ゆめの話
なんだか不思議な夢を見た。
僕とよめさんはふたりで海辺のような水に近い町に旅行に来ているようだった。
古い木造家屋が水辺に張り出すように建ってる。
その一階で、よめさんは水に濡らした足で、木造の廊下を楽しげに走っていく。足跡を残しながら。
「濡らしちゃってしょーがないなー」
と思いながら後を追って、階段を登ろうとすると、
「いま足元をベリーちゃんが通っていった気がした」
って、うれしそうによめさんがいうんだ。
「ベリーちゃんも遊びに来てるんかな」
笑いながらそう話すんだ。
3年前に亡くなった愛犬のことを僕たちはそんなふうに時々話す。
でもたぶん、二階を周り終えて、階段を降りてくる時、
見たんだ。
しっぽを振りながら僕の足元を走っていくベリーちゃんを。
「いま、ベリーちゃんがいた!」
場面がかわって、廊下。
廊下をむこうから走ってくるベリーちゃんが見える。
腰をおとして両腕を拡げると飛び込んでくるちょっと重い感触と匂い。毛の手触り。
一瞬だったけど、もう懐かしいあのぬくもり。
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