阪神奈大会開催に至った経緯、大会への思い
はじめまして
大阪大学2017年度入学(現在3回)の片岡と申します。
今年度から大阪OLCにも加入しています。
昨年、アジア選手権の20E代表に選んでいただき、香港で走ったりしました。実績はそれくらいです。
裏が空いていたので、大会の宣伝を兼ねて「阪神奈」についての話と、2/22,23に開催予定の阪神奈大会の経緯や思いを述べたいと思います。
1、阪大・神大・奈良女の歴史
日本の大学オリエンテーリング界は、しばしば頭文字をとった略語が用いられます。
京大京女 名椙 岩県
しかしここ数年で使われてきた「阪神奈」はこれらの大学群とはすこし毛色が違います。
「阪神奈」を語るには3大学の歴史を知ることが重要です。少し脱線しますが、少々お付き合いください。
1.1衰退から持ち直した阪大
阪大OLCは東大OLKなどと同じ1977年に設立されました。初代会長は現日本学連会長の河合利幸さんです。
話は飛んで2000年代、阪大は消滅の危機を迎えます。2007年度の秋インカレではたった3名しか参加者がいないところまで衰退しました。
その後、大阪外国語大学の合併、2012年度の新歓大成功などを経てクラブが再び大きくなり、今年の秋インカレ参加者は34人にまで拡大しています。(2017年秋の関ヶ原インカレ参加者は44人と過去最大です。)
一方で、阪大は設立から現在までずっと競技力がありません。インカレの成績を見ればその実態が顕著に現れます。
67回のインカレの歴史で
個人戦優勝は 第11回奈良インカレの井上健太郎さん たった1人
団体戦は11回、13回の4位 が最高です。
ここ10年をみても(女子はともかく)団体戦でよい結果は出ておらず、福井直樹さんや出田涼子さんの孤軍奮闘が目立つ結果となっています。
第一回インカレからずっと出場を続けている他の大学と比べると、成績の悪さは一目瞭然です。もちろん、このことへの問題意識はあるのですが、今後の課題や目標、理想像は別の機会に話すこととします。
1.2神大の復活
神大OLKは2008年を最後に一度消滅しました。そこに現れた救世主が2013年度入学の岩切さんと築地さんです。
その後、東海中高OBの勧誘や地道な新歓を経て2019年、新入部員13人(女子8人)と新歓を大成功させ、現在の形となっています。
神大の特筆すべき点は復活後のスター選手の多さです。皆さんご存じの築地選手(2017年度全日本ロング3位)を筆頭に、川島選手、永山選手などこの7年間で複数名のインカレ入賞者を輩出しています。
先週の関西学連ミドルセレでも未経験新人の松本選手がセレクションを通過しました。
現在の神大OLKは設立7年の日本で最もイケイケなクラブといえます。(現在は急激なクラブ拡大による葛藤があるようですが、それは神大関係者がいつか書いてくれるでしょう)
1.3伝統の奈良女子大学
1987年のクラブ設立からインカレ連続出場を途絶えさせていない伝統あるクラブです。
しかし、過去の奈良女は現在とは少し状況が異なります。
関西では奈良女はどちらかというと阪大ではなく京大と仲が良いとされています。それを裏付けるように過去の奈良女子大学は京都大学と活動していました。(なぜ今の形になったのかは僕にはよくわからないため割愛します。)
2、三大学群「阪神奈」
2.1阪神奈の歴史
意外かもしれませんが、阪大・神大・奈良女の3大学での活動しはじめたのはとても最近のことで、2012年からです。
それ以前は、1.1で述べたように部員数が減少していたので、その頃も元気だった京大京女(+奈良女、京都橘、立命館など)と合同で夏合宿などを行っていました。2012年の部員数急増を機に京大京女から独立し、阪大と奈良女が合同で夏合宿を行い始めたというわけです。(神大の合流は2013年)
>京大京女とともに夏合宿を行っていたのは09〜11のみのようです。それ以前にも阪神奈の枠組みはありました。(2019/12/19追記)
2.2阪神奈の問題点
私が入学した2017年、阪神奈には外様の人間にはよく理解できないことがたくさんありました。
・メーリングリストは「阪大」「阪神」「阪神奈」の3つが存在する。
・ライングループは「阪大」のみ(「阪神奈」はない)
・競技部や総務部などは「阪神奈」
・大会は「阪大大会」「神大大会」の2つ
・定例戦は「阪神奈」で開催
・でも新人運営練大会は「阪神」
・合宿やインカレは「阪神奈」
・追いコンは「阪神」 などなど
これらは表面上のいびつな点に過ぎません。
内部の問題はもっと複雑です。
2017年の阪神奈の空気は「阪大+神大」と仲のいいお友達の「奈良女」という雰囲気だったと記憶しています。神大はまだまだ小規模でOLPの力を借りて大会を開くのがやっとの状況でしたし、奈良女も練習会や合宿では一緒だが、それ以外ではあまりかかわらない印象でした。(個人の意見です)
この2年間で部員の意識も変わっていき、団体としてのつながりを感じるようになりつつあります。
今年、神大の新歓が大成功し、神大の新入女子部員数>奈良女の新入部員数 となったことで関係性が崩れつつあるのも阪神奈の問題点です。来年には神大OLKが30名を超えるのはほぼ確実で、神大が独立する気配があります。僕は一緒に活動するほうがいいと思うのですが。。。(個人の意見です)
2.3なぜ「阪神奈」になることができないのか
話をもどします。阪神奈は他の大学群のように一丸となることがなぜできないのでしょうか、そこには2つの理由があると考えています。
①物理的距離
画像を見るとわかる通り、そもそも阪大・神大・奈良女は距離が離れているため平日に一緒に活動するのは困難です。(わかりやすいように同縮尺の都心の画像もつけておきました。)
今年こそ、阪大生が神大にトレをしに行ったり、阪大キャンパスで阪神奈でBBQをしたりしていますが、ほかの大学に比べると活動が少ないことは否めません。
②歴史の浅さ
1.4で述べたように阪神奈が活動を開始したのは2012年からであり、形になり始めたのはこの2.3年です。そもそも神大が部員数10名を超えたのは3年前からですから、関係性がある程度固まってくるのに7年かかったと考えると不思議ではありません。
以上のように阪神奈は物理的な距離や歴史的な背景から、あまり団体としての意識が強くなく、活動も活発ではありません。
これが京大京女や名椙と違う点であり、これからの課題であるのです。
3、大会開催の経緯
ここまで、阪大・神大・奈良女の歴史、そして問題点を語ってきました。ではなぜ、このタイミングで阪神奈合同の大会を開くことになったのでしょうか。大会の言い出しっぺとして自分なりに書いていこうと思います。
3.1大会開催の決定
時は2018年8月、阪大OLC40期数名の第11回阪大大会の実行委員会が立ち上がりました。この時点では「阪大大会」となっていますが、僕やY田(Tシャツで有名)の中では「阪神奈大会」の路線で初めから考えていた気がします。
別に隠すものでもないと思うので、開催案をお見せします。8月の頭にこの案を完成させ、8月末の夏合宿で阪神奈みんなに発表しました。(初代部長の河合会長も同じ会場で聞かれていてエモかった)
文章が拙かったり、非常識な内容であることは許してください。。。
要約するとこうです。
阪大(阪神奈)に足りていないのは
・地図作製技術 およびそれに起因するオリエンテーリング技術
・全体で活動する機会
の2つである。
大会を開催することで
・地図製作を通してオリエンテーリング技術を向上させる
・「阪神奈」の一体感を得る
・「阪神奈」を全国に広める
・大会を足掛かりに、ライト層の参加頻度を上げる
ことができる。
つまり、1.1で述べた競技力が無いという問題の原因、そして2.2出述べた活動が活発でないという問題の原因は
自前の大会がないこと
調査の技術がないこと
であると考えたのです。
第一回阪神奈大会はこのような観点から、新規フォレストテレインで開催となりました。
(確かに現段階で地図調査の成果は少しずつ出ており、地形が少し読めるようになった気がします。。。)
3.2テレイン選定
大会の開催が決まれば次にやることはテレイン選定です。
まったく地図調査の知識がない私たちは昔から目をつけていた「走落神社(摂丹街道、湯谷ヶ岳)」の下見に行きました。そこで見たのはこの光景です。
スーパーAの中にポツンとある岩を見た瞬間、一気に鳥肌が立ったのを覚えています。この日はこれを見てウキウキで帰りました。(テレイン全部がこんな感じではないのでそこは忖度してください。。。)
3.3役職決定など
この下見後、本格的に渉外と役職決めが始まりました。
渉外技術や調査技術では、大阪OLCの玉木さん(阪大OB)と仲良くさせていただいていたこともあり、大阪OLC主催の地図調査・OCAD講習会(講師はNishiProの西村さん)を開いていただいたり、現地での地図調査講習を開いていただくなど、本当にお世話になりました。
現在もEAとして玉木さんにはずっとお世話になっています。(この大会の前に京大京女のEAと全日本の競責をやってるからすごい。。。)(この後はWMGで活躍されるらしい)
3.4調査の話
2019年の春から調査が始まりました。ここで大問題が起こります。ここは関西の山、レーザー測量なんてあるわけもありません。ちょっと調査をするだけで気が付きました。
「これ、絶対俺らじゃ地図描けねーわ」
学生だけで地図作ってる大学ってすごいですね、みんなやってるから僕らにもできると思ってました()
そもそもレーザーが入ってる場所の中からテレインを選ぶ大学もあるみたいですし、今思えば基盤地図しかない時点であきらめるべきだったと思います。
そこで急遽路線を変更し、宮西山野精図の宮西さんに調査を依頼しました。お忙しい中急な依頼を承諾していただき、本当に助かりました。普段涼しい矢板で活動されていることもあり、関西のジメジメアツアツの夏に苦労されていて、とても大変そうでした。。。
我々も小さな範囲ではありますが頑張って調査しています!
余談ですが、宮西さんは、「最初テレインに入ったときは矢板かと思った」とおっしゃっていました。どういう意味かは皆さんがテレインに入って確かめてください!
4、大会の目標、思い
4.1大会の目標
日本の学生大会はとてもレベルが高いですよね。WREにしたり、全日本大会と併設したり、岩だらけのテレインを学生だけで調査したり、あの手この手で公報して参加者を伸ばしたり。。。
もちろん、理想は全国各地の学生大会に劣らない魅力のある大会にすることです。
しかし、いままで読んでくださった方はわかる通り、大会運営を一から始めている私たちにはそれ以前の問題です。
第一回阪神奈大会の目標は1つ
参加者も運営者も楽しめて、
「参加してよかったなー」と思える大会
です。特筆すべき点はないかもしれません、運営に不手際が多いかもしれません。それでも、地に足をつけて運営者全員で楽しい大会になるように頑張っています!ぜひご参加ください!!!
4.2大会への思い
最後に、まだ大会は終わっていないですが、思いを少し話して終わろうと思います。
「阪神奈大会」とは言いますが、阪大・神大・奈良女にはそれぞれに悩みや不安があり、そのなかで互いを尊重しながら活動しています。
今回の大会を通して阪神奈のみんなが仲良くなり、より集団意識が強くなればいいなと思っています。
そして、この「阪神奈大会」が将来もずっと開催され、
「え、阪神奈大会いかないの?」
「阪神奈大会、楽しいから絶対行ったほうがいいよ」
「阪神奈大会参加はオリエン競技者の義務」
といわれるような大会になればいいなと思います。
インカレ会場で「HANSHINNA!」「HANSHINNA!」とコールがこだまするくらいになればいいなぁ。。。
・宣伝
2020年2月22.23日に第一回阪神奈大会を開催します!
テレインは22日土曜日が大阪大学吹田キャンパス、23日日曜日が豊能郡豊能町切畑地区(走落神社)です。
PRポイント①
良質なテレイン、良質なコース
吹田キャンパスはたくさんの建物が立ち並んでおり、WMG対策にはもってこいのテレインです。
走落神社は関西らしい急峻な斜面、柔らかい土壌でありながら、関西の固くて濃い藪が少ないため、少し異質なテレインといえます。こちらもWMG対策には有効ではないでしょうか。
クラス分けは10、15、18、20、21、35、50、65と細かく設定しており、自分に合ったコースを選択できます。
PRポイント②
種類豊富なグッズ
今大会では、Tシャツ、クリアファイル、キーホルダーと3種類のグッズを用意しております。
近日中にグッズ用パンフレットを公開予定ですので、そちらも併せてご覧ください。
PRポイント③
たくさんの協賛企業
皆さんおなじみの O-Support様、ニチレイ様
また、地元の納豆メーカーである 山口食品様 に協賛いただいております。今後も協賛していただける企業が増える予定です。
そして、ゆるキャラグランプリ13位に輝いたあのキャラクターにも会えるかも!?
このほかにも、たくさんのPRポイントがございます。
ぜひ公式サイト、公式Twitterをご覧ください!
大会申し込みはこちらから!
会場申し込みも行っています。
12/22(日) 東海学連ミドルセレ
1/12(日) パーク O ツアーin 関西大阪大会
1/13(月・祝) パーク O ツアーin 関西和歌山大会
1/18(土)阪大神大奈良女新人運営練大会
拙い文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。
1)インカレ成績や出場者数の箇所において、もりてぃあ様のインカレデータ集から引用させていただきました。ありがとうこざいました。
https://blog.goo.ne.jp/moripiori
2)今大会において、要項1の段階でKOLC大会様と日程がかぶってしまいました。本来ならばこちらからご連絡すべきところを、ご連絡差し上げることができずご迷惑をおかけいたしました。申し訳ございませんでした。
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