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養うということ

 こんにちは、甘野充です。

 僕は連載小説「セブンデイズ・ア・ウィーク」で、養うということをテーマに書いていた。
 館長はビジネスでお金を生み出し、そのお金を使って食えないクリエイターを養っていた。
 時代遅れの映画監督、売れない画家、売れないミュージシャン。そういったクリエイターたちを養い、作品作りに没頭してほしいと願っていた。
 ビジネスには厳しい。お金を生み出し、みなを養わなければならないからだ。
 館長は毎日違った女と寝ている。そして彼女たちを養っている。
 彼女たちはお金のために館長と寝ているのではない。館長に愛されたいから寝ている。だけども館長は特定の人だけを愛さない。たくさんの人をたくさん愛そうとしている。
 それが、男としての務めだと思っている。

 貞操概念とかって、違うと思う。お金を持っている人はたくさんの人を幸せにする義務がある。
 誰一人不幸にしなければ、それでいいのだ。
 その人の愛を独占するのは、わがままなのだ。
 ちゃんと生活を保障していればいい。幸せは、自分で手に入れるべきものなのだ。

 これは男のエゴなのか?
 いや、違う。
 てんちむが同じようなことを言っていた。
 女でもそう考える人はいるのだ。
 お金を持っていれば、考え方は違ってくる。
 お金があれば、何にも縛られることはないのだ。
 お金の無い人が、お金に不安のある人が、人を恨むのだ。
 憎しみは、そうした不安から生まれるものだ。

 だけどもこれはフィクションだ。
 僕の小説はフィクションだ。
 僕はお金持ちだじゃないし、たくさんの人を養えないから、こんなことはできない。

 普通の人は、金持ちを妬ましく思う。
 自分にはそれができないから、許せない。

 僕は夢を見る。
 夢の世界を小説で描く。
 僕の夢は、小説の世界で実現する。

 主人公も僕だし、館長も僕だ。
 まだ経験が足りない僕、色々な経験をした僕。
 時間軸の違うその二者が対峙する。
 この小説はそんな物語なのだ。

 人生をやり直せるとしたら、それは空想の世界だ。
 空想の世界は自由だ。
 そこには何者にも縛られない自由な世界。
 その自由な世界に僕はいる。

 今日はそんな感じです。
 それではまた。


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