見出し画像

アナログ通信から光通信まで 通信回線進化の歴史

今の時代は、スマホやタブレット、Wi-Fiなど、あまりインターネット回線への接続を意識することなく、ネット環境を利用できるようになりました。

皆さんは、どのような環境でネットに接続していますか?

10代〜20代の方は、ほぼスマホやゲーム端末で利用することが多いと思います。

30〜50代の方は、仕事ではパソコンでネットに接続、プライベートではスマホやタブレットで接続ということが多いかもしれません。

60代以上の方は、そもそもあまりネットを利用しないかもしれませんが、PCで接続することが多いのではないでしょうか?

最近では、人生の諸先輩方もスマホやタブレットを使いこなしてきていると思います。

いずれにしても、インターネットに存在している情報を入手するためには、回線使用料を払い、ネット回線に接続する必要があります。

無料Wi-Fiのサービスを提供しているところも増えてきているので、回線接続も無料で利用している方もいると思いますが、インターネットに接続するための手段というのも、いくつかの変遷を経て現在に至っています。

今回は、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)についての歴史を史実に基づいて、一部脚色を含めて振り返ってみたいと思います。

音響カプラを使った電話回線の利用

音響カプラとは、当時の固定電話(アナログ回線)の受話器を乗せて、通信データを音声データ(ピーガーっていうノイズ音を聞いたことあるでしょうか?)に変換し、マイクとスピーカーを使って通信を行う装置です。

電話機本体から、接続先の電話番号へコールすることで、通信回線に接続することができます。

受話器を介するため、周辺の環境ノイズを拾ってしまうなど、精度があまりよくありませんでした。

画像1

(音響カプラ:Wikipediaより引用)

モデムを使った電話回線の利用(ダイヤルアップ接続)

パソコンにモデムを接続することで、電話回線(モジュラージャック)を直に接続することで通信が可能になりました。

接続先の電話番号にコールして接続するのは、音響カプラと同じですが、パソコンのソフトウェア上でコールするため、ソフトを起動すると自動的に接続することも可能でした。

音響カプラもモデムも、電話回線を利用するため、インターネットへ接続している間は電話料金が発生してしまいます。

そのため、電話会社では23時〜翌朝8時まで、使い放題のサービス(NTTのテレホーダイ等)が提供されていました。

ISDNを利用したデジタル通信

それまでのデータ通信は、電話回線を使ったアナログ通信が一般的でした。

将来的なデータ通信を想定し、画像・音声・データの通信をデジタル通信で一本化しようとして考え出されたのがISDN(Integrated Services Digital Network)、サービス統合デジタル網と呼ばれるものでした。

それまでのモデムによるアナログ通信では、56Kbpsの通信速度でしたが、ISDNでは、64Kbpsを実現していました。

しかし、ADSLの登場で次第にIDSNは存在意義を失っていくことになります。

ADSLを使ったアナログ通信

ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)は、通信速度が上り(アップロード)と下り(ダウンロード)で違う通信手段でした。

この通信方法は、上りで512Kbps〜1Mbps、下りで1.5Mbps〜8Mbpsの通信速度を実現していましたが、ベストエフォート方式と言って、必ずしもその速度を保証するものではないという条件がついたサービスでした。

しかし、それまでのモデムやISDNと比べて、格段に速い通信が実現されたため、長らくADSL通信の時代が訪れました。

光回線を利用した高速通信

光ファイバーケーブルを利用した通信方法で、それまでの電線(メタル回線)や電波を使った通信と比べて、

 ・傍聴されにくい
 ・電気的なノイズの干渉を受けにくい
 ・長距離でもデータの劣化が少ない
 ・とにかく高速

という特徴がありました。

欠点は、光ファイバーケーブルは耐久性に難があり、折れてしまうと通信できなくなってしまうデリケートなものでした。

それでも現在では、光回線を使った通信が一般的になっており、光回線を利用した電話機やパソコンでのインターネット利用では主役となっています。

通信キャリアやWi-Fiなどの無線通信

スマホやタブレットが登場以来、通信キャリアが提供する無線通信が大きく普及してきました。

通信キャリアが提供するデータ通信は、速度制限や月々のデータ通信量の制限などがあり、ヘビーユーザーには物足りないものでした。

その後、無線LANが登場してくると、その中からWi-Fi(ワイファイ)という商標登録が現れます。

Wi-Fiは、IEEE802.11という国際標準規格に準拠した相互接続を保証するものであったため、様々な機器で導入されていきました。

現在では、スマホやタブレットだけでなく、携帯ゲーム機、据え置き型ゲーム機、パソコンでも扱えるようになっています。

また、基地局を容易に設置できるため、家電量販店やカフェ、レストラン、空港などの公共施設で独自の基地局を設置して、無料で通信が行える環境を提供しているところも増えています。

その他の通信方法

現在では、光通信やWi-Fiが通信の主役となっていますが、これまでご紹介したもの以外にも様々な通信方法が現れては消えてゆきました。

そんな通信方法をいくつかご紹介していきます。

電線を使った通信(電力線搬送通信)
電気のコンセントにモデムを刺し、9600bpsの通信速度を実現した通信方法です。

高速通信を実現するために、高周波の電気信号を流すため、無線通信や医療機器に干渉して悪影響を与えることが指摘され問題となっていました。

画像2

(電力線搬送通信:Wikipediaより引用)

ケーブルテレビ(CATV)を利用した通信
同軸ケーブルや光ケーブルを用いた通信方法です。

ケーブルテレビ放送で使用されている回線を利用して、テレビ放送の他に、インターネット接続や電話の利用を実現したものです。

通信サービスの提供もケーブルテレビの配信元が行なっているというのが特徴でした。

日本国内では、ケーブルテレビ自体が普及しておらず、名前が知られているのは「スカパー!」くらいでしょうか?

Twitterでは大喜利企画、ブログでは読むラジオ、リアルではWEB屋の仕事をしています。 noteでは、WEBに関するお話や大喜利ファンクラブで話している内容を少しだけ紹介しています。