 時差ボケにも水素は有効です。時差ボケの症状は、血中酸素の低下で出るので、水素のサプリメントで血中酸素を上げ、意識をしっかり保つことができます。
 
 このように、水素は様々な疾患や症状に対して有効であることがわかります。

 水素のサプリメントの選び方は、水素濃度が表示されているものが良いとされています。
少なくとも水素飽和濃度が0.8 ~1 ppmで7~8時間以上持続するというものが効果的です。

 今日は、水素と身体の反応についてまとめてみました。
 特に、放射能の被曝に対して有効のようです。
 太平洋側の魚を食べる住民や、放射線の被曝が強い職業の人は、水素を摂取することも選択肢の一つと考えます。

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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 


~ 転載↓ ~


 コロナ禍で危惧される高齢者のフレイル


日本老年医学会が「生活不活発」に注意を呼び掛ける

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する中、感染予防のため外出を控える動きが社会に広がっている。
 このような中、日本老年医学会は3月13日、高齢者の「動かないこと(生活不活発)」への注意を呼び掛けるポスターを公式サイトに掲出した。
 「生活不活発」のためにフレイルが進むことに警鐘を鳴らしている。


 フレイル予防は感染症対策としても重要


 高齢者がCOVID-19に罹患すると、重症化しやすいと指摘されている。日本老年医学会もポスターの中で、手洗いを中心とする感染予防を心掛けることを呼びかけている。


 一方、感染を恐れるあまり、高齢者が外出を控え過ぎることも問題だという。
 家に閉じこもって動かない「生活不活発」とも呼ぶべき状態が続くと、身体や頭の動きが低下して、疲れやすくなり、フレイルが進む。
 フレイルが進むと、体の回復力や抵抗力が低下し、インフルエンザなどが重症化しやすくなるとして、感染症対策の観点からフレイル予防の重要性を強調している。


 自宅でスクワット、散歩、電話を活用して会話を増やす


 いつまで続くのか先の見えない自粛生活の中でのフレイル予防策として、同学会は次のような提案を行っている。


① 動かない時間を減らす

・テレビのコマーシャル中に足踏み

・ラジオ体操、スクワットなど自宅でもできる運動を行う

・天気がよければ散歩をする(人混みは避ける)

② しっかりバランスよく食べる

③ 口の健康を保つ

・毎食後、寝る前に歯を磨く(感染症の予防としても有効)

・口周りの筋肉を保つため、しっかりかんで食べる。電話を活用して会話を増やすようにする。鼻歌や早口言葉もよい

④ 家族や友人との支え合いを大切にする


 
 
~ 転載終わり ~
 

出典 Medical Tribune

https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0313524652/

・感想

 新型コロナウイルスを防ぐために外出を控えるようになると、新たな疾患や症状が出現することも考えられます。
 フレイルはその一つです。高齢者が外出しなくなることで全身の筋力低下が進むことが懸念されています。
 フレイルの対策として、以上のような対策がありますが、それと同時にメンタルのケアも重要になってくると考えます。
 身体と心はリンクするので、身体が不活発になると、心も不活発になると考えるためです。
 それは、高齢者だけに限らず、若年者にも影響があると考えます。
 その影響で、うつ病の患者数の増加や自殺率の増加が増えるように思えます。それは、経済の停滞によって拍車がかかるように思うのです。

 若年者も高齢者も、外に出て歩いたり走ったり運動したりすることで、身体も心も動かすことが、今一番大切なことのように思います。


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③予防医療論文


 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~


 間葉系前駆細胞の“老化”は骨格筋の再生を促す!
 細胞老化を味方にする新しい治療戦略への期待

ポイント

エクササイズ(運動)がなぜ,筋の再生を促す場合と炎症を悪化させる場合があるかを解明。

エクササイズによって間葉系前駆細胞が「細胞老化」を起こして筋の再生を促すことを新たに発見。

骨格筋の慢性炎症に「細胞老化の誘導」が有効な可能性,筋疾患の効果的な治療法の発展に期待。


概要


 札幌医科大学医学部解剖学第二講座の齋藤悠城助教(筆頭著者)と藤宮峯子教授, 北海道大学大学院保健科学研究院の千見寺貴子准教授(プロジェクトリーダー, 責任著者)らの研究グループは,正常マウスに対してエクササイズを行うと,骨格筋の間葉系前駆細胞(Fibro-adipogenic progenitor;FAP)が細胞老化をおこし,筋の再生が促されることを明らかにしました。
 一方で,骨格筋に慢性炎症をおこしたマウスでは FAP の老化が不十分で,エクササイズによってむしろ骨格筋の線維化病態を悪化させることがわかりました。

 そこで,骨格筋に慢性炎症をおこしたマウスに対して,エクササイズと AMP-activated-proteinkinase(AMPK)を活性化する薬物治療を組み合わせて治療すると,不十分であった FAP の細胞老化が誘導されて,筋の再生を促すことが明らかになりました。
 これらの成果は,エクササイズがなぜ,筋再生を促す場合と線維化や炎症を悪化させる場合があるかという,骨格筋の再生と変性の謎に対する新たなメカニズムの解明であると同時に,慢性炎症を起こした筋疾患に対する効果的な治療法として発展が期待できます。

 なお,本研究成果は,2020 年 2 月 14 日(金)公開の Nature Communications 誌にオンライン掲載されました。


 
~ 転載終わり ~

出典 札幌医科大学

https://web.sapmed.ac.jp/jp/news/press/jmjbbn000000ovj9.html

・感想

 筋力をつけるためには、細胞の老化と筋の再生が重要であることがわかりました。
 また、炎症によって細胞の老化が起こらずに筋が再生しないことで、筋の繊維化病態が悪化することもわかりました。
 
 やはり、筋肉も新陳代謝が重要です。古いものを捨てることで、新しいものが手に入る、ということを、この論文は教えてくれます。
 
 
 
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④予防医療動画


 動画はしばらく休止させていただきます。

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⑤今週の名言


『人間は進歩するためには、

まず最初の一歩を踏み出すことである。

躊躇して

立ち止まっていては駄目である。

なぜなら、

そこにどんな障害があろうと、

足を踏み込んで

はじめて知れるからだ。』

(本田宗一郎 HONDA 創業者)


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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

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