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彼女は20世紀からタイムリープしてきた20世紀少女。 昭和の時代から来た20世紀少女。 彼女は聖子ちゃんカットだった。 ボートハウスのトレーナーを着ていて、テニスのラケットを持っていた。 彼女がこの時代の人ではないことは、僕にはすぐにわかった。 それは、マスクをしていなかったからだ。 彼女は散歩道のベンチに腰掛けていた。 ふわっと、もわっと、ぼんやりと座っていた。 それはまるで、現実に存在していないかのようだった。 彼女の座っている空間だけが、まるで異
2 彼女の名前はハルと言った。 まるで「2001年宇宙の旅」に出てきたコンピューターのようだ。 そう言えば「2001年宇宙の旅」は、20世紀に作られた21世紀の映画だ。ハルは彼女の名前にぴったりだった。
4 「人の心の声が聞こえてしまうの」 とハルが言った。 「人が心の中で思っていることが、聞こえてしまうの」 とハルは言った。