TVC164 Heineken / NO TIME TO DIE / Worth The Wait
本日(10/1)公開となる007の新作「NO TIME TO DIE」、本来は昨年公開されるはずだったのがコロナの影響で公開が1年遅れ、満を持しての公開となります。ダニエル・クレイグ主演の007としては最後の作品になるということで、長年の007ファンである僕も首を長くして公開を待っておりました。
それは本人も同じだったようで。
ヨーロッパを感じさせるクラシックなバーにて、テーブルに座っている一人の男。バーテンが彼に届けたのは瓶入りのHeineken。カメラが男を正面に捉えると、彼がダニエル・クレイグであることがわかる。冷えたビールをおもむろにグラスに注ぎ始めるダニエル・クレイグ。丁寧すぎるぐらいにゆっくりと注ぎ、一口目を美味しそうにゴクリ。そして彼がつぶやいた一言とは…。
その一言は、「Well Worth To Wait(大いに待つ価値がある)」でした!
このCMのコピーは?
コピーらしいコピーはダニエル・クレイグのセリフである「Well Worth To Wait」しかないので、これが唯一のタグラインコピーとなります。またこのCMに関する海外の記事を見ると、Good Things are Worth the WaitというCMコンセプトが出てきます。なるほど。しかしこれ↑って、同じビールブランドのGUINNESSのブランドメッセージ「Good Things Come To Those Who Wait(良いことは待つ人の元にやって来る)」とかなり重なってると思うんだけど、どうなんでしょうね…。
このCMの構造は?
さて気を取り直してCM構造について考えてみましょう。かなり直球のタイアップCMなので、タイアップ先である「NO TIME TO DIE」からの発想になります。そうなると…。
1:1年遅れての映画公開である
2:ファンは皆待ちくたびれている
3:それはバーで冷えたビールを待つ客の気持ちに似ている
4:その客がダニエル・クレイグだと面白い
という発想の流れになりますね。これをリバース!すると…
1:バーにいるダニエル・クレイグ
2:冷えたビールをグラスにゆっくりと注いでいく
3:うまそうに飲んで一言「Well Worth To Wait(待つ価値がある)」
4:「NO TIME TO DIE」9/30公開 + Heinekenのロゴが出る
という全体のCM構造が出来上がります。シンプルで良いですね。
このCMのアイデアは?
公開が遅れた007の映画を待つ気持ちと、冷えたHeinekenのビールを待つ気持ちはよく似ている、というのが基本アイデアですね。あれ?しかし、前述したように「待つ価値がある」はHeinekenのブランドバリューだっけ?という疑問がやっぱり心のなかでふつふつと湧き上がるのですが、そこはさすがのHeineken、このキャンペーンのために独自の調査を行っていました。115人の被験者に対し、0分から30分の時間を待たせてから冷えたHeinekenを飲ませて、その結果「20分待って飲むのが一番美味しい」という結果が出たそうです。ダニエル・クレイグのWell Worth To Waitの正当性を強化するためにリサーチャーがこういう調査を行ったというのは面白いですよね。納得性を高める事にかけては命をかける外資系らしいアプローチだと思います。
予測されるアドアイデアは?
こちらも上と重なりますが、「公開が遅れた007と、冷えたHeineken、どちらも味わうまで大いに待つ価値がある」と言えるでしょう。
アイデアカテゴリ
製品を、同じ特性を持つ別のものになぞらえたストーリーなので… #05置き換える・例える とします。
CMアイデアカテゴリより
ロケはNY
ロケ場所はNYグランドセントラル駅の隠れ家バー【The Campbell Bar】。この駅は行ったことがありますが、こんな場所があるの知らなかった…。次回NYに滞在するときはぜひ訪れたいスポットです。しかしなぜイギリスではなくアメリカ…。
過去の海外CM紹介はこちらのブログで!
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