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2020/9/12 没頭と推しへの愛

長男のレゴ作業に付き合う。昨夜おっことしてバラバラになってしまった救急車の修復作業だ。総合病院のコンセプトがついたキットの一部で、組み立て説明書が残っている。自分は別の制作作業があるので、暇ならやってくれと依頼された。

何千個あるのかわからないレゴのストックボックスを傾け、床に広げた布の上に流し込む。この布は円形のナイロン素材でできていて、端に紐が通してある。細かいレゴブロックも、この上で作業し最後に紐を引っ張ってしまえば簡単に片付けることができるという代物だ。床に散らばるレゴブロックほど凶悪なものはない。こちらの精神を蝕むほど片付けが面倒な上に、取りこぼされたものは凶器となって大人の足の裏を狙ってくる。この布を考案した人はとてもえらい。

布の素晴らしさはさておき救急車だ。説明書を見ながらちまちまと小さなパーツを探す。元来組み立て作業は好きだ。脳の血液が目に集まるような、自分の中の液体がどろっとそちらに移動するような感覚になる。自分が何かに「没頭」しようとする時のサインだ。口数が多過ぎる長男も、レゴに集中している時は静かだ。しばしお互い無言で作業に集中する。

ガチャ、と子供部屋のドアが開いて現実に引き戻される。夫だ。時計を見るとあっという間に1時間半も経っている。救急車はほぼ完成。同時に昼食だ。「どうだ」と長男に渡すと、わーすごい、ありがとう。と褒めてもらえた。ブロックを乗せた布の紐をぎゅーっと引っ張ってまとめる。それでも部屋を出るまでに小さな刺客に足の裏を2度ほど突かれてしまった。

夜は、地元の友人たちと飲みに出かけた。と言っても駅前の居酒屋だ。鳥刺しを突きながら、近況など話し合う。テレビに映っていた「NiziU」のメンバーひとりひとりの良さと彼女らの軌跡について、健康状態への心配とこれからの展望について方々から力説される。

好きなことを好きなように話す。子供とばかり過ごしているとなかなかできないことだ。生き生き語る友達が面白くて、家に帰る途中に改めてiphoneでNiziUについて調べてしまった、愛情とは力だなあ、と酔っ払いながら思う。レゴに向かう長男の横顔と、NiziUについて語る彼女たちの顔は、ちょっと似ていたような気がした。


「THE MUSIC DAY」を飲み屋のテレビで視聴。読書はなし。

本やなにかしらのコンテンツに変わって私の脳が潤います。