なぜオリエンのクラブは大会を運営するのか?
これはオリエンテーリング Advent Calendar 2022(裏版)の記事です。
https://adventar.org/calendars/8167
みなさんこんにちは。大阪大学3回生の満田壮晴と申します。
特に実績もない、しがないティアの1人ではありますが、僭越ながらアドベントカレンダーに投稿させていただこうと思います。
自己紹介
「てかおまえ誰やねん」って感じだと思うので、軽く自己紹介をさせていただきます。
はじめまして。大阪大学2020年度入学の満田壮晴と申します。
滋賀県出身で、高校では山岳部に所属していました。
顧問の先生が地図読み練習のために連れて行ってくださったオリエンの大会がきっかけでこの競技を知り、「大学生になったらもっとオリエンをしたい!」という思いでオリエン部に入りました。
競技面では阪神奈同期のエース、橋本選手に遠く及ばず、特に目立った実績を残しているわけではありません。一方でティア第二の活躍の場といえるTwitterにおいても、現時点で20いいねを超えたのはわずか1ツイートと、こちらも大した実績を残しているわけでもありません。
(オリエンTwitter界隈の実績はいいね数ではなくツイート数で評価すべきかもしれませんが…)
今年度で4回目の開催となる阪神奈大会では競技責任者を務めることとなり、普段の競技では適当に読み取っていた地図図式を現在猛勉強しているところです。
なぜオリエンのクラブは大会を運営するのか
さて、この記事の本題です。
「なんで、オリエン部は自分らで大会を運営しないといけないんですか?」
これは、今年の春に1つ下の後輩に投げかけられた疑問です。
彼のこの疑問に対して、自分はうまく答えることができませんでした。
自分が所属している阪神奈では、阪神奈大会を毎年開催しているほか、新人運営練大会や某クレイジー祭りなど、なんだかんだ年3、4回くらいは外部の人に向けて大会を開いています。他の学生クラブでも、回数の差はあれど自分たちで大会運営をする機会があると思います。
そして毎回、運営者は目が回るようなスケジュールで大会当日まで準備を進めています。最初はゆとりを持ったスケジュールで進めているつもりでも、「部室のプリンターが壊れた!」「アングルが足りない!」など色々トラブルが起こり、たいてい開催日の1週間前くらいからはてんやわんやしているイメージがあります。
これらの大会の中には、定例戦など自分たちが定期的に開催する決まりになっているものもありますが、ほとんどの大会は自分たちが勝手に企画しているものです。
仮に例年開催している阪神奈大会をやめたところで、何かの決まり事に反してどこかから怒られるわけではありません。
ではなぜ、オリエンティアはわざわざ自分からしんどい思いをしながら大会運営をするのでしょうか。
私はこの疑問に答えられるようにするため、また第4回大会の競責としての心構えをするため、先輩方に運営する理由を聞いてみることにしました。
運営が大好きな先輩方の意見
ということで、これまで阪神奈大会など数々の大会を運営した先輩方に聞いてみたところ、大きく分けて2つの意見を知ることができたので、順に紹介しようと思います。
(LINEで唐突に難しい質問をしたにも関わらず、丁寧に答えていただいた先輩方本当にありがとうございます。)
クラブを強くして、結束力を高めたいから
抽象的に書くと、「クラブで大会を運営すれば、色々な面でクラブが良くなるから」ということですね。
第1回の阪神奈大会で競責をされていた片岡さんは、2019年の裏アドベントカレンダーに、大会への思いを記した記事を投稿されています。
(入部してから多分10回は読みました)
この記事では、大会を開催することで得られるものとして次のようなことが記されています。
この中でも自分が特に共感したのは、「『阪神奈』の一体感を得る」という項目です。大会に限らず、練習会や合宿などの大きなイベントに向けて準備を進めるときには、メンバー間でのコミュニケーションも増え、阪神奈としての団結をひしひしと感じます。これは、距離的制約により普段は一緒に活動できない阪神奈ではなかなか感じられないことです。
片岡さんに尋ねてみても、いまの阪神奈の結束は数年前と比べてもかなり強く、良い雰囲気だと感じるそうです。要因としてはコロナ禍によりオンラインの活動が増えたこともありますが、阪神奈大会の存在もかなり良い影響を及ぼしていると思います。
また、「地図製作を通してオリエンテーリング技術を向上させる」という項目は、浴ちゃん浴本さんが19日の記事で分析していました。大会のためにクラブで地図調査に取り組むことで、みんなが自然と地図が読めるようになり、クラブとして競技力をつけられるというのはとても理想的な流れだと思います。
自分の企画で他人に喜んでもらうのが好きだから
この意見は、もう文字通りですね。オリエンなら、「運営が好き!!運営したい!!他のティアに喜んでほしい!!」という自分の気持ちをそのまま実行に移すことができます。スプリントかフォレストか、正統派かクレイジーかなど、自分の好きなように運営ができて、参加者も喜んでくれるオリエンは、本当にすばらしい競技だと思います。
私も、イベントの運営に携わるのは割と好きなタイプです。高校の文化祭でも、休む暇なくから揚げを売りまくったり、劇に使う大道具を朝から晩まで作ったりしていた記憶があります。
もちろんこういう作業はかなり疲れるものではありますが、目標に向かって着々と準備を進める、その過程が良いんですよね。「良い」っていう曖昧な表現をしているのは、「楽しい」でも「おもしろい」でもなく、何かよくわからないけどポジティブな感情だからです。
おそらく「企画が好きだから」と答えてくださった先輩方は、文化祭と同じように「他のティアに楽しんでもらう」という目標に向かって必要なものを作り上げていく、その過程も含めて、運営が好きなのではないかなぁと思います。
運営をしたくない人もいる
先輩方の色々な思いを聞いて、なぜオリエンティアは自ら大会運営をするのか知ることができました。でも、初めの疑問をぶつけてきた彼にここまで触れた意見を説明しても、おそらく彼は納得してくれないと思います。
彼の頭の中では、こんな風に考えているかもしれません。
「確かに運営が好きな人が運営をしたがる理由は理解したけど、だからといって運営がそんな好きじゃない人まで巻き込まなくて良くないか?
山を走ることは好きやけど、別に運営がしたくてオリエン部に入ったわけじゃないし、正直面倒くさいなぁ…」
(※ 彼が実際にそう言ったわけではありません。あくまでイメージです)
確かに、オリエン部に所属してどれくらいの熱量で活動するかは、(少なくとも阪神奈では)各部員の自主性に委ねられています。
インカレ入賞を目指して毎日自主トレに励む部員もいれば、電車で行ける近場の練習会しか来ない部員もいます。
それぞれがそれぞれの楽しみ方を見つけられるのもオリエンの良いところですし、それぞれが自主的に活動できるからこそ部の活動が活発になっている側面もあると思います。
それなのに、運営が好きでない人に「運営の手伝い頼むわ」と半ば強制的に押し付けるのはどうなのか?という主張も十分に理解できます。
運営が好きな人だけで運営すれば?
「運営が嫌な人も中にはいますけど、どうすればみんなハッピーになりつつ運営できるんですかね?」というなんとも抽象的な質問を、またまたLINEでekiちゃん浴本さんに聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。
確かに、浴本さんが提案する仕組みにすれば、運営大好き人間はたくさん運営できて、しかも適切な規模で開催するから運営者が前日に倒れなくて済みます。さらに運営がそんな好きじゃない人は関わらずに済んで、みんなハッピーになります。eeekiちゃん天才!!!
…と昨日までは考えていたのですが、投稿日の今日になってちょっとした問題点に気がついてしまいました。
運営が好きな人だけで運営したら、クラブとして得られる大会運営のメリットは少なくなるのでは?
冒頭紹介した片岡さんの記事でも、「調査技術の獲得」や「一体感の向上」は、大会を運営することでクラブにもたらされる大きなメリットだと紹介されています。もちろん運営大好き勢で集まって運営することも悪くはないのですが、一から十まで全部そうやって運営を終わらせてしまうと、どこか「クラブとして成し遂げた」感が薄れてしまうのではないかな…という気がするのです。
クラブ全員が楽しく運営するには
結局ここまでの話をまとめると、
運営が好きな人だけで運営すると、部員みんなが居心地よくオリエンを楽しめるがクラブとしての結束力は得られない
クラブみんなで運営すると、クラブとしての結束力は得られるが、運営が好きでない人には居心地が悪い
という結論に至りました。まさに一長一短ですね。
クラブで大会運営をする場合は、「クラブとして動く」ことと「やりたい人が動く」こと、どちらが良い、悪いというよりも、それぞれのバランスを考えながら運営者をまとめていくのが、ひょっとすると三役として大事なことなのかもしれません。
自分の意見
このままだと先輩の意見の受け売りのような記事になっちゃうので、自分の思ったことも書こうと思います。
運営が好きでない人にも色々な人がいると思いますが、その中には「そもそもイベント全般が好きじゃない」タイプの人と、「オリエンの運営が好きじゃない」タイプの人がいると思います。このうち、前者のタイプの人は仕方のないことだと思うのですが、後者のタイプの人はオリエン部に入ってから、何かがきっかけで嫌いになっているはずです。
嫌いになった理由として想定されるのは
先輩が運営をしていたがめちゃくちゃ大変そうだったから
自分が運営に携わったが大変だったから
仕事内容がよくわからない
仕事量が多い
このあたりだと思います。特に1回生のうちに、新人運営練大会の運営を経験した結果、運営に嫌なイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。
運営が好きな人を増やす、とまではいかなくとも、運営が嫌いな人を新たに生み出さないようにするには、運営が大変であるというイメージを払拭することが重要だと思うのです。
そのためには、各パートごとの仕事内容がはっきりわかるような資料の整備や、負担が重くなり過ぎないような人員配分、そして開催日直前にてんやわんやしないような綿密なスケジューリングが必要になってきます。
これらのノウハウを蓄積し、新人運営練大会なども含めて常に有効的に利用することができれば、もしかすると運営が嫌いな人を減らすことができるかもしれません。
まとめ
だらだら書いていたらとても長くなってしまいました。
もしクラブのメンバー全員が運営大好きマンであるならば、(その組織が健全かどうかは別として)クラブを回していくのはとても簡単だと思います。
でも、実際には色々な人がクラブに入っているわけで、どうすれば部員みんなが満足しつつ、クラブとして力をつけられるような大会運営をできるのかというのは本当に難しい問題だと思います。
「これだ!」っていう解決策は思い浮かばないのですが、みんなが「オリエン楽しい!運営楽しい!」って思えるような環境が作れるとよいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後に宣伝をしようと思ったのですが、阪神奈運営の大会がめっちゃあるので手短にさせていただきます。
①1月14日(土) 阪神奈新人運営練大会
マスコットキャラクター「てれゴン」がめっちゃかわいいです!
最近は、Twitterで記念日に絡めて毎日投稿されるイラストを見るのが日々の楽しみになっています。
②3月5日(日) 第4回阪神奈大会
こちらのキャラクター「ヤマヲカケル」も負けていません!
テレインは昨年度大会で開催予定だった「大柳生」で、日本ランキング対象大会です!
③3月21日(火・祝) パークOツアーin関西 大阪大会
こちらのテレインは万博記念公園と吹田キャンパス!
当日はスペシャルな企画を用意する予定です。お楽しみに!
みなさまのご参加をお待ちしております!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?