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Vol.026 健康寿命

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.026
2020/2/28配信 (2020/8/28まで限定公開)


 このノートは、毎週金曜日にLINEのOpenChatのサービスを使って配信する予防医療ノートです。
予防医療に関するトピックス、ニュース、論文、動画などをお届けします。
 これからの日本の未来は、「自分の健康は自分で守る」時代に突入しました。
 自分の健康を守るための、知識や技術、アイデアなどを提供していきます。


目次


①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④今週の名言

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①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。

テーマ「健康寿命」


 2017年にブログで書いた健康寿命について載せたいと思います。
 ご覧ください。

『最も長生きした人間とは、

  最も年を経た人間のことではない。

 最も人生を楽しんだ人間のことである。』


    (ルソー 哲学者) 

 いまや、寿命を伸ばすのではなく、いかに「健康寿命」を伸ばすかが大事になってきました。
 これを一人一人が考えていかなければならない時代に突入したと考えます。

 個人的な見解ですが、現在の日本では、延命治療が行き届きすぎているがゆえに、病院や高齢者施設では「健康ではない寿命」が伸びている方がたくさんいるように見えます。
 

 その背景には、日本独自の「おせっかいな医療」にあると考えます。


 胃ろうや経鼻経菅栄養、中心静脈栄養(IVH)、点滴、抗がん剤治療など。
 現場を見ていると、「おせっかいな医療」が行き過ぎている感があるように思えます。

 「おせっかいな医療」の背景には、大学教授などの既得権益、製薬会社やその株主などによる既得権益もあるように思います。
 「おせっかいな医療」をすることで、製薬会社は儲かり、大学教授には製薬会社からのバックマージンが入り、医療機器メーカーは儲かり、最終的に株主が儲かるシステムになっているためです。
 医療がビジネス化している弊害と言えるでしょう。


 果たして、そこまでして平均寿命を伸ばす必要があるのでしょうか。
 
 本人が、少しでも長く生きたい、と強く願うのであれば、それは素晴らしいことでしょう。「おせっかいな医療」も有りだと思います。
 ただ、現場を見ていると本人はそこまで長生きしたくないにも関わらず、「空気」に流されて延命の処置をするケースが多いように思えます。

 そのような治療をしている患者さんを見ていて、ほとんどの人が幸せそうでないように見えます。

 いかに平均寿命を伸ばすのではなく、いかに人生を長く楽しむか。

 日本の未来のために、一人一人が健康寿命について、ちゃんと考えていく必要がありそうです。
 

  

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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 
 本日のニュースは2つあります。

ニュース1


~ 転載↓ ~


 全米でインフルエンザの猛威続く 死者1.4万人、感染者2600万人


 米国でインフルエンザの猛威が続いている。米疾病対策センター(CDC)によると、今シーズンの感染者は全米で少なくとも2600万人、死者は少なくとも1万4000人に増えた。

 米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)によると、昨年9月29日から始まった2019~20年のインフルエンザシーズンは、過去10年で最悪級の状況が予想される。
 これまでに少なくとも25万人が、インフルエンザによる合併症のために入院した。
 猛威が続く中、この数はさらに増える見通しだ。


~中略~


 インフルエンザはウイルスが毎年変異することから対応が難しい。そのシーズンに優勢なウイルスが、それまでの年より毒性が強まることもあり、それが感染者数や症状の重さに影響する。

 CDCの報告書によると、今シーズンのインフルエンザは、ウイルスが極端に変化する抗原不連続変異を起こしている兆候は見られない。
 ただ、直近では2009年のH1N1ウイルスにこの変化が起き、人々に免疫がなかったことからパンデミック(世界的な大流行)を引き起こした。


~ 転載終わり ~
 

出典 CNN

https://www.cnn.co.jp/usa/35149610.html 

・感想

 アジア各地では、新型コロナウイルスが蔓延していますが、アメリカではインフルエンザが猛威を振るっています。
 どうやら、インフルエンザの患者の中には、新型コロナウイルスに感染している患者もいるようです。

 今年の冬は、世界中(北半球)で、より一層冷え込んでいるように感じます。
 2010年代で秋が終わり、2020年から冬の時代を予感します。

ニュース2


~ 転載↓ ~


新型肺炎治療薬で国際共同治験に参加 3種類が候補

 新型コロナウイルスによる肺炎の治療薬について、政府は3種類(エボラ出血熱の治療薬のレムデシビル、抗インフルエンザ薬のアビガン、抗エイズウイルス薬のカトレラ)を中心に患者で試す。
 米国立衛生研究所(NIH)が主導するエボラ出血熱の未承認薬の国際共同臨床試験(治験)に日本が3月にも参加する。
 備蓄するインフルエンザ薬なども投与しているが、候補薬の全てで早急に効果を確認するには症例数が少ない。
 副作用があるため、投与する時期や対象者などの判断基準も求められる。


 政府が参加するのはエボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」の国際共同治験だ。
 NIHが世界50カ所で対象者400人程度を想定しているものに早ければ3月から加わる見込みだ。
 日本では並行して、観察研究としての投与も始める。


~中略~


 政府は国立国際医療研究センターを中心に研究班を立ち上げ、治療薬候補の検証を進めている。
 レムデシビルとともに注目するのが、抗インフルエンザ薬「アビガン」と抗エイズウイルス(HIV)薬「カレトラ」だ。
 国内でも患者への投与を始めた。


 アビガンはすでに備蓄がある。 
 政府は新型インフルエンザの流行を想定し約200万人分を蓄えており、患者が増えた場合に対応しやすいのは強みだ。
 ただ、動物実験で胎児に奇形が生じることが知られており、新型インフルエンザの治療では、妊娠時の使用は禁忌となっている。


 カレトラはHIV治療で長く使われており、安全性は高い。
 だが中国上海公衆衛生臨床センターがまとめた最新の臨床データでは、新型肺炎の患者に投与しても、回復を早める効果が確認できなかった。

~以下省略~


出典 日本経済新聞

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO56164610Y0A220C2EA2000?unlock=1&s=3

・感想


 新型コロナウイルスには、HIVと同類のタンパク質が四種類埋め込まれているため、抗HIV薬のカトレラが新型コロナウイルスに効果的との報告があります。
 タイでは有効だと言われていますが、中国では効果は不明、とのことです。
 
 また、エボラ出血熱の治療薬のレムデシビルも、新型コロナウイルスに効果がある、と考えられています。
 国立衛生研究所(NIHS)では、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に感染したアカゲザルにレムデシビルを投与すると、効果があることがわかっています。  
 レムデシビルは、感染前に投与すると病気を予防し、動物がすでに感染した後に投与すると感染の症状が改善する結果になりました。
 MERS-CovもCOVID-19も共通する遺伝子を持っていることから、レムデシビルは効果があると考えられています。

 抗インフルエンザ薬のアビガンも同様です。インフルエンザとCOVID-19は共通していることがあります。
 どちらも、RNAの複製によって増殖する特徴を持ちます。
 アビガンは、RNAの複製を阻害する因子を持っているので、COVID-19にも効果があると考えられています。

 今後は、感染者に対して三種類の薬を複合して処方することでどのくらい効果があるか、臨床試験が行われる予定です。
 
 特効薬ができるまでは、あと半年はかかる見通しですから、それまではこの三種類の薬で凌ぐしかないように思います。
 

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③予防医療論文


 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~


 神奈川県衛生研究所と理化学研究所が新型コロナウイルスの迅速検出法を開発しました 。
 

 これまでの開発研究では、デングウイルス、ジカウイルス等の感染症を、理化学研究所が開発したSmartAmp(スマートアンプ)法を利用して検出する方法に取り組んできました。
 SmartAmp法は、一般的に、検出時間の短縮や高感度検出ができる特徴があります。
 遺伝子を特異的に増幅して検出する簡便・迅速・安価な遺伝子検出技術で、既存のリアルタイムPCR装置をそのまま利用することができるとともに、PCR法のような温度の上下を必要としないため、増幅時間の短縮及びエネルギー消費量の削減が可能な技術です。


 昨今の新型コロナウイルス感染症の国際的な広がりを踏まえ、県からの要請により、神奈川県衛生研究所と理化学研究所は、SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの検出方法の研究開発に着手しました。

 ~中略~


 SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの新たな検出試薬は、リアルタイムPCR装置、等温増幅装置等を活用して、新型コロナウイルスの検出を行うことが可能な研究用試薬です。
 新型コロナウイルス感染症の検査法として現在使用されているリアルタイムPCR検査の方法との比較において、温度の上げ下げの必要がなく、一定温度による、より単純な工程で、より迅速、かつ、高感度で新型コロナウイルスの検出ができるとの実証結果が得られました。


以下省略

~ 転載終わり ~


出典 神奈川県衛生研究所

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/mv4/prs/r1783982.html

・感想


 記者会見では、1時間から2時間ほどかかっていたPCRの検査時間を、SmartAmp法を用いることで10分から30分ほどに短縮できる見込み、とのことでした。
 新型コロナウイルスの早期発見と早期治療に期待です。
 
 また、新型コロナウイルスは、再感染のリスクも14%の確率であるそうです。完治しても油断できないです。
 こまめに手を洗うことと免疫力を高めることを徹底して行いましょう。
 

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④予防医療動画


 動画はしばらく休止させていただきます。

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⑤今週の名言


吉川英治 作家
代表作  「宮本武蔵」

『あれになろう、これになろう


 と焦心るより、


 富士のように、


 黙って、自分を動かないものに


 作り上げろ。


 世間へ媚びずに、


 世間から仰がれるようになれば、


 自然と自分の値うちは世の人が


 決めてくれる。』

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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

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