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Vol.007 マイコトキシン

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.007
2019/10/11配信 (2020/8/28まで限定公開)


このノートは、毎週金曜日にLINEのOpenChatで配信する予防医療ノートです。
予防医療に関するトピックス、ニュース、論文、動画などをお届けします。
これからの日本の未来は、「自分の健康は自分で守る」時代に突入しました。
自分の健康を守るための、知識や技術、アイデアなどを提供していきます。


目次


①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④予防医療動画
⑤今週の名言

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①今週のテーマ


予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。

テーマ「マイコトキシン」


 食物に含まれるカビが吐き出す毒を、「マイコトキシン」または「かび毒」といいます。
 マイコトキシンは熱に強く、一度毒を放出されるとなかなか取り除けません。
 主に、トウモロコシやナッツ類、穀物、乳製品についたカビがマイコトキシンを出して、肝臓や腎臓、消化器系に悪影響を与えます。
 かび毒のあるトウモロコシが、豚などの家畜のエサとして食べられると、家畜が食肉として加工されても、マイコトキシンは死滅なずに、人体に入ってきます。
 また、カビの生えたコーヒーやナッツなどを通して体内に入ってきたカビは、腸内などにコロニーを形成して、マイコトキシンを放出し続けます。
 それらのマイコトキシンは、神経関連のすべての病気の原因になると考えられています。
 特にパーキンソン病に関しては、70%以上の患者さんが、マイコトキシンに暴露していることが研究からわかっています。(画像参照)
 また、アルツハイマー病と診断された人が、家の中のカビを除去して、マイコトキシンの治療をしたことで、記憶が回復したというケースが報告されています。
 さらに、マイコトキシンが遺伝子と結合して、がん細胞を作り出していると考えられています。
 また、めまいや頭痛、神経に関するさまざまな症状にも関連すると考えられています。
 ちなみに、カビは湿度が高いところに生え、島国の日本は湿度が高いので、日本人はマイコトキシンの数値が高い人が多い傾向にあります。
 カビの種類は、最も一般的なものとして、アフラトキシン、オクラトキシンやパツリンなどがあり、他にも、40~50種類あります。(画像参照)
 中でも、アフラトキシンは最強のマイコトキシンだと言われています。
 アフラトキシンの一般的な暴露元は家で、キッチンやバスルーム、車内のカビから空気感染します。
 マイコトキシン検査では、70%の人がアフラトキシンの高い数値を出しています。
 対策としては3つあります。
 一つ目は、ナイスタチンなどの抗真菌薬をとって、腸内から出すことです。
 二つ目は、チャコール(木炭)とクレイ(粘土)を摂ることです。
 チャコールやクレイは、毒素や体内の不要な物質と吸着し排出することを目的としたサプリメントです。食べ物からの栄養まで排出されないよう、食事から2時間あけて服用します。
 三つ目は、クロレラを摂ることです。クロレラにはデトックス効果があり、カビ毒や重金属などの有害物質を排出する効果があります。
 このように、マイコトキシンは、食べ物や生活環境によって体内に取り込まれて、神経系の疾患やガンなどの原因になることがわかります。
 食べ物に気を付けることや生活環境を清潔に保つこと、サプリメントを摂ることで、マイコトキシンから身体を守ることも、病気を予防するためにも必要なことであると考えます。


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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。

~ 転載↓ ~


AIドクターからDNA検査まで、米国の最先端ヘルステック12選


1. CrowdMed
専門コミュニティと連動 医療診断版クラウドソーシング

2. Doctor On Demand
緊急時にも使える遠隔医療モバイルアプリ

3. Collective Health
クラウドベースの新しい医療保険

4. Forward
最新技術を取り入れたハイテク診療所

5. Welkin Health
患者とのリレーションシップマネジメント

6. Honor
介護者と患者のマッチングサービス

7. Health Tap
AIドクターが患者の症状を検診

8. Sensely
アバター看護師「MOLLY」が医療法を指示

9. Proteus Digital Health
体内で消化される超小型センサー

10. Castlight Health
近くの医療機関を検索してコストも試算

11. Oscar Health
誰にでも分かりやすい医療保険を

12. Counsyl
遺伝性疾患最新DNA検査


https://forbesjapan.com/articles/detail/18205
 

~ 転載終わり ~

・感想

 今回の記事は、二年前のものですが、なかなか面白いサービスが満載だったので載せてみました。
 これらのサービスで一つ共通することは、「予防医療×テクノロジー」に多額の投資や人的資源が集まっていることと、予防医療のコスト0化と無人化が進んでいることです。
 日本に導入されるのは、(おそらく大人の事情で)まだまだ先だと思いますが、アメリカやヨーロッパを中心に益々広がるでしょう。
 おそらく、医療保険の「階級化」が一つの要因としてあると思います。
 アメリカやヨーロッパの医療保険は、階級化している所が多く、掛け金の高い人は医療サービスが手厚く、低い人は医療サービスが少ない背景があります。
 このため、病気の予防意識が高いサービスが普及し、かつ、低コストで無人化が進んでいると考えます。
 今後の日本も、おそらく医療保険の階級化が起こり始め、これらのサービスのように、「多額の投資、人的資源の投入、低コスト化、無人化」の医療サービスの必要性が益々高くなると見ています。
 

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③予防医療論文


 今週の気になった論文をピックアップして、感想を交えながらお届けします。

~ 転載↓ ~


 幸福の脳活動を解明
 -大脳右楔前部の安静時活動が低いほど主観的幸福得点が高い-


 幸福は、人にとって究極の目的となる主観的経験です。
 心理学研究は、主観的幸福が質問紙で安定して計測できることを示してきました。
 主観的幸福の脳内メカニズムを調べた最近の構造的脳画像研究は、右楔前部の灰白質体積が主観的幸福と関係することを報告しました。
 しかし、この領域のどのような活動、および機能結合が幸福と関係するかは不明でした。
 脳活動のパターンを明らかにすることで、幸福が生み出される心のしくみについて手がかりが得られます。


 この問題を調べるため、京都大学こころの未来研究センターの佐藤弥特定准教授、ATR 脳活動イメージングセンタの河内山隆紀研究員らのグループは、成人 51 人を対象として幸福度を質問紙で測定し、脳活動を fMRI で計測しました。

 その結果、右楔前部の安静時活動が低いほど、主観的幸福得点が高いことが示されました。
 つまり、より強く幸福を感じる人は、この領域の活動が低いことを意味します。
 先行研究から、楔前部の活動は否定的な自己意識や心の迷いに関係することが示されており、こうしたはたらきが弱いことが幸福感の基盤となっている可能性が示唆されます。
 また、右楔前部と感情処理に関わる右扁桃体の機能的結合が強いほど、主観的幸福得点が高いことも示されました。
 感情を適切に統合することで幸福感が生まれる可能性が示唆されます。


 今回の結果は、主観的幸福と対応する脳活動および脳内ネットワークを、世界で初めて明らかにする知見です。
 今後、瞑想が楔前部の活動を低下させるといった知見と併せることで、科学的データに裏打ちされた幸福増進プログラムを作るといった展開が期待されます。


出典 京都大学 

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2019/190820_2.html

~ 転載終わり ~

・感想

 幸福が科学的にわかるようになってきています。
 脳の右楔前部の体積が大きいほど幸福度が増し、安静時活動が低下している(否定的な感情や悩みがない状態)ほど幸福度が増し、瞑想するほど幸福度が増すことがわかりました。
 瞑想は人を幸せ(平常心)にすることが科学的に証明されたことが、個人的には興味深かったです。
 


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④予防医療動画


 予防医療に関する授業を収録して、YouTubeの限定公開でアップしています。

 今回は、北海道の理学療法士の本田による「栄養学の基礎」の動画です。全部で二回の配信です。
 今回は前編の配信です。

栄養学の基礎 前編
https://youtu.be/fFf3aopD360

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⑤今週の名言


 最後に、ココロが豊かになる名言をお届けします。

『自分で自分を楽しませる

 すべを知っている人間ほど強い』


シャーリー・マクレーン 俳優

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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha


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